2022年9月9日(金)、トラピックス日帰りツアー(京都発)に参加しました。ツアーの名称は
■京都割■(京都駅発/午前観光)リーガロイヤルホテル京都約70種ランチビュッフェと叡山ケーブル・ロープウェイ2つの絶景遊覧日帰り
というもので、きょうと魅力再発見旅プロジェクトの対象コースです。いわゆる「県民割」ですね。
あいにくのお天気で、叡山ケーブル・ロープウェイの絶景遊覧とはなりませんでしたが
霧が立ち込めミステリアスな比叡山の景色を見て、東塔エリアにある三面出世大黒天に参拝できました。
大改修中の根本中堂へ 今しか見られない貴重な光景も
いよいよ延暦寺の総本堂である根本中堂へ。
実は2015年から、国宝の根本中堂や重要文化財の廻廊の大改修工事が続いていました。
そのため、織田信長による焼き討ちの後、天海僧正の進言によって3代将軍徳川家光が再興したという根本中堂の外観を見ることはできません。
ここからの内部も、もちろん撮影禁止。
今回驚いたのは、お堂の中心としてご本尊を安置する内陣が、3mも低い土間になっていたこと。天台造という、天台宗独特の建築様式なのだとか。
先週訪れた奈良の古寺もそうですが、多くの寺院では仏様は半地下ではなく、どちらかと言えば私たちよりも一段高いところにおられます。
有名な不滅の法灯(燈籠は3基ありますが、かなり薄暗いです)も、最澄が彫ったという秘仏本尊・薬師如来のお前立ちも、奈良の東大寺や興福寺と比べると、もう少し私たちの目線と近い高さにありました。
根本中堂の御朱印(300円)には、
薬師如来の殿堂という意味の「醫王殿(いおうでん)」という文字が書かれていました。
外陣には僧侶が2人おられ、(私たち含む)観光客の質問にいろいろ答えてくれました。不滅の法灯は信長焼き討ち前に山形県の立石寺に移していたものを、焼き討ち後に比叡山に戻して復活させた(信長以前にも室町~戦国時代に何度か焼き討ちされていて、危機管理はできていたみたい)とか、法灯には油を注いで消えないようにしているけれど(油断大敵!の語源)その油は菜種油であるとか。
きっと同じようなことをたくさん質問されていると思うのですが、笑顔で親切にいろいろ教えてくれて感謝です。
11時過ぎに訪れた時には、護摩焚きの様子を見ることができました。3m低い土間で行われるので、儀式の様子がよく見えて感動! 護摩木が盛大に燃え上がっていました。
大改修に関連して「修学ステージ」という仮設ステージが組まれ、工事を間近で見学することもできます。この日は廻廊の屋根の葺き替え工事でした。かなりの速さで釘を打っていく大工さん、かっこいい!
許可された範囲内なら、ステージ上で写真撮影もでき、工事の説明ビデオも放映されていて、わかりやすかったです。
この修理技術も、後世にしっかり伝えてもらいたいものです。
コロナ禍のため、工事の進捗は予定より遅れているようです。でもきっと、サグラダファミリア教会よりは、早く完成するでしょう。
何年に完成するか、楽しみですね!
恐怖の石段 文殊楼
根本中堂を出ると、とても高い石段がありました。
上るのはいいけれど、降りるのは絶対嫌な急角度の石段です。
この石段を登りきったところに、文殊楼がありました。延暦寺の山門にあたる建物で、唐に留学した慈覚大師・円仁(最澄の弟子で第3代天台座主)が、唐の五台山文殊菩薩堂に倣って創建したとか。
道理でなんとなく中国風だと思いました。2階部分には、文殊菩薩が安置されています。
御朱印(大黒堂で授与 300円)にも、文殊菩薩と書かれていました。
大講堂と平和の塔
根本中堂や文殊堂の参拝を終えると、そろそろいい時間になってきました。
紀貫之のお墓(左の道標)が気になりましたが、ここからかなり離れた裳立山(もたてやま)にあるそうで今回は断念。なぜそんなところにお墓があるのかと思ったのですが、晩年はここに隠棲していたのだとか。
バス駐車場に向かう途中、消防車など緊急車両の車庫を見つけました。護摩焚きが日常的に行われ、国宝や重要文化財が多数ある延暦寺には、これくらい必要でしょう。
東塔エリアで最後に訪れたのは、大講堂。
本尊は大日如来で、御朱印(300円)も大日如来です。
このお堂には、法然、親鸞、日蓮、一遍、栄西、道元など若き日に延暦寺で修業した高僧の像がずらりと並んでいました。いずれも関係宗派から寄進されたものなのだとか。
そういう素晴らしい歴史もあれば、織田信長に焼き討ちされたという痛ましい歴史もあります。
バスセンターのすぐそばにあった、元亀兵乱殉難者鎮魂塚は、信長の焼き討ちで亡くなった人々を祀っていました。写真の塚の上にあるのは「平和の塔」です。初めて見ました。前からあったのかな?
私たちはたぶん、東塔エリア・西塔エリア・横川エリアすべてに入場できる共通券を利用したと思うのですが、今回は時間がないので東塔エリアしか拝観できませんでした。いつかまた、西塔や横川にも行ってみたいな。
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