モーツァルトとシューベルト 意外にあった共通点

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今日(2018年10月14日)、兵庫県立芸術文化センターで、ルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズ・シュトゥットガルトのコンサートを聞く機会がありました。

メンバーの1人、コントラバス奏者の幣隆太朗さんは、地元の県立西宮高校音楽科のご出身だったのですね。今日もモーツァルトのコンサートアリアで大活躍でした。

今回のコンサートは、前半がモーツァルト、後半がシューベルトの楽曲だったのですが、よく考えたらこの2人、かなり共通点がありました。

父親の存在感

幼いモーツァルトが、音楽の天才(音感が異常に鋭い)と見抜いた父親のレオポルト(ザルツブルクの宮廷音楽家)は、当時考えられる最高の音楽教育を施しました。

才能に気づいたのが3歳、正式にレッスンを開始したのは4歳の時で、今の音楽教育を考えれば、決して早いとも思えませんが、当時は異常な早さだったのでしょう。

各地を家族で演奏旅行し、「神童モーツァルト」の評判をヨーロッパじゅうに広めたのも、レオポルトの功績。

しかし成長とともに父子は対立するようになり(たとえばモーツァルトの結婚を巡ってなど)、ザルツブルクと決別していたとモーツァルトは、父親の葬儀にも出席できませんでした。

一方シューベルトも、アマチュア音楽家の父親(職業は教師)から、6歳の時にヴァイオリンを教えられます。

そして翌年には、父親の手に余るほどの才能を発揮し始めたため、父親はシューベルトを教会の聖歌隊に預け、シューベルトはそこで、さらなる音楽教育を受けました。

13歳ごろから、作曲も始めていますが、17歳ごろ変声期を経て聖歌隊を去り、兵役を避けるために父親の学校で教師として働き始めます。

しかし全く教師の仕事に関心が持てず、父親とも対立。

19歳の時に父親は、教師を辞めて作曲家の道を歩むことを了解してくれました。

2人とも、幼少期に父親から才能を見出され、音楽教育を施されたけれど、父親が大きな壁として立ちはだかることもあったという点で、似ているなと思いました。

それにしても、モーツァルトは5歳で作曲を開始し、8歳で最初の交響曲第1番(今日のコンサートの第1曲目でした)を作曲しています。8歳って、小学校3年くらい?

シューベルトの作曲開始の13歳も、中学1年くらいですよね。2人ともすごい!

サリエリとの関係

映画『アマデウス』で、初めてその存在を知った(恥)、オーストリア皇帝に仕える宮廷楽長サリエリ。

モーツァルト毒殺の犯人として描かれてしまいましたが、真実は違うのでは?とする説が主流のようです。対立していたことは事実のようですが。

一方サリエリは、優れた音楽教育家として評価されており、ベートーヴェンやリスト、シューベルトなど、多くの生徒を育てました。

シューベルトが11歳から入学した寄宿制神学校は、サリエリの指導の下にあり、ウィーン楽友協会音楽院の前身校だったのです。

成長したシューベルトが聖歌隊にいられなくなり、17歳で学校を去った後も、サリエリには個人的にレッスンを受けています。

サリエリは、自分が経済的に成功していたこともあり(ヨーロッパ楽壇の頂点に立つ立場)、弟子からは一切謝金を取らず、貧しい弟子や才能のある弟子への支援を惜しまなかったようです。

サリエリさん、いい人なんですね。

貧困と若死に

モーツァルトは神童ともてはやされたものの、高給の仕事には恵まれず、浪費癖もあったようで、晩年は貧しく、35歳で亡くなりました。

遺体はウィーン郊外のサンクト・マルクス墓地の共同墓穴に埋葬されたようですが、実際に埋葬された場所は不明。

一方シューベルトも、教師を辞職したため、非常に貧しかったようです。

ただ、彼は良き友人たちに恵まれ、崇拝者もいて、生活の世話をしてもらったり、音楽会を開催してもらったりすることもありました。

尊敬していたベートーヴェンが亡くなった翌年、シューベルトは31歳で亡くなりました。腸チフス説が強いようです。

遺体はシューベルトの意を受けた友人により、ヴェーリング墓地の、ベートーヴェンの墓の隣に埋葬されました(のちに両者とも、ウィーン中央墓地に改葬)。

膨大な作曲量

モーツァルトの作品には、ケッヘル番号という、時系列に彼の楽曲を整理する番号があり、それによると最後の楽曲は、あの名曲『レクイエム」』。

生涯に626もの(未完の作品含む)作品を発表したのですね。

5歳から作曲を始めたので、30年間で626曲。単純平均して、1年21曲ほど作曲です。すごすぎる!

一方シューベルトも、生涯に173曲を作曲。

彼の場合、生涯で作曲できたのは18年間だから、単純平均で1年13曲。

モーツァルトに比べたら見劣りしますが、「神童」は別格。同時代の人で、ここまで多作な人は、珍しかったそうです。

ちなみに、ベートーヴェンを崇拝していたシューベルトですが、本当にあこがれていたのは、モーツァルトだったのだとか。

道理で、2人の曲の雰囲気が、なんとなく似ていると思いました。

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