レトロな駅舎・鶴来駅 駅前の巨大石碑にびっくり
2024年4月21(日)、松任駅からタクシーで加賀一の宮の白山比咩(しらやまひめ)神社を訪れ、参拝を済ませた私たちは、帰りは歩いて最寄り駅の北陸鉄道石川線「鶴来(つるぎ)駅」を目指しました。
バスに乗らずに歩いたので、徒歩では約35分ほど。
昔は北陸鉄道金名線の「加賀一の宮駅」が神社の最寄り駅で、そこから「新西金沢駅」でIRいしかわ鉄道「西金沢駅」に乗り換えて金沢駅まで行けたのですが、加賀一の宮駅~鶴来駅が廃線となってしまったため、鉄道駅2駅分を歩くことになってしまいました。
ようやくたどり着いた鶴来駅。
それまでに通ってきた町並みも、昔の宿場町の面影を残していましたが、鶴来駅の駅舎もなかなかレトロなたたずまいでした。
駅前には大きな石碑。左に刻まれている「木尾久雄」君は、木材や木炭、たばこなどの産地である白山地域と金沢との貨物需要が見込めると鉄道敷設を計画。国の許可も下りたのにスポンサーが破綻して、資金のめどが立たなくなってしまいます。この時新たな出資者となったのが、右に刻まれている「栗田末松」君(愛知県の建設業者)。つまりこの2人がいなければ、今の北陸鉄道石川線は誕生していなかったということです。大恩人を記念するのにふさわしい、立派な石碑でした。
どこか懐かしい鉄道資料 謎の「トロリ使用中」とは
鶴来駅の時刻表は、ローカル地方鉄道の例にもれず、列車は1時間に1~2本という間隔。
新西金沢駅までの運賃は、540円でした。切符を買った後、少し時間があったので駅の中を見渡すと
鉄道資料が展示されているのを発見! 今は全て各駅停車ですが、昔は急行や準急があったこともわかるし、今は亡き「白山下」や「加賀一の宮」の表示もあります。
ふと気になったのが、左端の「トロリ使用」という看板。調べてみると、「トロリ」は「トロリー」の表記で、軌道モーターカーや軌道自動自転車など、保守用の作業車のこと。この赤い看板は、保線区員らが特定区間でトロリーを使用する際、現場に掲げていた標識だったのです。
北陸鉄道石川線 車両の開かないドア
やがて列車の到着時間になりました。
やってきたのは、東急で通勤列車として使用されていたこの列車(東急7000系)。今はワンマンカーなので
「開かずのドア」があちこちに。でもちゃんと、そのドアも沿線の観光案内として活用されています。
私たちが今回訪れなかった、白山本宮四社の1つである金剱宮(きんけんぐう)の紹介も。
鶴来駅出発後、すぐに見えてきたのは車両基地。長女は「北陸鉄道石川線はかなりの赤字路線だから、今のうちに乗っておかないと、そのうち廃線になるかも」と心配していましたが、2023年8月、バスには転換せず、鉄道として存続することに決定したそうです(バスの運転手が確保できないため)。沿線自治体が支援するとのことですが(通勤通学利用が多いため)、観光需要の開拓も行うとのことで、白山周辺へのアクセスも改善されるかもしれませんね。
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