知立駅から日間賀島への玄関口・河和港へ  駅や港の周辺も面白い

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珍しい「遙拝所」のある知立駅

2025年11月2日(日)、この日の予定は、愛知県知多半島南端の沖合に浮かぶ「タコとフグの島」日間賀島(ひまかじま)観光です。宿の東横イン名鉄知立駅前から名鉄知立(ちりゅう)駅へ向かって歩いていると、駅のすぐそばにお堂が! なかなかこんな光景も珍しく、今日一日の無事を祈ってまず参拝。

「見返弘法大師」という幟が何本も立てられているので調べてみると、弘法山遍照院という寺院の遙拝所でした、

遍照院は、駅から南へ徒歩20分ほど歩いた場所にあり、ご本尊はこの地に1ヶ月逗留した弘法大師空海が、別れを惜しむ里人達に与えるために自ら彫ったという空海像3体のうち1体。やや右を向いて振り返って別れを惜しんでいる姿なので、「見返弘法大師」と呼ばれています。毎月旧暦21日の空海命日には多くの参拝客でにぎわい、たくさんの露店も並ぶのだとか。三河三弘法の一番札所になっています。

そのお寺に行けない人の為、「遙拝所」が設置されたようなのですが、調べてみると、元々は豊橋方面行き6番ホームの端(豊橋寄り)にあり、駅のホームにある世にも珍しい遥拝所として有名だったそう。現在知立駅は連続立体交差事業の大工事中で(駅の中がまるで迷路! 北改札口に出るのが大変でした)、「遙拝所」もホームの橋から、北改札口仮駅舎の外の現在の場所に移設したのです。今の方が、参拝者が多くなっているそうでした。目立つ場所だからかな。

かっぱ一家と新見南吉の句碑

知立駅からは、名鉄名古屋本線(豊橋と岐阜を結ぶ)の特急で神宮寺前駅へ。そして河和(こうわ)行きの急行に乗り換えて、1時間少しで河和駅に到着です。

河和駅からは、日間賀島への玄関口である河和港まで、徒歩約10分。

この駅で下車する人のほとんどが、港に向かっているようでした。

湊で船のチケットを購入し、乗船まで少し時間があったので、近くを散策してみました。

すると、港の建物のすぐそばに、かっぱの像があるのです。

しかもかっぱの家族! 美浜町にはかっぱ伝説があって、そこに登場する家族のようです。この町のかっぱは、人間を人知れず助ける、心優しいかっぱなのでした。

調べてみると、1956(昭和31)年に、河和港のある美浜町観光協会が観光客を呼び込もうと、3つの海水浴場に父、母、娘のかっぱ像をそれぞれ設置したのがそもそもの始まり。しかし海水浴場の閉鎖などで忘れられた存在になっていたのを、町の有志がリニューアルし、新たに親子や孫が集う像も作られました。それがこの像です。

知多半島の根元にある半田市で生まれた児童文学作家・新見南吉(にいみ なんきち 『ごんぎつね』が代表作)が、1937年(24歳の時)に河和小学校の代用教員となって4月から7月まで勤務した時に詠んだ「少女細く 海の碧るり(瑠璃)泳ぎけり」の句碑もありました。自分の教え子が、河和の海で泳いでいる様子を詠んだ句でしょうか。

この町や海を愛した新見南吉でしたが、以前から喀血するなど病弱で、7月末で小学校を退職したのも体調を崩したのが原因でした。独身のまま若くして亡くなった(享年29歳)新見南吉は、「北の(宮沢)賢治、南の南吉」とよく比較されるそうです。『ごんぎつね』しか記憶にないですが、また機会があれば彼の作品も読んでみたいなと思いました。

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