「三度目の正直」で、やっと見ることができた氣比神宮大鳥居
2024年7月14日(日)、敦賀駅西口から敦賀駅前商店街を通って、氣比(けひ)神宮へ向かいました。
アーケード街を歩くこと15分ほどで、氣比神宮前の交差点に到着。
「北陸道総鎮守」「越前国一宮」の格式を持つ氣比神宮の、正面玄関らしいたたずまいです。
最初に氣比神宮をバスツアーで訪れた時は、ちょうど「氣比の長祭」(けえさんまつり)の2日目で、御鳳輦(ごほうれん)をはじめ氏子各町の神輿が市中を巡幸渡御する日でした。この場所で、神輿が練り歩いていたんだなと思うと懐かしい。
重要文化財の大鳥居です。江戸時代の再建で、高さは約11m。奈良県・春日大社一ノ鳥居(高さ約10m)、広島県・厳島神社大鳥居(高さ16.8m)とともに、日本三大鳥居と並び称されています(いずれも木造)。
最初に訪れた時は修復工事中。次に訪れた時には、時間がなくて御朱印を頂くことに気を取られ、鳥居の存在をすっかり忘れていたのでした。3回目の氣比神宮訪問で、この鳥居をやっと見ることができ、「三度目の正直」で嬉しい。
氣比神宮は初めての長女と3人で、拝殿で参拝。ご祭神は、伊奢沙別命(いざさわけのみこと)。元々は食物の神ではないかと言われていますが、交通安全や縁結び、延命長寿など色々なご利益があるみたい。まずは旅の無事を祈ります。
廻廊には「北陸新幹線 東京・敦賀開業」の横断幕が張られ、
まだまだお祝いムードが続いているようでした。
松尾芭蕉と氣比神宮の名月
今回は、今まで見逃していた松尾芭蕉像や
芭蕉の句碑のある場所に行ってみました。
芭蕉は『奥の細道』の旅の途中、敦賀で「中秋の名月」の美しい月を見るのを楽しみにしていました。中秋の名月(旧暦8月15日)前日の夕方、快晴の敦賀に到着し、旅籠・出雲屋の主人に、明日も晴れるかと尋ねたところ、宿の主人は「北陸の天気は変わりやすいから、明日は晴れるかわからない。月見は今晩のうちに」とアドバイスしたそうです。
出雲屋といえば、「相生商店街」に案内板があった場所。さすが地元民らしい、的確なアドバイス。
芭蕉はその夜、月の美しい氣比神宮に参拝。月明かりに照らされた神前の白砂とその由来(鎌倉時代末、時宗の遊行上人二世他阿が、自ら砂を運んで参道を整備した「お砂持ち」の逸話)に感動し、「月清し遊行のもてる砂の上」の句を詠みました。芭蕉像の台座に刻まれていた句です。
翌日の中秋の名月の日は雨だったそうで、晴れた前夜に参詣していてよかったですね。
このエピソードもあって、2021年に「日本百名月の地」として「氣比神宮にのぼる月」が認定されたそうです。あいにくの雨なので、どんな光景なのか、なかなか想像できませんでした。
この巨大な句碑には、芭蕉が敦賀で詠んだ「芭蕉翁月五句」が刻まれています。右から「國々の八景更に氣比の月」「月清し遊行のもてる砂の上」「ふるき名の角鹿や恋し秋の月」「月いつこ鐘八沈る海の底」「名月や北國日和定なき」。名句誕生の陰には、地元の人々のアドバイスや歴史の説明があったのですね。
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