知られざる紀伊半島の絶景を求めて3  偉大なる地母神の墓・花の窟神社(前編)

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巨大な岩に残る古代祭祀遺跡

2024年7月4日(木)、紀伊半島に位置する三重県熊野市、和歌山県の新宮市と串本町を訪れました。

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木陰を求めて山側の道を歩きながら、花の窟(いわや)神社を目指しました。

立派なバス停を通り過ぎ(世界遺産に登録されたためでしょうか)

そろそろ神社が見えてくるかなと思った頃、面白いものを見つけました。

古代の祭祀遺跡のようです。花の窟神社の敷地内だと思われます。

この岩の窪みで、弥生時代以来の自然崇拝が行われていたのでしょうか。それにしても大きな岩ですね。

花の窟神社 手水舎横の丸石のパワーを信じて

やっと花の窟神社入り口に到着。

炎天下の徒歩20分は、かなり過酷でしたが、ここの参道は木陰で

とても気持ちがいい! 生き返りそうです。

手水舎の側には、ご神木もあるのですが、この丸い石が気になりました。案内板によると、この石は「丸石神(玉石)」と呼ばれ、古来より聖なる神霊が宿るとされています。この丸石は、南紀熊野地方では最も大きく、ご神体の巨岩より分霊のごとく転がり落ちて、今の場所に鎮座したと伝えられているそうです。

この丸石には、人々の悩みや病を治すご利益があると信じられています。実はこの前日、左足親指の爪が痛くて(巻き爪?)今日の旅に不安を感じていたので、早速作法通りにお祈りしてみました。

まず一礼し、次の自分の身体(患部)を両手で撫でた後、その手で丸石を優しく大きく撫で、再びその手で自分の幹部を撫でます。次に柄杓で手水一杯の水を汲み、丸石にかけて祈念を込めて合掌礼拝。

ご利益があったのか、痛みがマシになって、旅行もつつがなく完了できました。ありがたいことです。

いよいよご神体の巨岩とご対面!

丸石の参拝を終え、いよいよご神体の巨岩とご対面です。

想像していたよりも、はるかに大きな巨岩! カメラのレンズになかなか収まり切れません。この迫力は、私のつたない写真では、なかなか伝わらないでしょう。

ご神体は熊野灘に面した、高さ45mの巨岩です。伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の妻であり、日本列島を構成する多くの島々や森羅万象の神々を産んだ、大いなる地母神・伊弉冉尊(いざなみのみこと)の墓とされています。神様が死ぬというのも驚きですが、彼女は火の神を産んだ際、陰部に火傷を負って病に伏し、それがもとで亡くなりました。亡くなる際にも、排泄物や吐瀉物から、次々と神々を産んだというのだから、すさまじいです。

まるで「産む」ためだけに、その一生を使い切った伊弉冉尊は、巨岩の下にあるこの窪みに葬られたとされています。この窪みの前には、拝所が設けられていました。この拝所の様子は、次回でもう少し詳しくお伝えします。どうかお楽しみに。

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