あのヴァチカン市国と同じ面積!
北京からのニュースの時、特派員さんの背景でたいてい映っているのが天安門広場(こんな感じ?)。
せっかく北京に来たのだから、毛沢東の肖像画が掲げられた天安門をテレビと同じ角度で見てみないと、北京に来たという気がしない。
というわけで、北京旅行最終日の11月5日の朝早く、故宮見学の前に訪れました。
南北880m、東西500mという、世界最大の広場(世界最小の国ヴァチカン市国と同じ面積!)だとは知らなかった。
国家儀式の際には、ここに50万人もの人々を収容できるそうです。
ヴァチカン市国も行ったことがあるけれど、サン・ピエトロ大聖堂や法王庁宮殿、美術館などいろいろな施設があってそこそこ広いかなと思っていたのですが、まさか天安門広場と同じくらいだったとは。
厳重なセキュリティ
広場全体をじっくり観光するなら、地下鉄前門駅から広場に行き、南側から北上しながら故宮に至るというルートがお勧めのようですが、私達は故宮見学のついでに天安門広場に立ち寄るので、そんなに広場での観光時間はありません。
地下鉄1号線には天安門東駅と天安門西駅があり、とりあえずホテルから近かった天安門東駅で下車してみました。
天安門東駅の方が、やや広場に近いそうです。
地上に出てみると、広場へ通じるセキュリティーチェックのゲートがありました。
とても物々しい雰囲気です。
それに加えて、警備兵さんたちがパトロールのため隊列を組んで行進していました。
広場のあちこちにも、警備兵さんが立っています。
天安門事件の舞台でもあったこの場所で、テロや大規模な反政府運動が起こらないようにしているのでしょうが、ちょっとやりすぎのような気もしました。
やっぱり資本主義の国とは少し違うのかな。
天安門事件の舞台
天安門広場というと、どうしても思い出されるのが、1989年に起きた天安門事件です。
1989年4月の政治改革に積極的だった胡耀邦元党総書記の死をきっかけとして、中国・北京市にある天安門広場に民主化を求めて集結していた学生を中心とした一般市民のデモ隊に対し、中国人民解放軍が武力弾圧(市民に向けての無差別発砲や装甲車で轢き殺し)し、多数の死傷者を出した大量虐殺事件である。
以前テレビで紹介されていましたが、中国の人たちは、天安門事件のことを知らないようでした(知らないふりをしているだけかもしれませんが)。
中国では、グーグルやヤフー、ツィッターやフェイスブック、LINEなど私達が使う多くのネットサービスが利用できませんが、それもこれも、中国政府にとって都合の悪い情報が国民に流れないようにしているためです。
中国政府は、政府に協力的な中国独自の類似ネットサービスを多数立もち上げて国民の不満を解消し、中国は今や世界でも有数のネット社会になりつつあるようですが、情報に自由にアクセスできず、政府から与えられた情報しか使えない社会というのもある意味恐ろしいなと思いました。
今の中国の体制ももちろん恐ろしいですが、私達ももしかしたら、限られた情報にしかアクセスできず、偏った情報しか知らなくて、それに流されてしまっているということもありますね。
天安門広場が閉鎖される日
さて、この天安門広場ですが、入場は無料。
但し国家行事の際などには観光できないこともあるそうです。
例えば3月上旬(3月3~16日のことが多いそうです)に開催される全国人民代表大会と政治協商会議の期間中は、一般開放を中止しているとか。
ちょうど私達の訪問から3日後の11月8日から10日まで、トランプ大統領が中国を訪問したのですが、その時の天安門広場はどうなっていたのでしょう?
故宮は閉鎖されたようでしたが、ここは警備が厳しくなっただけで、観光できたのかな?
天安門広場の団体観光客
この日は何もなかったので、朝早くだというのに、観光客がたくさん来ていました。
中国で印象的だったのが、そろいの帽子や上着を着ている団体観光客(しかもよく目立つ色なのです)。
ちょっと威圧感があるというか異様な感じもするし、私なら恥ずかしくて抵抗あるなと思うのですが、御当人たちはあまりそういう意識はないようです。
日本の制服着用している中学生や高校生の遠足や修学旅行も、外国人から見たら多分こんな感じだろうから、あまり目くじらを立てることもないのかもしれません。
でも団体行動が要求されるバスツアーの場合、日本ならワッペンやシールをつけるのが多分一般的でしょう。
日本のバスツアーで全員ピンクの帽子をかぶれと言われたら、多分絶対反対する人がいるはずです。
昔の日本人なら、別に違和感を感じなかったでしょうか。
あと30年もしたら、違った光景になるのかな?
広場の見どころ
毛沢東の肖像画が掲げられた天安門の他、まず目につくのが、人民英雄記念碑です。
アヘン戦争から国共内戦までの、名もなき「革命烈士」を記念するもので、広場の中央に立っています。
この石碑の後ろにあるのが、毛沢東の遺体が安置されている、毛主席記念堂。
巨大な国旗掲揚台。日の出とともに国旗が掲揚され、日の入りと共に降納されます。
警備員さんの背景になっているのが、人民大会堂。
今年の10月18日から10月24日まで、中国共産党第19回全国代表大会がここで開催され、この大会で習近平総書記を党の中心とすることが再確認されました。
でも一番広場で存在感があったのは、この巨大な生け花?
中国らしい、豪華な牡丹の花が印象的でした。
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