フエ郊外の帝廟巡り  ベトナム人も大好き! 皇帝の生前は離宮だったトゥドゥック帝陵

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映画のロケ地にもなった建物は大人気

2025年8月25日(月)、この日は午前中フエ観光です。カイディン帝陵やミンマン帝陵を見学した後、

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最後の陵墓見学先、阮(グエン)朝の第4代皇帝だったトゥドゥック(嗣徳)帝陵へ向かいました。

車で15分ほどの距離ですが、今までの陵墓よりはフエの中心部に近い。そのため陵墓の前に、土産物屋やカフェ、アオザイレンタルの店などがあって、少しにぎやか。

入場料はここも1人150,000ドンですが、今までの陵墓と違うのは、入場してすぐに大きな池(謙湖)があったこと。ここはトゥドゥック帝陵の生前、離宮として使われていた場所でした。

今までの陵墓では見なかった、伝統的な衣装着用(多分レンタル)のベトナムの若者たち。雨だから、大変そう。

池のほとりの建物(愈謙榭)は、記念撮影をするたくさんの人々でいっぱい。

実はこの建物、1992年に アカデミー外国語映画賞を受賞した『インドシナ』(主演はカトリーヌ・ドヌーヴ)のロケ地の1つなのだとか。

さっき、雨の中を急いでいたカップルです。結婚式の前撮りかな?

橋の上も、風情ある撮影場所。橋のアーチがいい感じです。

私たちも愈謙榭に行ってみたかったのですが、ベトナム人が常にたくさんいたのでここは諦めて、もう1つ池のほとりにある、愈謙榭よりも大きな建物・冲謙榭に行ってみました。

ここで皇帝は舟遊びをしたり、詩文を作ったり、狩りを楽しんだりしたそうです。皇帝を癒した池は、今もベトナムの人々の間で大人気でした。

謙虚な皇帝の恐ろしい埋葬

元離宮とはいえ、ここは陵墓なので、皇帝や皇后の位牌が祀られている建物がありました。

池の畔から階段を昇り、謙宮門をくぐれば礼拝堂の和謙殿なのですが

なんと、修復工事の真っ最中。でも内部に入ることはできて、皇帝と皇后の位牌も見ることができました。

トゥドゥック帝(在位1847~1883年)は、グエン朝最大の在位期間(35年)の皇帝ですが、在位中にフランスの侵攻を許してしまったことを恥じて、陵墓の建物には「謙」の文字を使ったり

皇帝の偉業をたたえる石碑の碑文を自ら書き(普通は皇帝の死後、次の皇帝が書く)

フランスと不利な協定を結んだ経緯や、自身に子供ができなかったことなども書いています。実際彼の死後、最盛期を誇っていたグエン朝は、衰退に向かうのです。

いよいよ陵墓の入口。皇帝の石棺がありますが、遺体はここにはなく、親族によって秘密裏に埋葬されたとか。

陵墓内のどこかに、大量の副葬品と共に眠っているらしいのですが、遺体のありかは今もわかりません。

しかも恐ろしいことに、墓荒らしを怖れ、墓所の所在を隠すため、トゥドゥック帝を埋葬した200人の召使は、ことごとく殺害されてしまったのだとか。

たった1人の皇帝のために、何と理不尽な(写真は「拝庭」に並ぶ陵墓を守る家臣たちの石像)。

「喜」の字が2つ並んだ縁起物「双喜文」。ミンマン帝やほかの皇帝たちも、秘密裏に親族が埋葬し、墓の場所を知る召使たちは皆殺しにされたのかな? 豪華な副葬品もなく、火葬されることが多いため墓荒らしもあまり聞かない(しかも藤原道長や北条義時などは、墓の場所すらわからない)日本って、少し特殊な国なのかな。

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