英語教師・へるん先生の面影を訪ねて  島根県尋常中学校及び県庁跡地

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グーグルマップには載っていない史跡

2025年5月4日(日)、出雲大社の参拝を終えて、一畑(いちばた)電車で出雲大社前駅から、松江しんじ湖温泉駅へと戻り、前日には訪れることができなかった、小泉八雲ゆかりの場所へ行くことにしました。大雄寺(だいおうじ)や松江藩主の菩提所になっている月照寺を訪れた後、

小泉八雲が紹介した怪談の舞台3  松江藩主菩提所月照寺(後編) 『月照寺の大亀』

2025年6月22日

小泉八雲が紹介した怪談の舞台2  松江藩主菩提所月照寺(前編) 八雲が愛した寺院とは

2025年6月21日

小泉八雲が紹介した怪談の舞台1  『飴を買う女』と大雄寺

2025年6月20日

小泉八雲(この時はまだ帰化していなかったので、正確にはラフカディオ・ハーン)が日本で最初に英語教師として教鞭をとった、島根県尋常中学校跡を訪れました。

石碑のある場所は、島根県警察本部のすぐ前。グーグルマップには表示はありませんが、観光案内所で貰ったパンフレットにはちゃんと載っていました。「へるんさんの松江まちあるきマップ」をご覧ください。島根県尋常中学校は、今の島根県警察本部庁舎の場所にあり、県庁はその真向かい。県庁には、ハーンを「お雇い外国人英語教師」として雇う契約をした県知事・籠手田安定(こてだやすさだ)がいました。

島根県尋常中学校は今の島根県立松江北高等学校になります。2016年に創立140周年を迎えた伝統校なので、卒業生の中には、戦前の総理大臣若槻礼次郎や、昭和最後の総理大臣・竹下登(実家は酒造業だった竹下本店)など

14年ぶりの出雲阿国墓参りと、神門通りで飲んだ純米大吟醸「理八」

2025年6月18日

多くの有名人がいるようでした。

ここで彼は、1890(明治23)年9月3日から、翌日10月26日まで授業を行いました。松江で授業を行ったのは、僅か14か月。小泉八雲と言えば松江!というイメージなのですが、たった14ヶ月しか、松江にはいなかったのです。

へるん先生の英語の授業ってどんな感じ?

松江では「ヘルン先生」と親しまれたハーンは、教室では日本語を一切使わず、読み方(Reading)や書き取り(Dictation)、そして英作文を教えていました。授業では、日本人の英語教師も一緒にいることがあったのですが、彼は身振りや手振りで、時には絵を描いたりして(ハーンは絵が得意)、日本語を使わなくても生徒たちと意思疎通を図り、親切に指導していたそうです。

それまで教鞭をとった経験もなく(新聞記者だった)、新聞社と契約解除して収入が途絶えたため、急遽英語教師になったのですが、授業の様子は、まるで今の外国人英語実習助手=ALT (Assistant Language Teacher) みたい。とても素人とは思えません。

彼は単に英語を教えるだけでなく、生徒たちに対して、言語学習を通じて広い世界観を持つことの重要性を説き、相互理解と国際的な視点を育てることを重視しました。これって、今の英語教育の目的と同じではないかな?

日本人など非ヨーロッパ人を、自分たちより一段劣った人種とはみなさず、独自の歴史や文化を持つ尊敬すべき人々として接したハーン。生徒たちからもとても人気があったというのも、頷けますね。

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