北条氏ゆかりの地を巡る旅4 伊豆の国市・江間の北条義時館跡はどこに

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今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、北条義時が主人公。

でも北条義時って、平清盛や源頼朝、北条政子ほどにはよく知られていませんね。最後まで生き残るのに。

そんな北条義時や北条氏の面影を尋ねて、2021年3月27日(土)、桜の花咲く静岡県伊豆の国市を訪れました。

北条氏ゆかりの地を巡る旅3 伊豆の国市・北条氏邸跡と円成寺跡

2022年4月24日

北条氏ゆかりの地を巡る旅2 伊豆の国市・北条政子産湯之井戸と堀越御所跡

2022年4月24日

北条氏ゆかりの地を巡る旅1 伊豆の国市・願成就院で北条時政の墓参り

2022年4月24日

北条時政の館から、江間の地へ移った義時

今回の大河ドラマの主役・北条義時は、実は人生の長い時期(18歳~42歳まで)を「江間(えま)小四郎義時」という名で記録されています。

北条時政の嫡男・宗時(義時の兄)が石橋山合戦で討ち死にした後、北条氏の跡継ぎは、なかなか正式に決まっていませんでした。

石橋山の戦いの翌年北条義時は、平家方に味方して討ち死にした敵方の「江間次郎」の所領を、源頼朝から与えられました。

それが次の目的地・江間。やがて彼は江間に居を構えたので「江間小四郎義時」と呼ばれ、北条本家から分家したという扱いを受けていたそうです。

源頼朝が、彼を「時政の子」ではなく、独立した「一人前の(しかもかなり信頼できる)御家人」と見ていたためか、はたまた父の時政が、愛する牧の方が将来男子を産むだろうから、その子に北条本家を継がせようとしたためか。ともかくドラマのオープニングでは、今はまだ「北条義時」となっているような気が。

北条時政邸跡からは、徒歩でだいたい25分ほど。狩野(かの)川を挟んですぐ近くの距離ですね。

狩野川べりの桜が美しい!

歩いていると富士山も見えました。血なまぐさい戦争とは無縁の、とてものどかな景色です。

狩野川の清流を渡ります。

橋の場所が悪くて、かなり遠回りをさせられているように思えました。馬で渡れば、もっと近い距離感だったかも。

国指定天然記念物・地震動の擦痕

江間の北条義時邸跡に行くまでに、とても珍しい天然記念物を発見!

「地震動の擦痕」というものです。

1930(昭和5)年11月26日発生の地震(北伊豆地震)の強い揺れによって、当時小学校校庭に展示されていた魚雷(!)と台座との間に傷(擦痕 さっこん)ができました。

この擦痕から、複雑な揺れの様子が読み取れるのだとか。

確かに、地震計で書いたグラフのような傷がついています。この傷に気づき、貴重なものと判断して後の世に残そうと決めた人は、本当にすごい! 私などは多分何も考えず、この魚雷も太平洋戦争になると軍に供出したかも。

それにしても、「魚雷を小学校校庭に展示していた」という当時の状況にもびっくり! 今、魚雷の展示されているこの場所こそが、旧江間尋常小学校校庭だったのです。

江間次郎と八重姫と北条義時 3人の運命が交錯する江間の里

この天然記念物展示のすぐ近くに、北条義時の館跡があるらしいのですが、私達の探し方が悪いのか、石碑を見つけることができませんでした。今は小学校はなく、「江間公園」となっています。

大河ドラマゆかりの地を示す幟(のぼり)が立っているので、絶対ここだと思うのですが、本格的に発掘したというよりは、周囲の寺院や地名などから推測しているのでしょうか。

さて、元々この「江間」の地を所領としていた「江間次郎」とは、『平家物語』や『曽我物語』などに登場する人物。頼朝の最初の妻・八重姫が、父親の伊東祐親(いとうすけちか)の命令で再婚した相手です。

北条氏よりも強大な伊豆の大豪族・伊東氏の姫君にしては、かなり身分の低い小領主との再婚。

しかも川一つ隔てた場所に、元夫が新しい妻と一緒に暮らしています(大河ドラマでは、実際に姿がお互い見えていました)。これではますます八重姫が気の毒。

ところが、『鎌倉殿の13人』の時代考証担当者の1人・坂井孝一氏の『鎌倉殿と執権北条氏』によると、

八重姫の姉は北条時政の最初の妻(この時点では故人)で、北条氏と伊東氏も親戚。身分違いの江間次郎は、八重姫をとても大切にするだろうし、親戚の北条氏も、彼女を支援してくれるだろうという、伊東祐親の配慮も見られる再婚作戦だったようです。

確かに大河ドラマの江間次郎(芹澤興人さんの演技が良かった!)は、八重さんに冷たくされても侮られても、とても優しくしていましたね。最後に彼の優しさが、八重さんにも伝わってよかった(涙)。

『曽我物語』によると江間次郎は討ち死にし。父や兄も捕縛されます。八重姫も身柄を保護され、父や兄同様、三浦義澄(山本耕史さん演じる三浦義村の父親)に預けられたと坂井氏は考えます。無理やり再婚させられた夫に殉じて八重姫が自害するとは考えにくいし、頼朝の最初の妻・八重姫に対して、頼朝軍の兵たちが酷い扱いをするとも思えない。

そして御家人たちの結婚を仲介して姻戚ネットワークの頂点に立ちたい頼朝や、頼朝と八重姫を近づけたくない北条政子の思惑などもあり、一番信頼できて八重姫も住んでいた江間の土地を拝領した北条義時と八重姫が結ばれ、やがて北条泰時が誕生するという説です。

歴史には「阿波局(あわのつぼね)」としか名を残さない北条泰時の生母ですが、これはなかなか面白い説だと思いました。これに三谷幸喜さんの脚本が加わるのですから、今後の展開が大いに楽しみです。

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