危うく貸切列車! 木次駅発出雲横田駅行列車は乗客3人!
2024年2月10日(土)、初めてJR木次(きすき)線に乗った私たちは、島根県松江市宍道(しんじ)町から雲南市の木次駅に始発列車で移動し、次の出雲横田駅(奥出雲町)行きの列車の出発まで、2時間ほど木次駅周辺を散策しました。
発車時刻の10:08が近づいてきたので
ご縁の鐘を鳴らす間もなく(ちょっと鳴らしてみたかった)
ホームへと向かいます。
出雲横田行きの列車は、朝に乗った宍道駅発の始発列車と同様、やはり1両ワンマン。
そしてなんと、私たちの他には乗客が1名だけという少なさ! 始発の木次駅行きには、もう少し多くの(と言っても5,6名ですが)乗客がいたのに、木次駅から先はこんなに少ないとは。廃止が囁かれているわけです。
とても風情のある風景を走るので、残してほしいのですが。
車内には、昨年廃止されたトロッコ列車「奥出雲おろち号」への感謝ポスターや
それに代わる新しい観光列車「あめつち(天地)」(木次線は宍道~出雲横田まで、2024年4月7日から乗り入れ予定)のポスター。
古びた運賃表もありました。
日登駅近くにワイナリーがあった
木次駅からは、本格的に山の中を進む木次線。久野川の渓谷を、25%の勾配で進みます。
木次駅の次の駅、雲南市の日登(ひのぼり)駅近くには、
葡萄畑! 奥出雲にワイナリーというのがちょっと意外でしたが
(上の写真は翌日、宍道行の列車から撮影)
乗車前に利用したフーズマーケットホック雲南店で見た、奥出雲のワイナリー(奥出雲葡萄園)のようでした。
今回は飲む機会がなかったのですが、奥出雲のワイナリーからどんなワインができるのか、いつか飲んでみたいです。
下久野駅の人喰い鬼伝説
日登駅を出ると、次の下久野(しもくの)駅(雲南市)までがとても遠い!
今までの駅と駅との間の、軽く倍はあります。下久野駅の愛称は「動動(あよあよ)」なのですが、これは一つ目の人喰い鬼に食べられた男性(山の田を耕していた)が、食べられながら発した言葉(怖)。奈良時代初期成立の『出雲国風土記』に記載された、日本最古の「鬼」の話に登場します。
惨劇の舞台は駅の近くではなく、駅から北の「阿用郷(あよのさと)」。人喰い鬼に食べられた男性の言葉「動動(あよあよ)」を起源とする地名です。今の阿用神社を中心とする、かなり広い地域。
出雲神話ゆかりの舞台を走る木次線には、神話にゆかりのある愛称をつけている駅が多いそうですが(木次駅の愛称は「八岐大蛇(やまたのおろち)」)、この下久野駅の愛称は、全国の駅の愛称でも一二位を争う恐ろしさでしょう。
それにしても、この一つ目鬼の正体は何なのかな? 製鉄集団の神とも、農耕妨害の神とも言われますが、詳しいことはわかりません。八岐大蛇は素戔嗚尊(すさのおのみこと)に退治されて、めでたしめでたしで終わるのですが、この鬼については退治された記録もありません。歴史の闇に埋もれた、永遠の謎ですね。
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