大阪中央卸売市場 昔は駅の側だった
2025年6月19日(木)、夫に教えてもらった大阪市の有名寿司店「中央市場ゑんどう寿司」に行く機会がありました。
この店があるのは、大阪中央卸売市場の敷地内。
今は一番近い地下鉄玉川駅からでも、徒歩だと12分かかるので、あまり交通の便がいいとは言えないのですが、1931(昭和6)年当時は、海からも陸からも交通の便が良いということで、この場所になったそう。海上からの荷物は、大阪港から安治川をさかのぼれば市場に着くし、昔は当時の国鉄(現・JR)野田駅の隣の駅に「大阪市場(しじょう)駅」という貨物駅があり、貨車もここまで来ていたのでした。
現在は駅も貨物の線路も廃止され、廃線跡の一部が「野田緑道」として残っているのだとか。廃線跡というと、山の中というイメージもあるのですが、こんな所にもあったとは。今回は行く機会がなかったのが、少し残念。

鉄道の最寄り駅は遠くなってしまいましたが、阪神高速3号神戸線の中之島西出入口は、市場の近くでした(写真は入口)。駅より高速道路に近い方が、今は便利なんですね。
どこか懐かしいぽんぽん船
「中央市場ゑんどう寿司」に行く前に、この辺りを紹介していたYouTube動画を見ていたら、この近くに夫が好きな小説『泥の河』の舞台の地碑があると知り、訪ねてみることにしました。
目的地までは、徒歩10分。

中央卸売市場から、最初の橋(安治川に架かる船津橋)を渡ると、阪神高速3号神戸線の中之島西入口や

中之島先端(河口側)にあった謎の石碑(荷物を上げ下ろししていた場所でしょうか)があり、

クルーズの案内チラシもあったりします。

中之島から土佐堀川を渡る「湊橋」を渡ると、川にたくさんの船が浮かんでいました。よく見ると「ぽんぽん船」と書かれています。一本松汽船株式会社の「ぽんぽん船船着場」で、貸切観光クルーズ船が係留されていたのでした。
夫は「ぽんぽん船」という言葉が、とても懐かしいようでした。昔は小型漁船や渡し船に、「焼玉エンジン」が広く使われていて、それがぽんぽんというリズミカルな音を立てていたようです。今はすっかりディーゼルエンジンに替わっていると思うのだけれど、この船はどうなのかな。乗ってみたいです。
小説『泥の河』舞台の地碑
橋を渡り切ると間もなく、土佐堀川に面して、夫が探していた、小説『泥の河』舞台の地碑がありました。

主人公の友人が暮らしていた船は、ちょうど私たちが渡って来たばかりの湊橋の下に停泊していたのですね。

この文学碑建立に協賛した人々の名前がありました。一本松汽船株式会社や、中央市場ゑんどう寿司もあります。
この文学碑を読んで、初めてここが、堂島川と土佐堀川が1つになって、安治川と名前を変える場所だと知りました。地図をよく見ると、もう1本、木津川も流れています。ここは「水の都・大阪」の交通の要衝でもあったのかな。
私は小説も読んだことがないし、映画も見たことがないのですが、調べてみると、自主制作の形で映画化され、製作費がオーバーしてプロデューサーが借金して補填。最初は上映してくれる映画館もなかったけれど、大林宣彦監督の紹介で全国上映され、第55回キネマ旬報ベスト・テンで第1位など、国内外で高い評価を得たそうです。有名俳優&女優さんも出演されているけれど、なんとなく制作事情が『侍タイムスリッパー』と似ていますね。これも機会があれば、ぜひ見てみたいなと思いました。
コメントを残す