ストラスブール旧市街で、多分誰もが訪れる観光名所が、ストラスブール大聖堂でしょう。
中世最大の建物
とにかく、ものすごく、大きい。
ゴシック建築特有の尖塔が、天に向かって伸びています。
天まで届く塔を建てたい、という中世の人々の情熱が伝わってきます。
ヴォージュ地方の赤色砂岩から切り出した石で造られたので、ほかの街の教会とは違う少し華やかな印象も受けました。
中世では最大の建物だったようです。
高さ142メートルで、1647年から1874年まで世界一の高層建築だった。1874年にハンブルクの聖ニコライ教会に高さを追い抜かれた。現在は教会としては世界第6位の高さである。アルザス平原のどこからでも見え、遠くはヴォージュ山脈やライン川の反対側にあるシュヴァルツヴァルトからも見える。
とても写真には収まりきれない観光名所だと思いました。
これは横から見たところです。
尖塔が片方しかないというのも、ほかの教会には見られないユニークさ。
『ウィキペディア』によると、やはり左右対称にするため、もう1つ尖塔が計画されたようですが、建設されることはなかったとか。
資金不足だったのかな? それとも、このユニークさが、気に入ったのでしょうか。
説教壇の子犬をなででみよう!
早速内部に入ってみました。
この教会は、正式にはノートルダム=ストラスブール大聖堂と呼ばれ、ノートルダム(フランス語で「我らの貴婦人」)つまり聖母マリアにささげられた教会です。
内部はとても荘厳でした。
ステンドグラスやパイプオルガンも美しいです。
ステンドグラスの多くは14世紀のものらしいです。
とてもラッキーだったのが、説教壇のそばを通りかかったとき、現地ガイドに説明を受けていた日本人観光客に偶然出会ったこと。
その現地ガイドさんは、説教壇の装飾彫刻の中にある子犬について説明し、子犬の頭をなでると、幸運が訪れると言っていました。
これは初耳!こんなの『地球の歩き方』にも載っていませんでした。
早速便乗して、なでてみました。
後でネットで調べると、『世界ふれあい街歩き』で紹介されていたということですが、番組のホームページには載っていませんでした。
ある司祭が飼っていた犬がモデルになっていて、この犬の頭をなでると、なぜか再びこの大聖堂に来ることができると信じられているそうです。
『世界の誰かとシェアしたい話』サイトで教えていただきました。ありがとうございます。
天文時計が動くのは12時30分(しかも有料)
『地球の歩き方』に記載されていて、とても気になっていたのが、天文時計でした。
天文時計とは、普段聞かない言葉ですが、ヨーロッパでは時折見かけました。
天文時計とは、天文学的な情報、例えば太陽、月、十二宮の星座、時には主要な惑星の相対的な位置などを示すための特殊な装置と文字盤を備えた時計である。
天文時計には普通、天動説に基づいた太陽系があしらわれている。文字盤の中央には地球を表す円盤や球が置かれていることが多く、これが同時に太陽系の中心を示している。太陽はしばしば金色の球で表され、24時間で地球のまわりを1周する。このように表現することで日常的な体験、あるいはコペルニクス以前のヨーロッパにおける哲学的世界観と一致させている。
この大聖堂の天文時計は、高さ18mで、世界最大の天文時計の1つだそうです。
大きいだけではなくて、とても美しく、毎年変わる復活祭の日や閏年など様々な天文データも計算できる、当時最高レベルの計算機(当時のコンピュータ)でした。
ちょうど11時前だったので、11時になったら、からくり装置が動き出すに違いないと、天文時計の前でじっと待ちました。
2011年8月に見たプラハの天文時計でも、正時(この時は3時)になったら十二使徒の人形が出てきました。
いよいよ期待の11時!
でも鐘が1回チーンと鳴っただけで、何も起こらず、集まった見物人から失笑が出る始末。
後で調べてみたら、12時30分に、一斉に全てのからくり(オートマタ)は動き出すようでした。
しかも平日だと、11時45分から入場券まで取られるらしいのです(日曜祝日は無料)。
詳しくは『Life in Strasbourg』のサイトをご覧下さい(とても丁寧に解説されています)。
もっと下調べをしておけば良かったなと思いました。
この日は天気も悪かったので、展望台にも上れていません。
もし、あの子犬の御利益があるなら、またこの大聖堂を訪れることでしょう。
その時には天文時計のからくりをしっかり見て、展望台にも上がりたいと思っています。
コメントを残す