シベリア鉄道初心者コース
2018年8月12日、ハバロフスクを訪れました。
この街を訪れた最大の目的は、シベリア鉄道に乗ること。
シベリア鉄道は、ウラジオストックとモスクワを、6日と2時間かけて結びます。
余裕があれば、全線踏破にもチャレンジしてみたいところですが、私たちが乗れるのは4人が1つの個室(コンパートメント)を使用する二等寝台が関の山。
少々狭いし、気を遣うし、最初は1泊がちょうどいいだろうということで、ハバロフスクからウラジオストックまで乗ることにしたのです。初心者にはちょうどいいかも。
シベリア鉄道がやってきた!
ハバロフスク駅には夕刻到着し、シベリア鉄道が来るのを待ちます。
2階に有料待合室(仮眠室)もあるのですが、1階でひたすら待ちました。
私たちが乗るのは、ハバロフスクとウラジオストック駅を1泊2日で結ぶ「オケアン号」の下り列車。オケアンとは「大洋」で、オーシャン、オケアノスと同じ意味。
下りのオケアン号は、ハバロフスクを20:50出発、1番線ホーム発です(緑の表示)。
鉄道の時刻はモスクワ時間だと思っていたのですが、日本から印刷して持参したチケットも、駅の案内板も、すべて現地時間で書かれていました。最近現地時間に統一されたそうです。ありがたい。
ハバロフスク駅には、シベリア鉄道に乗る外国人団体客(主にアジア系)がいっぱい!
彼らは事前準備もばっちりで、列車に乗る前にすでにジャージや短パンなどに着替えています。
いつでもこのスタイルで、寝ることができるというわけです。
ハバロフスクが始発駅のオケアン号には、発車1時間以上前から、ホームで対面することができました。
ホームから見たハバロフスク駅の駅舎です。なぜかオベリスクもありました。
オケアン号とご対面!
シベリア鉄道には、一昨日スリュジャンカ2駅からイルクーツクまで乗りましたが、長距離を走る寝台列車に乗るのは、これが初めて。
憧れのオケアン号です。もうすぐ夜の20時ですが、この明るさ。
ロシアの列車って、とてもたくさん車両を連結しています。
数えたら、19両ありました。ガイドブックでは14両くらいと書かれていましたが、今日は乗客が多いのかな? 連結する機関車が頼もしい。
オケアン号内部
一昨日、バイカル湖岸鉄道に乗った時も感じたのですが、列車に乗る時、ホームからの段差がかなりあります。
一昨日と違い、スーツケースを持ち上げねばならないので、とても大変でした。
ヨーロッパの列車旅は、これがつらい。
昔はポーターを雇える身分の人しか、列車に乗らなかったという時代の名残でしょうか。
オケアン号内部
私たちは、5号車の第3コンパートメント、9番から12番までの座席(夕食なし)を、乗車2カ月前に日本でネット予約し購入ました(4人で41,003円)。
乗ってみると、まだ照明が薄暗く、エアコンも効いていませんでしたが、走り始めると照明もエアコンも、通常通りになりました。電源は、車輪につけた発動機を利用しているようです。
スーツケースなど荷物は、ベッドの下か、上段の荷物スペースに置きます。2階に上がるのは、運動神経のないシニアにはちょっと辛い。
日本のブルートレインのB寝台という感じ。昼間は、下段がソファになっていて、皆で座ります。
夜になると、自分で下段をベッドにします。ただ、ちょっとやり方がわからなくて、車掌さんに聞きに行きました。
全体的にコンパートメントは、狭い感じ。私たちはグループ4人で1つのコンパートメントでしたが、見知らぬロシア人と一緒だと、気を遣うかも。
通路はこんな感じ。私たちの車両は、古いタイプなので、コンセントは通路に2つありました。
さっそく使わせてもらいましたが、、ガイドブックによると盗難の可能性もあるということで、ずっと見張っていました。
トイレも古い車両のため、いつでも使えるわけではなく垂れ流し。
特に汚いわけではなく、飛行機のトイレと同じような感じで、安心して使えました。
ただ、駅に着く30分ほど手間で、車掌さんがトイレに鍵をかけて使えないようにしてしまうらしいです。気を付けてください。
ロシアの夜空に浮かぶ星々
列車が発車すると車掌さんが検札に来たり、シベリア鉄道グッズの販売に来たりします。
でもそれ以降は、車窓の景色も夜になり、沿線は黒い森に包まれて、単調な眺めになりました。
夕食はお菓子で軽く済ませ、皆歩き疲れて早く寝てしまったけれど、私は充電中の携帯電話の見張りを兼ね、通路の窓から外を眺めていました。
うっそうと茂る、シベリアのタイガ(針葉樹林)が続く沿線は人家もなく、その分星がよく見えました。
日本なら、照明やネオンなどでかき消されてしまう星の光が、シベリアの大地を走る列車の窓からは、とてもよく見えたのです。
この星空が、これからもずっと見えてくれるでしょうか。
中国のように開発が進んで、シベリアの豊かな自然が破壊されるということがなければいいな、と祈らずにはいられませんでした。
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