北条氏ゆかりの地を巡る旅3 伊豆の国市・北条氏邸跡と円成寺跡

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今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、北条義時が主人公。

でも北条義時って、平清盛や源頼朝、北条政子ほどにはよく知られていませんね。最後まで生き残るのに。

そんな北条義時や北条氏の面影を尋ねて、2021年3月27日(土)、桜の花咲く静岡県伊豆の国市を訪れました。

北条氏ゆかりの地を巡る旅2 伊豆の国市・北条政子産湯之井戸と堀越御所跡

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北条氏ゆかりの地を巡る旅1 伊豆の国市・願成就院で北条時政の墓参り

2022年4月24日

北条氏邸跡

北条政子産湯之井戸から、次の目的地である北条氏邸跡までは、徒歩で3分ほど。

目指す場所には、広大な緑地が広がっていました。

現在は守山西公園となっています。昔はこの辺り一帯が、伊豆国北条と呼ばれていました。

守山という小さな山の谷になっている場所に、北条氏は平安時代末期から館を築いていたようです。

1992(平成4)年から翌年にかけて行った発掘調査では、平安時代末から鎌倉時代初期にかけて大量の出土遺物とともに建物跡が発見され、北条氏の館があることが確認されました。

出土品の中には、庶民には入手困難な舶来の高級陶磁器や、京都系の手作りかわらけ(素焼きの土器)がみられ、北条時政時代に、水陸交通を利用して盛んに他地域と交易していたことがわかります。

年の離れた後妻・牧の方をとても愛した北条時政は、京都の文物も熱心に取り寄せたことでしょう。彼女を通じて、京都にも独自の人脈を築いたのではないかと思われます。大河ドラマではどう描かれるかな?

ところで北条氏邸跡は、立入禁止になっていました。せっかく来たのに、ちょっと残念。

なんだかこれから整備されそうな気配ですね。来年放映される大河ドラマの影響でしょうか?

現在の様子はこちらをご覧ください。なかなか面白い史跡公園になっているように思えました。

北条氏邸が円成寺になった理由

北条氏がこの邸宅に住んでいたのは、ドラマでは先週生まれたばかりの3代執権・北条泰時の頃までではないかと言われています。

その後は鎌倉に本拠を移した北条氏ですが、やがて鎌倉幕府が滅びると、生き延びた北条氏の妻や娘たちがこの地に戻ってきました。

安達一族の娘で9代執権・北条貞時の妻となり、最後の得宗(とくそう 北条家嫡流の当主)である14代執権・北条高時の母となった覚海円成(かくかいえんじょう)尼が中心となって、北条氏の邸跡に尼寺を建立し、北条一族の菩提を弔いました。それが円成寺です。

北条氏に替わって鎌倉を支配した足利尊氏・直義兄弟もこの尼寺を支援し、室町時代になると、鎌倉府で鎌倉公方を支えるNo.2であった関東管領・上杉氏の娘などが尼僧として入寺したそうです。

ところが、初代堀越公方となった足利政知は、それまで御所としていた寺院が火災で焼けた際、円成寺を新しい堀越御所として接収してしまいました。

こんなところにも、堀越公方が登場するのでびっくり!

そしてあの伊勢宗瑞(後に「北条早雲」と呼ばれる)によって、この建物も、足利茶々丸(2代目堀越公方)も滅びるのですね。

伊豆の国市では、北条氏の歴史だけでなく、今まであまり良く知らなかった堀越公方の歴史も学べ、とても良かったと思いました。

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