2019年12月21日(土)、初めて念願の、別府地獄めぐりに参加できました。
地獄組合(!)に加盟している7つの地獄のうち、後半4つの地獄を紹介します。
鬼山地獄
3番目に訪れた、かまど地獄同様大きな鬼がいるのですが、「鬼山」というのは地名です。
ここは1923年(関東大震災の年 大正12年)から、日本で初めて温泉熱を利用して、広大な園内でワニの飼育を始めた場所。
ワニの飼育と言えば、伊豆の熱川(あたがわ)バナナワニ園が有名で、映画『テルマエ・ロマエ』のロケ地にもなっていましたが、伊豆でワニの飼育を始めたのは戦後なんですね。
クロコダイルやアリゲーターなど、約70頭のワニが飼育されています。じっとしていると、水面に浮かぶ朽木と間違えそう。知らずに近寄ると、食べられてしまいます。
ところで、なぜ温泉でワニなんだろう? 温泉=熱い=熱帯=ジャングルの水辺=ワニ という発想かな? 『テルマエ・ロマエ』にも、ナイルワニ(クロコダイルの1種)がいたし。
貴重なワニ・ガビアルの骨格。現在は絶滅危惧種に指定されています。
長寿世界一記録を持つ初代「イチロウ」の剥製。
富永一朗画伯によって名付けられた初代「イチロウ」は、71歳まで生きました。4m近くある巨大ワニ。尻尾の一撃がすごそうです。
泉温は摂氏99.1度。ワニも危険だけれど、この緑白色の熱泉も、超危険!
白池地獄
噴出時は無色透明の熱湯ですが、外気に触れて温度が下がると白濁するため、この名が付きました。
泉温(噴出口)は、摂氏95度。日本庭園風の地獄です。
全国を旅して念仏を広めた一遍上人は、ここ鉄輪(かんなわ)を訪れて荒れ狂う地獄を静め、温泉を作って人々の苦しみを救ったのだとか。
白池地獄では、大型熱帯魚が飼育されていました。上はピラニアの群れ。
銀色の大きな魚はアロワナですね。他の2匹はBanded Leporinusという魚で、アマゾン原産らしいです。
上の写真は、アリゲーターガーじゃなかったかな(うろ覚え)。
こちらにいるのは、世界一大きく、世界一美味(らしい)ピラルクと、同じくアマゾンに住む大型食用魚コロソマ。
ピラルクの剥製もありました。大きい!
龍巻地獄
海地獄から白池地獄までは徒歩で巡りましたが、残りの2つは離れているので、バスで移動しました。こういう時にバスツアーは便利ですね。
本来なら、まず血の池地獄に行くらしいのですが、龍巻地獄は間欠泉のため、間欠泉が噴き出している間に行ってしまおうということに。
急いで行ってみると、まだ盛んに噴き出していました。間欠泉は、初めて見ました。
元々は開放的な環境だったそうですが、観光客が火傷などしないよう、石の天井や壁が設けられたのだとか。泉温は摂氏101度(噴気)!
30~40分間隔で噴出し、世界の間欠泉の中でも休止時間は短いそうです。外国人客もたくさんいました。
しばらく見ていると、やがて噴出がストップ。でも30~40分待てば、また勢いよく湧き出てきます。売店やジェラートショップもあるので、待ち時間も退屈しないと思いました。
血の池地獄
最後に訪れたのが、その名も恐ろしい血の池地獄。
奈良時代成立の『豊後国風土記』に「赤湯泉」と記された、日本最古の天然温泉です。
酸化鉄や酸化マグネシウムを含んだ赤い熱泥が地面から噴出するため、このような姿になりました。
泉温は摂氏78度と、他の地獄より低いようです。
それでも危険。確かに熱湯です。
足湯なら、地獄の湯を体感することができます。タオル持ってくればよかったな。
ここから算出する赤い粘土から、皮膚病に効能ある「血の池軟膏」が作られていました。
1,500円なのですが、夫が湿疹のためかゆみに悩まされていたので1つ購入。
血の池地獄の売店
最初に訪れた海地獄と、この血の池地獄が、一番買い物に便利かなと思いました。
血の池軟膏や入浴剤、お土産用の食品などは、たいていここで手に入るでしょう。
ここの「血の池プリン」って、どんな味&見た目なんだろう?
食べ物に「地獄」とつくと、とてもインパクトがありますね。いかにも辛そう!
別府とは関係なさそうですが、戦国時代の大分市(当時は豊後府内と呼ばれていました)を訪れたフランシスコ=ザビエルにちなむお菓子もあってびっくり。
昔の血の池地獄の写真もありました。ボンネットバスは、亀の井バスかな?
ボンネットバスから、可愛い鬼型バスに変わりましたが、時折バスガイドさんが七五調のガイドも交えながら案内してくれました。
別府駅東口には17:00前に到着。所要時間は約3時間弱。間欠泉をすぐ見ることができたので、今回はとてもスムーズに進んだようです。
個人で共通券を購入して巡ることも可能ですが、伝統ある観光バスで、効率よく地獄めぐりができてとてもよかったと思いました。
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