今日は少し気分を変えて、NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』について、一般に知られている定説?や個人的な感想などを書いてみました。
直親(亀之丞)の潜伏生活と女性関係
ドラマでは詳しく描かれていませんが、9歳の亀之丞は井伊谷から脱出し、南渓和尚の人脈を頼って、信濃国伊那谷の市田松岡城(現長野県下伊那郡高森町)近くの松源寺で潜伏生活を送りました。
伊那谷へ脱出する途中、亀之丞の命を狙う井伊家家老・小野政直の命令を受けた弓の名手に、危うく殺されかけたこともあったとか。
井伊谷から持参した「青葉の笛」を吹いて、潜伏生活の寂しさを紛らわせていた亀之丞はやがて成長し、島田村(現長野県飯田市)の代官である塩沢氏の娘を妻に迎え、一男一女を儲けました。
井伊谷に戻れる確実な保証もない、心細い潜伏生活の亀之丞の立場としては、先方から縁談があった場合、むげに断ることもできなかったでしょう。
ところが、亀之丞の命を狙っていた小野政直が亡くなり、武田信玄が伊那谷を侵略すると、亀之丞は井伊谷に呼び戻されます。
亀之丞の使命は、井伊家の女性に後継者を生ませることなので、妻と息子は連れて帰るわけにいきません。
息子には、我が子である証として短刀を授けたようですが、この息子はその後どうなったのでしょう?
亀之丞は井伊谷に無事に帰還できたお礼として、愛用していた「青葉の笛」を、井伊谷の近くにある寺野八幡宮に奉納しました(この笛は現存しています)。
そして娘を連れ、井伊谷脱出から常に彼を守ってきた家臣の今村藤七郎とともに、11年ぶりに井伊谷に帰還したというわけです(亀之丞20歳)。
次郎法師や井伊谷の人たちは、亀之丞の伊那谷での女性関係を知ったうえで、井伊家の次期当主として迎え入れました。
ドラマのように、後から隠し子が出て来て大騒動、ということではなかったようですね。
ちなみに亀之丞については、最近発見された史料でゲス不倫疑惑が持ち上がっています。
詳しくはこちらをご覧ください。
「亀之丞=悲劇のプリンス」にしなかった大河ドラマ
ドラマでは、爽やかそうなイケメンだけれど、とんでもない二枚舌(で済むのか?)で、時々自己中心的な場面もあって、見ていてイラっと来る亀之丞(直親)を、三浦春馬さんが好演されていました。
「スケコマシ」という言葉を、まさか大河ドラマで聞くことがあろうとは。
でも、戦国時代に「スケコマシ」という言葉があったかどうかはわかりません。
検地の時にも責任を小野政次さんに押し付ける魂胆が見え見えで、株価急降下だった亀之丞改め井伊直親。
奥山殺人事件の時の名推理で小野政次さんを助けたり、駿府に申し開きに行くときの(殺される直前の)セリフがなかなか良くて(単なる死亡フラグ?)、少し見直していたのですが、またまた株価急降下。
今回の大河ドラマのヒロイン相手役だろうけれど(彼ではなくて高橋一生さんかな?)、ダメな部分も出てくるのは面白いなと思いました。
これで直虎さんと、しのさんの関係が良くなったので、めでたしめでたし。
亀と鶴の永遠の絆
このドラマで注目しているのが、主役3人(井伊直虎、井伊直虎、小野政次)の子供時代から続く絆。
子役3人もよく回想シーンで出てきますね。
ところで「亀之丞」の名は史実だけれど、「鶴丸」「おとわ」については、NHKの創作です。
多分、「亀」のライバルだから「鶴」、そして亀も鶴も千年も万年も生きるため、永遠=とわ=「おとわ」という感じで、幼い時の名前が決められたのではないかなと思っています。
「あるいは裏切りという名の鶴」というサブタイトルは、もし他の名前だったら(例えば「竹千代」)、絶対成立しなかったと思います。
『真田丸』も漢字二文字で頑張っていたけれど、『おんな城主直虎』もサブタイトルのセンスがすごいですね。
今回の「第三の女」も、次回の「ぬしの名は」も笑えました。
新たな展開! 気賀と盗賊団
新たなドラマの舞台として、気賀(けが・きが)が登場します(浜松市北区細江町)。
井伊谷の近く、浜名湖の北に位置する交通の要衝で、現在も関所跡が残っています。
時代劇では江戸時代の町はよく目にするけれど、中世や戦国時代の町は、あまり目にする機会がないので、どんな風に描かれるのか、とても楽しみです。
また、気賀を根拠地にするドラマ完全オリジナルキャラの盗賊団が活躍するようですが、高橋一生、三浦春馬、市原隼人、(小林薫)というイケメン軍団に加え、さらに柳楽優弥という新たなイケメンも投入して視聴者を増やそうとするNHKの戦略には脱帽。
さらっと出ましたが、南渓和尚が井伊直平の実子ではないというのも、どうやら事実のようです。
不義の子か、養子になったのかよくわかりませんが。
ちなみに私は、高橋一生さんと猫のにゃんけいのファンです。
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