7月16日(月)、クラブツーリズムで行った大阪梅田発の日帰りツアー
明延から神子畑を繋いだ「一円電車」に乗車 往時の姿で歴史を伝える・・・「明延鉱山」「神子畑選鉱場跡」と名滝「天滝」
の体験記2回目です。
明延鉱山とは
今回のツアーで私たちが一番楽しみにしていたのが、兵庫県養父(やぶ)市にある明延(あけのべ)鉱山の坑道探検。
ここでは錫(スズ)、銅、亜鉛、タングステンなど、多品種の非鉄金属鉱脈を持つ鉱山で、特に錫は日本一の鉱量を誇っていたそうです。
錫は単体でも使用されますが、銅との合金である青銅や、鉛との合金であるはんだの材料としても重要な金属。
亜鉛は電池、めっきや真鍮(しんちゅう)などの材料に、タングステンは高級な切削用工具や電球のフィラメントなどに使用されています。
十分な埋蔵量がありながら、円高に伴う金属価格の下落で大幅な赤字となり、1987(昭和62)年に惜しまれながら閉山しました。
2007(平成19)年、経済産業省が公表した近代化産業遺産に「明延鉱山探検坑道(旧世谷(せたに)通洞坑)」が認定されました。
「明神電車と蓄電池機関車」「明盛共同浴場『第一浴場』建屋」も、明延鉱山関係で、一緒に近代化産業遺産に認定されました。
明延鉱山探検坑道 見学上の注意
坑道跡の見学なので、個人で訪れる場合でも、見学にはガイド(保安要員)の同行が必要です。
平日なら、3日前までに予約しなければなりませんが、毎週日曜日(4月第2日曜~10月最終日曜まで毎週)に開催される日曜坑道見学会なら予約不要です。
平日の受付は8時30分~17時15分、日曜坑道見学会の受付は10時~15時。
受付場所は、平日はあけのべ自然学校ですが、日曜坑道見学会はあけのべ憩いの家(養父市大屋町明延1082-1)なので、間違えないようにしてくださいね。
料金は高校生・一般 1,200円 小中学生 600円(各種割引もあるそうです)。
また前回のブログでも書きましたが、坑内の気温は年間を通して約12~13度です!
とても寒いので、長袖の上着を持参してください。私たちは1時間ほど歩きました。
また、坑道は土道のため、水たまりや凸凹等もあります。歩きやすい靴が必要です。
懐中電灯については、ガイドさんも持っておられたし、特に必要だと思いませんでしたが、心配なら持参なさってもいいかと思います(いざとなればスマホもあります)。
坑道内部へ
このシャワーキャップをかぶってから、配布されたヘルメットをかぶります。私たちのバスは42名なので、2グループに分かれて見学。
今日も一日、ご安全に! 坑道入り口です。扉を開けると中から猛烈な冷気! 寒い!
トロッコの線路が敷かれている坑道を、ガイドさんを先頭にして進みます。
明延鉱山の坑道総延長は約550km(東京~大阪間の東海道新幹線に匹敵!)ですが、この探検坑道は、行程は約650mです。
江戸時代の旧掘割り
ガイドさんによると、明延鉱山は東大寺の大仏鋳造の際、銅を献上したという伝説もあるのだとか。
昔は鉱物を含むことで微妙に変わった水の味や、岩肌の色を頼りに地表から鉱脈を発見し、鑿(のみ)とハンマーを用いて人力で掘っていました(俗称は狸堀り)。その跡を見ることができます。
このエリアは江戸時代に掘られた跡で、地表に掘られた穴からは、太陽の光が。順番に穴を見たので、写真を撮る暇がなかったのが残念。
天盤の鉱脈
天井の岩盤に、鉱脈が見えている部分がありました。
ガイドさんが懐中電灯で照らしてくれると、天井が緑に光ります。
この緑色に見える箇所は、銅が酸化し、錆びた緑青(ろくしょう)。ここに銅があるんですね。
白い部分は、炭酸カルシウム(石灰)です。鍾乳石とも言われています。
以前生野銀山を訪れたことはありますが、その時は、こんなにはっきり鉱脈や鍾乳石が見えたかな?
明延鉱山、侮りがたし。まだまだ見どころがありそうですが、続きはまた次回に。
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