まだまだ知らない東京を見て歩く6 深川江戸資料館で江戸の下町にタイムスリップ!

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次の目的地である清澄白河(きよすみしらかわ)の江東区深川江戸資料館へと向かいました。

紀伊国屋文左衛門の碑と行列のできるパン屋

MONZ CAFE門前仲町店で英気を養った私たちは、江東区深川江戸資料館まで歩いたのですが、その途中で面白いものを見つけました。

1つ目は、紀伊国屋文左衛門の碑。元禄時代に紀州ミカンと塩鮭販売で財を築いた伝説の大商人・和歌山出身(現在の湯浅町)の紀伊国屋文左衛門は、晩年富岡八幡宮一の鳥居の近くに住み、ここ成等院に葬られたのだとか。

立派な石碑(昭和に建てられたらしい)の左奥に、彼の墓があるそうです。幕府から十文銭の鋳造を請け負ったものの失敗し、晩年は落剝したとも、富岡八幡宮に総金張りの神輿三基を奉納する裕福な晩年だったともいわれ、真相は謎のまま。

もう1つは、深川江戸資料館の向かいにある、行列のできるパン屋さん。

ブーランジェリー パンタレイという店です。

開店から間もない時間に訪問したのですが、すでに長い行列ができていました。店の扉には、行列の並び方についての指示(他の人や店に迷惑をかけないよう)があり、皆慣れているのか、その通りに並んでいました。

ツイッターによると、開店直後に並ぶ人が多く、午後は空いているのだとか。

「どのパンを購入してもはずれがない」という口コミが頼もしく、あれこれ購入しました。昼食はこのパンを食べる予定です。楽しみ!

江戸時代後期の深川佐賀町の街並みを再現! 江戸の下町が体感できる!

パン購入後、深川江戸資料館へ。

深川佐賀町の町並みを実物大で再現している展示室だけでなく、小劇場やレクホール、横綱大鵬顕彰コーナー、そして江東区白河出張所まで併設されています。観光客だけでなく、地元の人々のための施設でもあるのですね。大人1人400円というのも、とても良心的です。

圧巻の展示室。よく見ると屋根の上には猫がいます!

照明や音響のせいかとてもリアルで情緒があり(物売り、猫や犬の鳴き声なども)、

タイムスリップしているような気分になれました。上は江戸の河川や掘割で使われた猪牙船(ちょきぶね)。特に吉原に行く客がよく使ったそうです。

時代を感じる八百屋の店先

一番面白かった店の一つが八百屋。

大根や菜っ葉(小松菜?)長芋?など、今の野菜と店頭の姿が違っています。

卵も売られていたんですね。

唐辛子やカボチャ(南瓜)は、南蛮貿易で日本にもたらされ、この頃には庶民も入手可能でした。

これはこんにゃく玉。四角いこんにゃくを見慣れているから、新鮮です!

職人さんたちの家

江戸の大きな災害の1つは火事。とりわけ明暦の大火(1657年)の被害は甚大で、この後幕府は江戸の大改造を行い(大名屋敷や寺社仏閣の郊外移転など)、今まで日本橋にあった材木問屋や貯木場も、隅田川の対岸にある深川に移転させました。この貯木場が「木場」です。

木場の筏師の技術が伝統芸能になったのが、「木場の角乗(かくのり)」(下の写真のモニター画面)。

材木商の中には巨万の富を築くものが多く、深川は大変繁盛したそうですが、木場で働く「木挽き(こびき)職人」と呼ばれた製材業者は長屋暮らしでした。

大きなのこぎりなど大工道具、法被もありますね。高い場所で作業する危険な仕事のため、安全祈願のお祈りも欠かせないようです。

アサリやシジミを売り歩いていた行商人の家も、生活の様子がよくわかって面白かったです。

江戸庶民のファストフード

行商人や職人など力仕事をする人々が多く、参勤交代で江戸に来た武士たちや農村から職を求めて来た人々など、独身男性人口の多い江戸には、ファストフードの屋台が大流行!

最初に見つけたのは寿司屋。

この屋台は稲荷ずしがメインのようですが、江戸前握りずしや巻きずしなどもこの頃には登場していました。当時は稲荷ずしにわさび醤油をつけて食べていたとか。ちょっと私には食べられないな(わさびは苦手)。

てんぷら屋の屋台。一見串カツ屋のように、串にささっていたのが面白い。

ごま油を用いて江戸前の魚介類をてんぷらにすると、魚介類の賞味期限も長くなりますね。共用の「つゆ」につけて、大根おろしと一緒に食べていたそうです。

蕎麦屋も忘れてはいけない江戸っ子の大好物。時代小説や時代劇の世界そのままですね。

長屋の共用スペース

長屋の裏手にある共用スペースも忠実に再現されていて、なかなか面白かったです。

お稲荷さんがあったり、井戸があったり、掃除用具が置かれていたり。

トイレも家の中にはなく、長屋の共用スペースだったのです(夜中に行くのが大変そう)。防犯のため、扉は下半分のみ。トイレの排泄物やごみ、古着などは再利用されるという、なかなかSDGsな社会でした。

お月見の飾り

この展示室では、季節によって展示も変わるようですが、私たちが訪れた時にはお月見の飾りがありました。下は手習いや三味線などを教えている女性師匠の家の飾り。

私たちがイメージする月見団子と比べると、団子がかなり大きい!と思っていたのですが、後で調べると、小さなお団子は「仏団子」と呼ばれ、仏壇に供える団子を思わせるため嫌われるのだとか。

江戸時代の年中行事を記した『東都歳事記』には、十五夜の朝に団子を作る記述がありますが、団子の大きさは三寸五分(約10cm)とあるそうです。満月を思わせるように大きめに形づくるのですね。

他にも季節の果物などと一緒に飾っている家も。お酒もあるから、月見酒でしょうか。粋ですね。

秋の年中行事と言えば最近はハロウィンが幅を利かせているようですが、伝統的なお月見の行事も大切にしたいなと思いました。

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