吉野山の金剛力士像にご挨拶してから『超 国宝』展へ
2025年5月18日(日)、近鉄奈良線の新大宮駅で下車し、在原業平ゆかりの寺・不退寺を見学する機会がありました。
新大宮駅近くの喫茶店ラ・ポーズで美味しい自家焙煎珈琲とダクワーズを頂いた後
次の目的地・奈良国立博物館へ。今話題の『超 国宝-祈りのかがやきー』展を見に行ったのです。

この重厚な建物は、赤坂離宮(迎賓館)などを手掛けた明治期の建築家・片山東熊(かたやま とうくま)の設計した「旧帝国奈良博物館本館」で重要文化財。現在は、なら仏像館になっています。

この日は無料で入館でき(この建物で『超 国宝』展があるのかと思ってました)、吉野山の金峯山寺仁王門(現在修理中)に安置されている、金剛力士像を見ることができました。

あの東大寺南大門の金剛力士像に次ぐ、国内2番目の高さを誇り、像の高さは5mもあるそうです。ここで見ることができてラッキーでした。
教科書などで見た、名品の数々とご対面!
新館で開催されている『超 国宝』展。最初の展示室に一歩入ると、真っ先に目に飛び込んできたのが、法隆寺の百済観音でした。昔法隆寺で見たことはあるのですが、久々の対面! とても懐かしい!
今回の展示で、観音様の背面も見ることができ、解説のおかげで光背を支える支柱が竹を模していること、支柱の土台部分には、須弥山(しゅみせん 仏教で世界の中心にある山)をかたどった文様があること、そして観音様の身長がとても高い!ということを知りました。観音様の身長を表現するため、八頭身のすらりとした像にしたのかな。

平安初期の仏像彫刻の代表・元興寺(がんごうじ)薬師如来立像も、衣装のヒダのリズミカルな波の模様=翻波式(ほんぱしき)がよくわかりました(写真は全て、『超 国宝』展のジュニアガイドパンフレットより)。

運慶の最初期作・円成寺(えんじょうじ)の大日如来像も、黒山の人だかり。運慶人気、恐るべし。

鎌倉時代の彫刻では、ちょっとユーモラスな天燈鬼・龍燈鬼もなかなかの人気でした。

そして忘れてはならない古代の秘宝七支刀! 銘文の解説もあってとても勉強になりました。でも欲しかった七支刀ペンケースが売り切れていたのが、ちょっと残念。
教科書に載ってなくても気になる名品
七支刀と同じ写真に掲載されている、平安時代の金地螺鈿毛抜形太刀(きんじらでんけぬきがたたち)は、猫がたくさん描かれていて、それを探すのが楽しい(私は猫好き)。

この写真左上の、鎌倉時代の唐招提寺金亀舎利塔(きんきしゃりとう)は、鑑真が日本に渡航する途中、海の中で落としてしまった舎利(お釈迦様の遺骨)を、亀が背にして浮かび上がってきたという伝説にちなんで作られたもの。透かし彫りの技法が本当に素晴らしくて、思わず立ち止まってしまうほどの逸品でした。
他にもたくさんの名品があり、ほとんどが奈良の神社や寺院の所蔵品。奈良の底力を見せつけるような、とても見ごたえのある美術展です。ちなみにこの『超 国宝』展の半券を見せると、京都国立博物館の「日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―」展や大阪市立美術館の「日本国宝展」が、当日券100円割引になります。こちらの展覧会も気になるなら、半券は捨てないで、大事に保管しておいてくださいね。
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