人魚ゆかりの町・小浜と丹後街道
2022年5月22日(日)、福井県小浜市の寺社を巡る機会がありました。
若狭神宮寺、若狭国の一宮である若狭彦神社(上社)と若狭姫神社(下社)を参拝した後
八百比丘尼(やおびくに)伝説で知られる空印寺を訪れました。
正体の知れない魚の肉を食べてしまい(それが後で人魚の肉とわかる)、永遠の若さと生命を得た八百比丘尼。
この伝説にちなむのか、市内のあちこちに人魚の像がありました。小浜駅前のポストにも人魚はいたし
空印寺の近くの海岸には、「マーメイドテラス」という場所があると知り、訪ねてみました。徒歩で10分足らずで、近かったです。
途中にあった標識。この道は丹後街道なのでした。
そして今回は前を通っただけですが、小浜町並み保存資料館という、大正期に建てられた町屋もありました。
確かに伝統的な町並みが続いています。
でも誰も歩いていないのが、気になります。
少し歩くと、立派な鳥居が!
小浜最大の祭りが行われる、八幡神社の鳥居でした。
神社は街道から少し奥に入っていくので、今回は参拝を見送りました。でもちょっと気になる神社でした。
マーメイドテラスの人魚像
ようやく海岸が見えてきました。
5月ですが、この日は少し暑くて、もう泳いでいる人がいました。
そして海岸を歩いて行くと、2体の人魚の像が! 「マーメイド」という名の通り2体とも女性の上半身ですが(実は「マーマン」という男性の人魚もいるけれど、あまり物語には出てこない?)日本の人魚はこれとは違う姿をしていたかも。
八百比丘尼が食べたのは、腕のない、人面魚タイプの人魚だった可能性もあるのです。彼女は肉しか見ていなかったのですが、もし生きている姿を見たら、多分あまり食欲は沸かなかったかもしれませんね。
ちなみに、空印寺でもらったクッキーには、こんな人魚の姿が描かれていました。こちらは西洋のマーメイドと同じように、女性の姿でちゃんと腕もありますね。
余談ですが、日本各地に「人魚のミイラ」と称するものがあります。猿の頭・胸部に魚類の胴体・尾を継ぎ合わせたものを、西洋向けの土産物として作成していたのだとか。日本のような「辺境の地」には、さも人魚がいるのだという欧米人のロマンやこの時代の博物趣味(新種発見!への情熱)を、日本の商売人が利用したのでしょうか。
新鮮な海の幸を海辺で頂く
今日は食事もせずにずっと歩き回っていたので、さすがにお腹が空きました。
小浜の名物といえば、人魚のお肉! 長年人魚のお肉に興味があったのですが、今回空印寺で得た情報では、人魚のお肉は炙り肉だったそう。
龍宮に招待された高橋長者(八百比丘尼の父)は、お土産に得体のしれない肉をもらうのですが、偶然台所を見てしまった長者は、それが人魚の肉だと知ったのです。彼は食べる気になれず、犬か猫にやるつもりで家に持って帰ったところ、とてもいい臭いがしたので娘が肉に気づき、食べてみると美味しかったので、全部食べた。そして永遠の若さと生命を得たというのです。もし猫にあげていたら、猫は死なない体になり、妖怪猫又になったかも。犬が食べたらどうなっていたのかな。想像できない。
せっかく海辺に来たのだから、人魚のお肉は無理でも、何か美味しい海の幸が食べたいということで、若狭フィッシャーマンズワーフで遅い昼食。
日本海を見ながら、美味しい海鮮丼を頂きました。永遠の生命は得られないけど、元気百倍!エナジーが充填できました。
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