吉野と桜のちょっといい話 これであなたも吉野通?

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今年の春に桜を見に訪れた吉野山は、よく調べると色々面白い話題がたくさんあります。

その中のいくつかを、今日はご紹介します。

神奈川県や佐賀県と匹敵する面積!

奈良県の面積は、全国で40番目の大きさです。

つまりどちらかと言えば狭いのですが、吉野山地は奈良県の面積の3分の2近くを占めています。

これは神奈川県や佐賀県に匹敵する面積というから、驚きですね。

私達は「奈良県」というと、ついつい「奈良市」のある奈良盆地を思い浮かべますが、奈良盆地は奈良県の北西部に、そして吉野山地は奈良県の南部になります。

「吉野」とは狩りに良い野という意味で、『古事記』や『日本書紀』によると、応神天皇や雄略天皇などが、この広大な吉野山地で狩りを行っていたようです。

吉野山の桜はソメイヨシノではない

現在日本の桜の名所で見られる桜のほとんどは、ソメイヨシノという品種。

漢字で書くと「染井吉野」です。

江戸時代末期から明治時代初期にかけて、江戸の染井村(現東京都豊島区)に集落を作っていた造園師や植木職人達によって育成された品種で、エドヒガン系の桜と、日本固有種のオオシマザクラの雑種の交配によって生まれたそうです。

最初は吉野山にちなんで「吉野」「吉野桜」として売られ、広まりました。
吉野山の桜のように美しいという意味で名付けられたようですが、吉野山の桜であるヤマザクラとは異なる種類の桜であることが判明。

吉野山に多いヤマザクラと混同される恐れがあるため、染井村の名を取って「染井吉野」と命名されたのだとか。

「吉野」と名前が付いているけれど、吉野山とは無関係で、現在でも吉野山には「染井吉野」はほんの少ししかないということでした。

吉野山の桜は 花見用ではない

吉野山の桜は、3万本もあると言われています。

そしてその大部分を占めているのが、シロヤマザクラという品種。

日本の野生種の中でも代表的な品種です。

「染井吉野」という桜は、観賞用=花見用として、明治以降(特に第二次大戦終了後)にたくさん植えられたようですが、吉野山のシロヤマザクラは、花見をするために植えられた観賞用ではありません。

城跡や公園、川沿いの桜並木など、日本の桜の名所のほとんどは、花見のためにわざわざ植えられた桜が中心です。

でも吉野山の3万本の桜は花見のためではなく、古来から修験道(しゅげんどう)の信者によって、「献木」として植え続けられてきたという特別な歴史がありました。

吉野山の桜と修験道

今から約1,300年前(7世紀末)、役小角(えんのおづぬ)という呪術者がいました。

彼は日本独自の神々への信仰と仏教への信仰、そして山々に籠もる厳しい修行を組み合わせ、修験道という新たな宗教を創始します。

役小角は役行者(えんのぎょうじゃ)とも呼ばれ、地上で苦しむ人々を救うことの出来る力強い神仏を得たいと、一千日の厳しい山岳修行を行いました。

その結果、修験道の本尊である金剛蔵王権現(こんんごうざおうごんげん)を感得することが出来たのです。

役行者は金剛蔵王権現の姿を、ヤマザクラの木に刻んで祀ったと言われます。

そのため吉野では桜は「信仰の木」とされ、金剛蔵王権現や役行者に対する信仰の証として保護されました。

戦乱を乗り越え桜の山へ

吉野山の歴史を語るとき、後醍醐天皇を中心とする南北朝時代は欠かせません。

後醍醐天皇は鎌倉幕府を倒そうとして発覚し、隠岐に流罪となりましたが、その子・護良(もりよし)親王は吉野に城郭を築いて鎌倉幕府と戦いました。

鎌倉幕府軍との戦いで1333年(元弘3年)に吉野山は全勝してしまいます。

鎌倉幕府滅亡後、隠岐から戻った後醍醐天皇は建武新政を実施したものの、足利尊氏と対立して吉野山に逃れ、南北朝の対立が始まります。

後醍醐天皇の死後、北朝方の軍が吉野に攻め寄せ、吉野山はまた全焼してしまいました。

金峯山寺(きんぷせんじ)妙法殿の近くが、「吉野朝宮跡」だそうです。

しかし戦国時代も終わろうとする1578年(天正6年)、摂津平野(現大阪市)の豪商・末吉勘兵衛が桜の苗1万本を寄進しました。

この頃から、参詣の人々による献木植樹の動きが盛んになったようでした。

そして江戸時代に入ると庶民の信仰はますます高まり、吉野山に桜を献木として植樹することも盛んに行われました。

現在も、大正時代に設立された「財団法人 吉野山保勝会」や大和ハウスグループなどの企業・団体によって吉野山の桜は守られています。

下の写真は、4月17日付朝日新聞朝刊に掲載された吉野山の写真です。

上空から撮影された吉野山は、まさしく「花の山」「一目千本」そのままでした。

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