秋色北京 憧れの故宮 皇帝の公的空間「外朝」 中華世界の中心で、ラストエンペラーを偲ぶ

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「朝廷」の語源

世界最大級の宮殿・北京の故宮には「外朝」と呼ばれる公的な空間と、「内廷」と呼ばれる皇帝一家のプライベートスペースがありました。

これが、日本でも使われる「朝廷」の語源になったのです。

故宮見学も、まず「外朝」からスタートしました。

午門

故宮の正面入り口で、故宮最大の門。「午」とは南を表す十二支です。

門全体が逆凹字形をした「闕門(けつもん)」という様式は、門の中でも最高級なのだとか。

この広場では、官吏が午前4時に皇帝を遥拝したそうです。

門をくぐると、すぐ目の前に、外朝の入り口である太和門が見えてきました。

そちらに行きたい気持ちもあるのですが、2015年10月から公開されるようになった午門内部に行ってみました。

それまでは、下から見上げるだけだったようです。

長い階段を上って、楼上へ出てみました。

門の上からは、太和門へと続く広場を流れる人造の川(金水河)や、そこに架けられた橋が見えました。

故宮最大の門だけあって、門上の楼閣も立派でした。

先ほど通ってきた、天安門から続く道です。

ここでは皇帝が、民衆に来年の暦を与えるという儀式も行われたそうです(暦を管轄するのは皇帝の仕事)。

こんな高いところから民衆の姿を見たのかな?

東には鐘楼、西には鼓楼がありました。

門だけで、すでに圧倒された気分になりました。

内金水橋

午門と、外朝の入り口である太和門の間にある人造の川・金水河は、宮殿の周囲を流れ、濠の役目をしています。

川に架かる橋は5本あり、中央が皇帝専用の橋。

中央を渡るのは気が引けたので、一番西側の橋を渡って、太和門へと向かいました。

太和殿

太和門をくぐると、すぐに紫禁城と呼ばれた宮殿の正殿である太和殿が見えてきました。

中華世界の中心ともされた建物は、現存する中国の木造建築物の中でも最大のものだとか。

一目で只者ではないとわかる建物の構造で、昨日訪れた天壇と似ているような気がします。

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2017年12月11日

一番特徴的なのが、白大理石でできた三層の基壇で、彫刻の付いた階段もありました。

この広大な前庭を見ると、『ラストエンペラー』の映画の中に入り込んだような気分。

太和殿では国家的式典や儀式が行われ、政治の中心でもありました。

屋根瓦は、皇帝にしか使用を許されない黄色の瑠璃瓦。

内部を覗いてみましたが、押すな押すなのものすごい人波で、ゆっくり見ることができませんでした。

天井は格子天井、中央には皇帝の玉座がありましたが、カメラに収めるのが精いっぱい。

もう少し内部をじっくり見る余裕が欲しかったです。

中和殿

太和殿の奥にあり、太和殿での公式行事に赴く皇帝が、その前に休息をとる場所です。

皇帝はここで諸大臣の朝拝を受け、その後、ここから輿に担がれて太和殿へ向かいました。

また、天壇や地壇などで行われる祭祀の前に、農具や種子を点検したり、「玉牒(ぎょくちょう)」という皇帝の家系図を点検する場所だったようです。

保和殿

中和殿の後方に位置する建物で、公式行事の際に皇帝が衣装を替えたり、年に2度、モンゴルなど属国の王を招いて宴が行われたりしました。

清朝の乾隆帝以降、科挙(官吏登用試験)の最終試験である「殿試」(皇帝臨席の試験)も、ここで行われています。

太和殿ほどではないですが、ここも内部をのぞき込む人たちで大混雑でした。

屋根の上の装飾も、なかなかユニーク。

保和殿を後ろから見たところです。

皇帝一家の居住区である内廷へ通じる乾清門(けんせいもん)が見えてきました。

広大な宮殿は、まだまだ続きます。

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