2022年9月17日(土)、初めて群馬県の草津温泉に1泊することができました。
不思議な光景が広がる西の河原公園
草津温泉の見どころといえば、湯畑(ゆばたけ)のほかに西(さい)の河原公園も有名です。
草津温泉の西側に位置するこの公園に向かう道は、「西の河原通り」という一大商店街になっていて、
土産物屋やレストラン、温泉旅館、娯楽施設などが立ち並び、歩いているだけでもとても楽しい場所でした。
草津ホテルに隣接する、草津片岡鶴太郎美術館を通り過ぎると
西の河原公園です。
その名の通り、河原のあちこちから温泉が湧きだしていて、硫黄のにおいや湯けむりが立ち込めていました。
時間があれば、露天風呂や足湯を体験するのもいいかもしれませんね。
道の脇の側溝に流れ込んでいる源泉もあったのですが
触ってみるとかなり高温でした。
このような大自然のパワーを目にすれば、神や仏の力を信じる気持ちも強まるでしょう。仏教が説く「賽の河原」(あの世で親より早死にした子供たちが責め苦を受ける場所)を連想するのも、もっともだなと思いました。
高温・酸性の温泉に生き物がいた!
草津温泉は、西の河原公園の源泉も含め、高温で酸性です。
殺菌作用もあるので、生物はとても棲息できない環境なのですが、イデユコゴメ(出湯小米)という原始的な藻類が好んで棲息していると知りました。
この青緑色も
この青緑色も、最初は鉱物の結晶か温泉成分だろうと思っていたのですが、イデユコゴメだし、
湯畑の青緑色の岩の正体も、この藻類だったのです。
蛋白質を大量に含み、免疫力を高める効果があるとして、家畜の飼料として活用したり、レアメタルを集めることができるのではと、今とても注目されている藻類のようでした。すごい生物を見ることができて、よかったです。
ベルツ博士とスクリバ博士
西の河原公園に、2人のドイツ人の彫像がありました。
いずれも明治初期に「お雇い外国人」として、ドイツ医学を日本人に教授するため、現在の東大医学部に招聘された医師です。2人とも夫人は日本女性というのも面白い。
高校日本史でも紹介されるエルヴィン・フォン・ベルツは内科医で、『ベルツの日記』は明治日本の様子を知ることができる一級史料なのですが、
日本史上初のがん告知を岩倉具視に行ったり、草津温泉の効用を科学的に研究したことでも知られています。
ベルツは草津温泉のすばらしさは温泉だけではなく、周囲の景観や清浄な空気、飲料水が保養地としてとても適していると、広く世界に発表し、
ベルツの友人でもあるユリウス・スクリバ(外科・皮膚科・眼科・婦人科を指導)も
草津温泉の効能を研究し、草津町民には無料で診療を施したのだとか。
草津温泉には、ベルツ通りもあると知りました。
日本に長期滞在し(スクリバは日本で死去)、日本医学の発展に尽くした2人の彫像を東京帝国大学は構内に設置しましたが、戦時中の金属不足で供出されることになりました。その時コンクリートでコピーされたものが戦後草津町に贈られ、この彫像の原型になったのだとか。
黄昏時には、西の河原公園でもぽつぽつとライトアップが始まりました。
ベルツとスクリバの彫像もライトアップされ、より一層、存在感が増したように思われました。
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