2018年12月2日(日)、昨日から那覇を訪れていた私達は、早朝から久高島を目指し、レンタサイクルで島の聖地を巡りました。
久高島では、レンタサイクルで島の聖地を巡ります。
安座間港でもらった『Rakueneeds』の地図を頼りに、後半も頑張ろう!(時間は個人差があるので、あくまでも目安です)
ヤグルガー
沖縄では、川や湧水、井戸のことをガーと表現します。
フボー御嶽を訪れた後に偶然見つけたのが、「ヤグルガー」という標識。
沖縄は昔から「水」の確保が課題となる土地で、湧き水や井戸が貴重でした。
沖縄の神話にも登場するヤグルガーは、島の神女(ノロ=琉球王府から任じられた、国家公務員的な巫女)たちが、禊に使う井戸だそうです。
今でも禊に使われる聖なる場所らしいのですが、残念ながら、今は暴風雨の被害を受けて危険な個所があるらしく、立ち入り禁止。
たまたま清掃に来られた島民の女性に話を聞けたので、わかったのです。階段の一番下突き当りにある岩陰の穴に、水がたまっているらしい。
聖なる井戸を見ることはできませんでしたが、この階段から見る海の景色は、とても素晴らしいものでした。
久高島の墓地
自転車で走っていると、墓地に遭遇しました。
久高島では、1960年代まで風葬の習慣が残っていました。
ところが岡本太郎らによって、風葬の現場を暴くかのような取材がされたこともあり、現在は火葬となって、一般的な沖縄風の墓に埋葬されています。
沖縄独特の亀甲墓だけでなく、いろいろなデザインのお墓がありました。
お墓参りの時期ではないためか、広い墓地には人影がなく、長居せずに自転車で走り抜けました。
久高殿(御殿庭・ウドゥンミャー)
やがて集落が見えてきました。
この日は島民の方々が、総出で井戸掃除をなさっていたのです。だからヤグルガーにも、島民の女性がおられて、話を聞くことができたのです(私たちは運がよかった!)。
私たちは久高殿の場所がわからなかったのですが、ちょうど掃除を終えて帰宅途中の女性グループを見つけ、場所を教えてもらうことができました。
久高殿は、島の大事な祭祀場の1つ。
昔、シラタル(百名白樽)とその娘タルガナー(多留加那)が天神地祇を祭り、島の繁栄を祈った場所と言われています。
前にある広場も含めて、午(うま)年に行われていたイザイホーの舞台となった、神聖な場所です。
広場の左にあるのは、イラブー(海蛇)の燻製小屋(タルガナー)。
中央の建物は神アシャギと呼ばれ、イザイホーの時、神の世界とこの世の境界となります。
内部には何もありませんでした。
右にある建物・シラタル宮の内部です。島の始祖の一人・シラタルを祀っています。
12年に一度行われるイザイホーは、残念ながら1978年以降行われていません。
昔読んだ『ヤマタイカ』という漫画の中に(途中までしか読んでいませんが)、イザイホーが出てきました。古代日本の姿を示唆する大事な祭りではないかと思っています。
祭祀が行われなくなった庭には、そのかわり、かわいい猫が降臨していました。
集落からイシキ浜へ
久高島の人口は270名程度で、その多くは高齢者だそうです。
スーパーもコンビニも、床屋も娯楽施設もありません。
学校はとても立派でした。南城市立久高小中学校です。
やがて徳仁港にも到着。
無事に自転車で島を一周できたのですが、自転車返却にはもう少し時間があったので(レンタサイクル3時間コース)、最初カベール岬行きを優先して素通りしたイシキ浜へ行ってみました。
島の東側に広がるイシキ浜は、麦や粟などの五穀の種が入った壺が流れ着いた場所。
ここから久高島、そして沖縄本島へと農耕が始まったと言われています。
琉球国王も訪れたという、神聖な浜。
ニライカナイ(海のかなたの神の世界)に面する浜として、今でも祭祀の場として祈りがささげられる重要な場所だそうです。
カベール岬同様、遊泳や石の持ち帰りは厳禁です。注意してください。
食事処とくじんで久高島ランチ
久高島観光を終え、久高船待合所で自転車を返却。
帰りのフェリーが13:00で、少し時間があったので、久高島で昼食を食べることにしました。
訪れたのは、徳仁港に近い食事処とくじん。
猫に悩まされているのでしょうか。猫好きには気になる貼り紙です。猫と共存するためにも、お店の注意は守りましょう。
ここも食券販売機があり、水やお茶などはセルフサービス。
久高島名物のイラブー(海蛇)汁も気になったのですが、お店のお勧めっぽい久高御膳(1,200円)と
沖縄そば(650円)にしました。
もちろんオリオンビール(500円)も。
昨日のやっぱりステーキ2ndでは400円だったオリオンビールですが、輸送料が含まれているのか、100円高いですね。
久高御膳のデザートは、沖縄独特のムーチー(餅)という菓子。
サンニン(月桃)の葉で巻いてありました。
食事を楽しんだ後は、13:00発のフェリーで、沖縄本島・安座間港へ到着です(所要時間約25分)。
久高島観光の後は、斎場御嶽(せいふぁーうたき)を目指します。お楽しみに。
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