ムーンストーンを見るか、仏教伝来の地に行くか
ルワンウェリ・サーヤ大塔見学を終えた私達に、ガイドのランジェナさんが、1つの提案をしました。
本来ならクイーンズ・パビリオンという場所で、素晴らしいムーンストーンを見る予定でした。
でももし希望するなら、そこをキャンセルして、仏教伝来の地ミヒンタレーへ、夕陽を見に行ってもいい。
どちらにしますか?というお話でした。
イスルムニヤ精舎に行ったとき、夫がミヒンタレーの話をしたのを覚えていてくださったのです。
昨夜あまり寝ていないから、早くホテルに帰りたいという気持ちもあります。
今日の日没は午後6時半頃みたいだし、大体今日は曇っているから、夕日がきれいに見えるかどうかもわかりません。
でもムーンストーンは明日でもまた見られるらしいし、夕日は見なくていいから、仏教伝来の地という聖地ミヒンタレーに行くことにしました。
ということで、アヌラーダプラ遺跡入場チケット(1人25USドル)には、キャンセルのスタンプが押されています。
青空に映える白いダーガバ(仏塔)って、こんな感じなんですね。
仏教伝来の物語
紀元前247年6月満月の日、アヌラーダプラ王、デーワーナンピヤ・ティッサがミヒンタレーに鹿狩りに訪れ、鹿に変身した山の神の導きで、アショーカ王の息子・マヒンダのもとに導かれたそうです。
王はマヒンダ(写真中央)と問答の末、仏教に帰依することになりました。
この王の時代に、インドのブッダガヤから聖なる菩提樹がもたらされ、アヌーダプラにイスルムニヤ精舎が建設されたのです。
ミヒンタレーの地名は、このマヒンダにちなんで名付けられたものだとか。
振り返れば日本の場合、仏教がいつ伝わったか、日付までは習わないですね。
恐るべしスリランカ。
ここにも猿がいる
アヌラーダプラから車で30分ほど行くと、ミヒンタレーに到着です。
ここもたくさんの人が訪れていて、駐車場も満車状態。
駐車場付近にいた猿たちは、トクモンキーかな?
アヌラーダプラのスリー・マハー菩提樹の近くで見た猿たちと違いました。
1日に2種類も猿を見るなんて、全然思っていませんでした。
日本ではニホンザルしかいないけれど、スリランカには何種類猿がいるのかな?
マンゴーの花も、ランジェナさんに教えてもらいました(初めて見ました)。
食堂跡と石板
ランジェナさんにまず案内されたのが、食堂跡。
ここにも、さっきカトゥサーラで見た石櫃(いしびつ)があり、僧侶が食べる米やカリーを入れたそうです。
一説には、4,000人の僧侶が食事をしたのだとか。
近くには僧侶の住居跡があり、僧院の規律(戒律)を記した石板も残されていました。
サンスクリット語で書かれているのかな?
はだしで山を登る
ここからいよいよ、本格的な山登りが始まりました。
私は腰痛も抱えているし、ランジェナさんに大丈夫なのかと尋ねてみると、全然平気、明日のシーギリヤ・ロックの練習ですと言われました。
確かに石段それ自体はたいしたことはなさそうですが、困ったことに、途中のチケットオフィスから上は、履き物を脱いで山を登らねばならないのです。
はだしで山を登るなんて、今まで経験したこともありません。
うそでしょ?と言いたくなりましたが、仕方ありません。
本当に足が痛くて痛くて、泣きそうになりながら山を登りました(絶対厚手の靴下必要!)
マハー・サーヤ大塔
やっと丘の頂上に出ました。
ここにあるのが、ミヒンタレー最大のダーガバ(仏塔)で、お釈迦様の髪が祀られているそうです。
大きすぎるので、全体がカメラに収まりませんでした。
ダーガバ(仏塔)の横に本堂があり、涅槃仏や神々?の極彩色の像がありました。
丘の上からの眺めも素晴らしかったです。
やっぱり曇っているし、日没もまだまだなので、夕陽を見るのは無理そう。
どこまでも続く緑の大地と貯水池と、そして地平線が見えました。
インビテーション・ロック
デーワーナンピヤ・ティッサ王が鹿に導かれてこの地に来た時、マヒンダが瞑想していたという、巨大な岩です。
この岩の上にも登ることができるそうですが、足場が良くないということで、とてもじゃないけれど登る勇気はありません。
でもよく見ると、たくさんの人が列をなして登っていて、岩の上にはびっしりと人がいます。
ちょっとあそこで瞑想するのは難しそう。
でもあの岩山からスリランカ全土へ、そしてタイやビルマなど東南アジア一帯に上座部仏教が伝わっていったのだと思うと、やはり敬虔な気持ちになりました。
このインビテーション・ロックの他にも、岩山が所々にあるのが、スリランカの地形の特徴でしょうか。
明日は、超有名な岩山のシーギリヤ・ロックに登るのだけれど、大丈夫かな。
下りも、とても痛い思いをしながら、やっとのことでチケットオフィスまでたどり着きました。
サンダルのありがたさを、これほど感じたことはありません。
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