2017年4月1日(土)、タクシーをお願いし、鹿児島市内にある西郷隆盛関係の史跡を巡ることにしました。
西郷隆盛の銅像 上野公園の場合
鹿児島市にある西郷隆盛の銅像です。
東京・上野公園にある西郷隆盛の銅像に比べると、軍服姿でとてもいかめしいです。
上野公園の像は、日本で最初にできた西郷隆盛の銅像。
1889(明治22)年、大日本帝国憲法発布に伴う大赦により、「逆徒」の汚名が解消されたため、幼馴染の吉井友実ら薩摩藩出身者が中心となって建立されました。
上野公園になったのは、西郷が彰義隊戦争で活躍した場所だからです。
西南戦争の賊軍首領というイメージを消すため、とてもリラックスした、人畜無害の姿になっているのです(高村幸太郎の父・彫刻家高村光雲の作)。
除幕式で西郷隆盛の妻・糸子が、「うちの人はこげな人じゃなか」と言ったのは、顔が似ていないということもあったのかもしれませんが、こんなラフな服装(浴衣姿)で、大勢の人の前に出るような人じゃありません!という意味も込められていたのだとか。
西郷隆盛は、大河ドラマではそんな風に描かれなかったけれど、鹿児島の家にいる時、客人が来ると必ずきちんとした服装で出迎え、薩摩以外の出身者には、薩摩訛りも封印して、江戸言葉で話をしたのだとか。
そのため近所では、「さすが西郷さんだ」と感心されていたと聞きました。
また、生前の西郷を知っていた連合艦隊の東郷平八郎元帥は、「上野の銅像なども、制作には大分苦心された様だが、やはり緊張した顔付だし、少しふとり過ぎて居るように思ふ」と評したとか。
西郷隆盛って、もっとスマートだったのかな?
西郷隆盛の銅像 鹿児島の場合
鹿児島の銅像は、上野に遅れてしまいましたが、1937(昭和12)年、鹿児島出身の彫刻家・安藤照によって作成されました。
陸軍大将の制服に身を包み、直立不動のいかめしい姿です。
糸子さんは、これならイメージ通りと納得してくれそう。
モデルについては、西郷隆盛の孫(菊次郎の子)である西郷隆治説や、元山県県議の男性説(安藤照のアトリエで撮影された写真がある)が有力です。
銅像の近くには、愛犬ツンの像もありました。かわいいですね。
西郷隆盛の曾孫プロデュース K10カフェに行ってみた
さて、鹿児島の西郷隆盛像を、上から見下ろせる、眺めのいいカフェがあるらしいのです。
しかも、西郷隆盛の曾孫にあたる方がプロデュースされているのだとか。
宣伝もしっかり行き届いていて、遠くからでもよく見えました。
その名もK10カフェ。
西郷隆盛の曾孫で陶芸家の西郷隆夫さんがオーナー、そして店長は、薩摩藩士・岩山八郎太(西郷隆盛の妻・糸子の父)の玄孫(孫の孫 やしゃご)にあたる若松宏さんという、すごいメンバーで運営されています。
店内は、西郷隆盛関係の写真や展示物、西郷隆夫さんの作品がいっぱい!
愛加那さんの写真も、当時はまだ珍しかったので、撮影させていただきました。
西郷隆夫さんは西郷菊次郎の孫なので、愛加那は曾祖母にあたるのですね。
ちゃんと系図も紹介されています。奄美大島編はわかるのですが、なぜ台湾が???
新たな西郷伝説 こんなところにも西郷隆盛の子孫が?!
調べてみると、1851(嘉永4)年(まだペリーが来航する前)、当時24歳の西郷隆盛は、島津斉彬から台湾偵察の密命を受けたという話がありました。
琉球人と偽って台湾に潜入した西郷は、現地の少数民族の娘と結ばれ、子供ができたのだとか。
詳しくはこちらをご覧ください。
あくまでも非公式な「西郷伝説」ですが、西郷南洲顕彰館(鹿児島市)の山田尚二館長は「そんな話は信じません」と一蹴されたとか。
台湾は西郷菊次郎ゆかりの場所でもあり、西郷伝説ができやすい土地柄だったのかもしれません。
若松店長が熱く語る西郷隆盛と幕末維新
私たちは、コーヒー(フリードリンク540円)とアイスクリーム(季節のスイーツ324円)を注文しました。
窓からの眺めはすごく良くて、西郷隆盛の銅像を見下ろしながら(失礼します)、おいしく頂きました。
この日は西郷隆夫さんは姿を見ませんでしたが、若松店長が色々話しかけてくれ、西郷隆盛や薩摩の人々の話を聞かせてくれました。
錦の陣羽織?をお召しになった若松店長は、テレビや雑誌等でもよく拝見していましたが、実際にお会いすると、テレビ以上にパワフルな方だなという印象を受けました。
この店には、林真理子さんも来られて、取材をされていたそうです。
若松店長は、西郷隆盛については、すごい知識量と情熱です。「長州の方が好き」とか「新選組ファンです」などと言おうものなら、何とか西郷ファンになってもらおうと、ものすごいアピールがあるのだとか。
そんな若松店長にしてみると、大久保利通はとんでもない悪者だったのでした(涙)。
鹿児島では、残された家族たちも西郷派と大久保派に分かれ、そのあと長く憎しみあったというので、西郷ゆかりの店長が大久保利通のことを恨んでいるのはわかるのですが、何とか和解できないものかなと思いました。
こういう憎しみの連鎖があるから、戦争は起こしてはならないのだと痛感。
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