在原神社から石上神宮へ
2025年4月29日(火)、今年が平安時代の歌人・在原業平(ありわらのなりひら)生誕1,200年目(気が付いた人すごい!)ということで、彼の生誕地と言われる奈良県天理市の在原神社を訪れました。
このまま帰るのももったいないので、天理市の有名観光地・石上(いそのかみ)神宮を訪れることに。
在原神社から石上神宮は、天理駅から在原神社よりももっと遠い距離。50分ほど歩きます。途中の道筋にあったスーパーでトイレをお借りし、少し休憩などして、

やっとたどり着きました。

参道はとても荘厳な雰囲気。

参道両側にある燈籠には、風鈴が付けられていて、とても涼しげな音を立てていました。
石上神宮の人気者
参道を抜け、池や手水所などの近くへ行くと、何やら人だかり。

人だかりの向こうには、鶏たち! 実は石上神宮最大の人気者が、鶏でした。暁に時を告げる鶏は、古代より神の使いとして神聖視されているのです。

東天紅鶏(とうてんこう)や

烏骨鶏(うこっけい)など、約30羽が境内で放し飼いされています。木の枝の上で一夜を過ごす鶏もいるけれど、高く飛び上がれない鶏は、専用の「御神鶏小屋」で夜を過ごすのだとか。

養鶏場で飼われているブロイラーよりは自由があって幸せそうですが、放し飼いの為、イタチや狸、テンなどの被害もあるそうです。厳しい自然の中で、頑張って生き抜いてほしいですね。
最古の「神宮」の1つ・石上神宮
石上神宮は有名な神社だし、人気ハイキングコース「山の辺の道」の拠点とあって、多くの参拝客が訪れていました。

立派な楼門をくぐって

拝殿へ。鎌倉時代初期の建築とみられ、国宝です。

『日本書紀』の中では、「神宮」は伊勢神宮と石上神宮しか記されておらず、日本最古の「神宮」の1つとされています。祭神はご神体・布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)に宿る神霊。この剣は、高天原系の日本(葦原の中つ国)征服を助けた剣で、「国譲り」や「神武東征」説話に登場します。
その聖なる剣の霊を祀っていたのが、物部(もののべ)氏。最初は宮中で祀っていましたが、後にこの地に移りました。古代には、朝廷の武器庫にもなっています。

草薙剣(くさなぎのつるぎ)の荒魂(あらたま 荒ぶる魂)を祀る摂社の出雲建雄(いずもたけお)神社拝殿も、鎌倉時代後期の建築で国宝でした。
七支刀の御朱印! 本物の七支刀は奈良国立博物館へ
石上神宮には、国宝がもう1つ。それが石上神宮に伝わる「七支刀」(しちしとう)。まるで木の枝のようなデザインの、とても印象的な古代の鉄剣。60余字の銘文が彫られていますが、銘文の意味や剣の用途など(祭祀用?)謎の多い剣なのです。
現在七支刀は、奈良国立博物館の特別展「超 国宝―祈りのかがやき―」に出張中。期間は4月19日(土)~6月15日(日)ですが、ペンケースやぬいぐるみなど、七支刀グッズが大人気とか。

そんなわけで、本物の七支刀は拝見できませんでしたが、七支刀の御朱印を頂きました(700円)。聖なる剣の、聖なるパワーが頂けたかな。
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