フエ郊外の帝廟巡り  東洋と西洋が融合したカイディン帝陵は、20世紀の豪華な霊廟

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Grabタクシー運転手の提案で、半日お世話になることに

2025年8月25日(月)、フエのサイゴンモリンホテルに宿泊し、朝食を頂いた私たちは

サイゴンモリンホテルの朝食ビュッフェ  どこか中華料理の点心に似た、ヘルシーなベトナム料理

2025年10月12日

フエ観光に出発しました。私たちが最初に目指したのは、フエ郊外にあるカイディン帝陵。今日はまず阮(グエン)朝の皇帝の陵墓を3つ見て、その後王宮見学というスケジュールです。

ホテルからはGrabタクシーで、20分ほど。料金は119,600ドン(696円)です。運転手さんは翻訳アプリを駆使して、カイディン帝陵だけでなく、グエン朝初代のザーロン帝陵までGrab料金で行かないかと、やや強引にアピールしてきます。カイディン帝陵見学後、すぐにGrabタクシーが来てくれるか不安だったこともあり、私たちの希望コースを伝えて、半日彼のお世話になることに。

フランスが大好きだったカイディン帝

Grabタクシーを降りると、昨日のティエンムー寺院と同じような、急な石段がありました。でもこちらには、手すりに龍が刻まれています。

階段を昇って入場料(1人150,000ドン=865円ほど)を払い(クレジットカード不可)

更に階段を昇って立派な門をくぐると

左右に馬やゾウ、役人たちの石像が、陵墓を守るように立っています。中国風ですね。

この八角形の建物(碑亭)には、

皇帝の偉業を記した石碑(聖徳神功碑)が安置されていました。

その両側に建つ高い塔(華表柱)。

この塔は、ヨーロッパ風です。というのもここに眠る第12代カイディン(啓定)帝(1925年没)は、グエン朝で最後から二番目の皇帝にあたり、フランスの植民地支配下で即位した人物(傀儡皇帝)。

フランスで1922年に開催されたマルセイユ殖民博覧会(万博みたいなもの)に出席し、すっかりフランス大好きになって(気持ちはわかる)、自分の陵墓にもフランスのバロック様式を取り入れるよう命じました。

豪華絢爛な霊廟に息をのむ

敷地の最上部にあるこの建物の中に、カイディン帝の墓所である啓成殿があります。この建物も、西洋風ですね。

陵墓の建物は全て、今から約100年前に建てられたものですが(日本では大正末~昭和初)、

皇帝の権力を誇示するこのような建造物は、もっと昔のものだと思っていました。ベトナムの100年前って、日本とはだいぶん違うんだなと実感。

建物に入ると、礼拝堂らしき部屋の奥に

墓所がありました。あまりのきらびやかさにびっくり!

金箔を施した、カイディン帝の青銅像は等身大。この下の、地下9mに遺体が埋葬されているそうです。

天井にはアジアの皇帝らしく、龍が9匹描かれています。加えて無宗教で新しいもの好きだったカイディン帝は、仏教、ヒンドゥー教、キリスト教の建築様式を取り入れ

中国の磁器や日本のガラスなどで、壁や天井をステンドグラスのように飾りました。

当然のことながら、建築には多大な費用がかかり、税金を20%上げて賄ったため、

国民から最も嫌われた皇帝になってしまったそう。皮肉にも、彼が作ったこの陵墓や建築物の数々は、現在ベトナム観光の目玉になっているのだとか。ノイシュバンシュタイン城を建設したルードヴィヒ2世みたいですね。

墓所に隣接して、皇帝の遺品が展示されている部屋もありました。

40歳で結核のため亡くなったカイディン帝。

実は歴代皇帝の中で、唯一埋葬場所が判明している皇帝なのだとか。なぜそんなことになっているのか、次回でご紹介します。お楽しみに。

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