2019年8月31日、440年続く老舗・山ばな平八茶屋で、ちょっとぜいたくなランチを頂いた私たちは、次に修学院離宮を当日参観で訪れました。
実は、修学院離宮の当日参観を申し込んだとき、ついでに立ち寄った寺院がありました。
それが赤山禅院です。
「禅院」だけど天台宗寺院
赤山禅院は、修学院離宮から徒歩5分ほどの場所にあります。
「禅院」というくらいだから、禅宗寺院なのかなと思われやすいのですが、実は天台宗の寺院です。修学院離宮からも比叡山が見えるのですが、比叡山にある延暦寺の塔頭(たっちゅう=別院)という立場です。
立派な門構えですが、拝観料が無料というのがありがたい。
千日回峰行の100日間、行者は比叡山からこの赤山禅院のご本尊、赤山大明神に花を供えるために毎日上り下りする「赤山苦行」という荒行を行うのだとか。
9月13日には、千日回峰の修行を終えた大阿闍梨様が、へちまにぜんそくや気管支炎を封じ込め、加持・祈祷を行う「へちま加持」が行われるのだとか(この日は臨時ピストン送迎車が運行されるそうです)。
映画『陰陽師』にも登場した泰山府君(たいざんふくん)
この赤山禅院のご本尊は、赤山大明神。下の写真は拝殿です。
遣唐使船で唐に渡り、苦労の末に天台教学を納めた円仁が、その行程を守護した赤山大明神に感謝し、赤山禅院を建立することを誓ったと言われています(建立されたのは、彼の没後)。
この赤山大明神は、中国では泰山府君とも呼ばれ、道教の神でもあります。
中国から伝わった陰陽道でも主祭神とされ、安倍晴明が使ったとされる陰陽道の最高奥義「泰山府君の法」は死者をよみがえらせる秘術として、映画(Part1)でも描かれていました。
参拝したときには、ちょうど本尊の前でお勤めが行われており、荘厳な雰囲気でした。
ここは京都御所から見て表鬼門の方角にあたるため(東北)、表鬼門の鎮守として、方除けのお寺として信仰されるようになったとか。
赤山禅院の拝殿の屋根には、鬼門除けの猿(甲=鬼門の反対・西南西の方角を指す)が置かれているようなのですが、ビニールシートが掛けられていて、見ることはできませんでした。
矢印に従って、地蔵堂(赤山大明神は、地蔵菩薩の化身だそうです)を参拝し、
更に奥に進むと、本堂でした。正念珠をくぐります。寺院なのか神社なのかわからなくなります。
独特の雰囲気があり、やはり中国の神様かなと思えました。両脇の獅子も珍しいですね。
都七福神の他にも、お堂がいっぱい!
この赤山禅院には、「都七福神」の一神、福禄寿も祀られています。
これも中国由来の神様で、子宝・財宝・健康長寿を具体化した神らしい。
広い境内には、福禄寿の他にも、稲荷神の社や弁財天の社などがあります。
苔むした三十三観音や十六羅漢は、独特の雰囲気でした。
山の中腹にも、色々な塔や社があって、こんなにたくさんの神仏に参拝できるのは予想外でした。
新緑の中に静かにたたずむ神社が、とてもいい風情。
でもちょっとアップダウンがあるので、心して境内を歩きましょう。
境内にある雲母坂(きららざか)不動堂。境内には日本の神、中国の神、そして仏様が大集合!
このコスモポリタンな感じが、神仏習合っぽくていい感じです。
赤山禅院は紅葉の名所らしいので、またその時期にも訪れてみたいなと思いました。
コメントを残す