「神迎の道」で稲佐の浜へ 花はどこへ行った?
2025年5月4日(日)、14年ぶりに出雲大社の参拝を終え
前回には行列に怖れをなして入らなかった、出雲そばの名店・かねやで三色割子そば(3段)を頂いた後
14年前同様、稲佐の浜へ。
この浜は、出雲大社から西方1kmにある海岸で、旧暦10月10日に、全国の八百万(やおよろず)の神々をお迎えする「神迎神事」が行われる場所として有名です。
集まった全国の神々は、出雲大社本殿の東西にある十九社(じゅうくしゃ)に滞在しながら、大国主命主催の「神議り(かみはかり)」という会議に出て人の運命や縁、天候、農作物のことなどを話し合うのだとか。年1回の定例会ですが、これだけ参加人数が多い会議だと、進行役もなかなか大変そう。

そんな神々を、稲佐の浜から出雲大社へお迎えする道は、「神迎(かみむかえ)の道」と呼ばれています。出雲そばの名店・荒木屋とかねやも、この道沿いにあるのですが、かねやを通り過ぎると、途端に人通りがなくなりました。昼食時だったからかな?

日御碕(ひのみさき)が描かれたマンホールや

落ち着いたたたずまいの家々が並びます。14年前に訪れた時は、神々をお迎えする時期が近い10月だったので

地元の人々が禊(みそぎ)で使う竹筒に花を活けて、軒先に飾った家もあったのですが

今回は私の探し方が悪かったのか、見つけることができませんでした。見つけたかったな。
稲佐の浜と弁天島
やがて、道の向こうに海が見えてきました。

大きな石灯籠が見えると

もう稲佐の浜。

この日は風が強くて冷たく、私が行く予定だった加賀潜戸(かかのくけど)の遊覧船は、強風のために朝から欠航が確定していたのですが
稲佐の浜も、かなり波があるようでした。2021年まで稲佐の浜は海水浴場でしたが、波打ち際付近の地形や離岸流の影響で、過去に多くの水難事故が発生し、現在は公式な海水浴場にはなっていないようです。

浜辺を歩いている人も、あまりいません。

浜にそびえている島は、弁天島。かつては弁天様を祀っていたようですが、明治の神仏分離令により、海の守護神である豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)が祀られています(上と下の写真は14年前のもの)。今と変わっていませんね。

崖の上にある鳥居が印象的。かつては稲佐湾のはるか沖にあったため、沖ノ御前、沖ノ島と呼ばれていたそうですが、もう「島」ではないですね。江ノ島とか、フランスの世界遺産モン・サン・ミシェルも、時が経てばこんな姿になるのかな。弁天様や海の守護神・豊玉毘古命も、さぞかし驚いていることでしょう。
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