日蓮宗の聖地・能勢妙見山
2023年11月19日(日)、今まで行ったことのなかった能勢(のせ)妙見山に行くことにしました。
恥ずかしながら今までほとんど予備知識がなく、「能勢の妙見さん」という通称名の神社か寺院があるのだろうと思っていたのですが、今回調べてみて、「能勢妙見山」という日蓮宗の寺院だとわかりました。
正式には「無漏山(むろさん)真如寺 境外(けいがい)仏堂 能勢妙見山」という名前。
大阪府能勢市にある「関西身延(みのぶ)」真如寺(日蓮聖人の遺骨が奉安)の飛び地境内にある寺院です。ちなみに両者はかなり離れていて、歩くと2時間以上かかるみたい。
神仏習合の名残が残る能勢妙見山
妙見の森リフトの妙見山駅から能勢妙見山は、歩いて10分少しです。
お寺なのに、立派な鳥居もありました。日本古来の神仏習合の形です。近くの売店には、能勢の天然水から作った地サイダー(桜川サイダー)はあったのですが
ちょっと食べたかった「亥の子餅(いのこもち)」は売り切れていました。
旧暦の亥の月(現在の11月),最初の亥の日(今年なら11月13日)の亥の刻に,イノシシの子のようなカタチをした「亥の子餅」を食べると,万病から逃れると言われています。最初の亥の日でなくても、11月らしい和菓子だし、古典にも登場するので食べてみたかったのですが、またの機会に。
鳥居の近くには、この寺院を開いた能勢頼次(のせよりつぐ)の像。能勢氏は代々妙見菩薩を篤く信じていたようですが、明智光秀に加勢したため、本能寺の変後は所領の能勢を追われてしまいます。
しかしその後、徳川家康の家臣となって関ケ原の戦いで活躍。失った能勢の地を再び与えられました。江戸幕府の旗本となった彼は、日蓮宗の日乾上人(後に日蓮宗総本山・身延山久遠寺の第21世住持)に帰依して真如寺を創建。上人が彫った妙見菩薩像を祀るため、妙見山山頂にも仏堂を建てたのがこの寺院の創建。
北極星である妙見菩薩を守護する中国の星座=北斗七星と輔星(ほせい)、合計8つの星に合わせ、境内には8体の神馬の像があるそうです。お寺なのに「神馬」というのも神仏習合の名残かな?
斬新なデザインの信徒会館
紅葉が美しい参道を歩いていると
目の前に、超近代的な建築物がそびえていました。
まるで万博会場に建つパビリオンのよう!
これは、信徒会館である「星嶺(せいれい)」という建物。世界的な建築家・高松伸氏の設計で、妙見菩薩=「星」と、この寺を開いた能勢氏の家紋「矢筈」をモティーフとしたデザインになっています。1998年に完成しました。
ガラスと木の骨組みでできた斬新なデザインで、
内部の様子も少し見えるのですが、内部には入れないみたいでした。2階にある礼拝堂が見たかったな。
でも、建物の外は展望テラスになっていて、大阪平野がよく見えます。
ちなみに、上空から見るとこの建物は、山頂に浮かぶ星のように見えるそうです(詳しくはこちらをご覧ください)。北極星を祀る能勢妙見山にふさわしい眺めですね。
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