リヨンから電車で約30分の場所に、とても小さな中世の面影を残す村があると、『地球の歩き方』には書かれていました。
その村の名前はペルージュ。
夫の強い希望で、その村へ行ってみることにしました。
電車でペルージュへ
『地球の歩き方』によると、ペルージュへはバスで行く方が一般的なようですが、バスに約1時間10分揺られて、バス停から村までは徒歩15分とのこと。
一方電車は約30分で、そこから村までは徒歩20分。
どちらにしろ地図は掲載されておらず、単純に時間を比較するとどう考えても電車の方が早い。
グーグルマップとグローバルWiFiがあれば、徒歩20分でも道に迷わないでしょう。
早速リヨン駅7:42発の各駅停車(地方ローカル線)で出発!
朝早いため電車はガラガラ、私達の貸し切り状態でとても快適な列車旅(1人片道7.9ユーロ)。
30分ほどで、最寄り駅のメキシミュー・ペルージュに到着。
ここからグーグルマップ片手に、ペルージュを目指します。
想像していたよりも道は複雑ではなく(田舎なので道が少ない)、少し上り坂だったけれど、楽しく歩けました。
馬が放牧されている牧場の横を歩いたりして、美しい村に行く気分が盛り上がります。
普段あまり聞かないヒバリや山鳩のさえずる声も聞こえてきます。
20分よりは、もう少し時間がかかったような気がしますが、やがて、「フランスで最も美しい村」という看板が見えてきました。
やっと着いた!と思ったら、ここからさらに丘を登り、上の写真の建物辺りが、目指すペルージュ。
村の入り口には、ちゃんと案内板もありますが、ガイドブックには「ゆっくり散策していても、20分あれば一周できてしまう」と書かれていました。
それなら別に、地図などなくても、足の向くまま気の向くまま、適当に歩こう、ということで、朝のペルージュ散策開始。
外壁に囲まれた中世そのままの村
昨年の冬、プロヴァンス地方を旅行して、カルカソンヌやレ・ボー・ド・プロヴァンスという城壁に囲まれた町や村を訪れました。
このペルージュも、同じように、外壁に囲まれた楕円形の街です(直径は約200mほど)。
村の入り口には、ちゃんと門もありました。
この日は2017年5月5日で、日本なら祝日ですが、フランスでは平日のようで、平日の朝9時過ぎのペルージュは道を歩く人もおらず、とても静かでした。
石畳の道が続き、まるで中世にタイムスリップしたようです。
石造りの家々と、緑がとても美しい。
元々、イタリアのペルージャから移り住んできたガリア人が、ここに村を築いたことから、ペルージュという名前が付いたそうです。
日本だと室町時代にあたる14~15世紀頃(フランスではこの頃、百年戦争があってジャンヌ・ダルクが活躍していました)、この村は織物やブドウ酒造りで繫栄しました。
しかし18世紀に入ると、人々は次第に便利な丘の下の町、メキシミュー(最寄り駅があった町)に移り住むようになりました。
20世紀初頭には、人口がたった8人になってしまった時期もあったとか。
でもこの村に残された中世の家並みを保存・修復する動きも高まり、現在では住民も戻ってきているようです。
現在「フランスで最も美しい村」の1つとして登録されていますが、これに登録されるためには、様々な基準を満たす必要があるのだとか。
でもさすが「美しい村」というだけの値打ちはありました。
あちこちに花は咲いているし、可愛い犬や猫にも出会えました。
猫好きなので、猫がいるととてもうれしいです。
そして何よりも、素朴で、あまり観光地化されていないところがいいです。
私達しか観光客はおらず、いつもなら通行人を気にしながら写真を撮るのに、この日は貸し切り状態で、いつでもどこでも好きなだけ、写真を撮ることができました。
レストランやホテル、土産物屋がこれでもか、と建ち並んでいることもなく、中世そのままの、静かな雰囲気の村です。
ガレット・ド・ペルージュ
ペルージュ名物の砂糖菓子が、ガレット・ド・ペルージュ。
村の入り口近くに、売っているお店がありました。
リヨンのホテルは朝食がついていないので、これを朝食代わりにしようと楽しみにしていました。
甘くて薄いパイのような素朴な味です。
とても美味しくて、大満足。
私達は帰りの電車の時間も気になって、あまりのんびり滞在できませんでした。
ガイドブックには「菩提樹の木のある広場」が村の中心だと書いてありましたが、地図を見ないで気ままに歩いたため、広場には行っていません。
でもほんの短い滞在だったけれど、とても静かで、穏やかな気持ちにさせてくれた、思い出深い美しい村でした。
行ってよかったと思います。
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