2018年10月23日(火)、日帰りで松島に行くことができました。
「日本三景の日」があった!
松島一周遊覧クルーズを終え、公園を歩いていくと、立派な石碑を見つけました。
「日本三景の碑」だそうです。
しかし気になったのはその石碑ではなく、その横の小さな青い看板。
7月21日は日本三景の日 と書かれていました。
日本三景の日ってあるんですね。
なぜ7月21日なのか調べてみると、江戸時代前期に『日本国事跡考』という書物の中で、日本の3箇所の奇観について言及した儒学者・林鵞峰(がほう)の誕生日でした。
林鵞峰は春斎ともいい、徳川家康の侍講(じこう 家庭教師)を務めた林羅山の子供です。
2006年から、記念日になったとか。
鵞峰は、「松島、此島之外有小島若干、殆如盆池月波之景、境致之佳、與丹後天橋立、安藝嚴島爲三處奇觀」と述べています。
「松島、この島の外に小島若干あり、ほとんど盆池月波の景の如し(以下略)」と読みますが、今回ポスターでよく見た、月夜の松島の風情もまた見てみたいなと思いました。
五大堂のすかし橋は、外国人に大人気!
次の目的地は五大堂。
この五大堂は、松島の湾内に浮かぶ小島に建立されています。
小島に行くには橋を渡らなければなりません。
この橋が、とても変わっていたのです。
「すかし橋」と呼ばれていて、橋げたの隙間から海が見えました。五大堂へ行く際に、足元を見て気を引き締めるために造られたと言われています。
もともと通路の縦板はなく、はしご状だったそうで、横板の間隔も5寸(約15cm)程あり、江戸後期の紀行文に、恐ろしくて渡る事ができなかった人の事が紹介されているそうです(汗)。
怖がりで高所恐怖症、しかもバランス感覚の悪い私には、苦手なタイプの橋。
もちろん今は、どこかの山の難所のように落ちたら大事故!ということはなさそうですが、混雑するので、縦板の通路は一方通行となっていました。
でもここは、外国人にも大人気! ルールがわからない外国人が、注意される一幕もありました。まだ注意書きなどが、多言語表記になっていないのかな?
橋の上は外国語が飛び交い、京都に負けないくらい、外国人率が高そうでした。
橋のたもとには、観光客相手のお店もあります。
松尾芭蕉がデザインされたTシャツに、かなり心を惹かれました。
松島の「縁結び3つの橋」
このすかし橋は、縁を取り持つ松島の3つの赤い橋の1つだそうです。
悪縁を切る縁切り橋の渡月橋は、仙台空港から松島物産館へ向かうバスの中で、見ることができました。
縁を引き寄せる出会い橋の福浦橋は、今回見ることができませんでした。
そして3つ目の、将来を見据えるすかし橋(縁結び橋)。
将来を共にする人は、本当にこの人でいいのか?と、しっかりと足下を見て、将来を決める橋なのだそうです。
何も知らずに、夫婦で渡りました。きっとこの人と一緒でいいのでしょう。
東北地方最古の桃山建築
この五大堂は、瑞巌寺の守護のため、五大明王(密教特有の、不動明王など5尊の明王)が祀られており、島全体が聖域になっています。
瑞巌寺の所属ですが、拝観料は必要ありません。
初代征夷大将軍の坂上田村麻呂が、欧州遠征の際にここに毘沙門堂を建立し、最澄の弟子・円仁(えんにん 慈覚大師)が、ここに五大明王像を安置したため、五大堂と呼ばれるようになったそうです。
現在の建物は、1604年に、伊達政宗が瑞巌寺の再興に先立って再建。
東北地方最古の桃山建築だそうです(国の重要文化財)。
軒まわりの蟇股(かえるまた)に、方位に従って十二支の彫刻が配してあると知りました。
動物の精巧な浮彫があるな、と感心して見ていたのですが、十二支だったのですね。上は何だろう?犬?
鶏(上)と猿(下)はわかりました。
京都の西本願寺唐門(からもん)や、日光東照宮の陽明門のように、極彩色になってなくても、この浮彫が十分すごい!というのは、よくわかりました。
境内から見た松島の眺め
五大堂前は、なかなか眺めのいい場所でした。
観光船の発着場も、私たちが乗船した11時より、もっとたくさんの船が停泊していて、賑わっているようです。
なお、五大堂のご本尊・五大明王は秘仏のため、一般に公開されていません。
33年に1度の御開帳で、次の御開帳は2039年かな(前回は2006年でした)。
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