私達がバワ建築で有名なヘリタンス・カンダラマを訪れたのは、象に乗るアトラクション、エレファントライドのためでした。
モニカはご機嫌斜め?
さて、私達が乗る象は、モニカちゃん(メス。年齢不詳)。
昨夜まで、キャンディで開催されていた一大イベント、ペラヘラ祭りに助っ人(助っ象)で駆り出され、夜中に帰ってきて、ホテルへ出勤したばかり。
よく考えたら、半分夜勤明けなのかな(お疲れ様です)。
案内してくれたガイドのランジェナさんは、ペラヘラ祭りだからこの辺りの象はいないかもしれない、と心配していましたが、モニカちゃんがいてくれてよかったです。
さてモニカちゃん、どうやら朝ごはんの最中だったようで、私達が来たときはヤシの葉をせっせと食べていました。
私達を見ると、「何しに来たん? 何か美味しいものでも持ってきた?」とでもいうように(あくまでも個人の感想です)、鼻を伸ばしてきます。
象使いさんが何度も命令して、やっと私達を乗せる姿勢を取ってくれましたが、食事を邪魔されたせいか、渋々乗せてあげますよ、という感じ。
こんな風に、足をカゴの柵の外に出して乗ります。
悪いことに、私達は3人なので、左右に2人と1人に分かれて乗らねばならず、モニカちゃんも「なんか今日の荷物、バランス悪くて歩きにくわ~」とご不満だったかもしれません。
最初はあちこち道草して(道端の草を食べようとして、道から外れそうになる)、なかなかまっすぐ歩いてくれませんでした。
象使いさんの、叱咤激励の声が響きます。
モニカちゃん、頼むからまっすぐ歩いてね。
脳裏に浮かぶ『オツペルと象』
私達も初めて象に乗るので、かなり緊張。
慣れないせいかも知れませんが、象の上って、かなり揺れるのです。
今まで象の頭というのを、近くで見たこともありませんでしたが、モニカちゃんの頭をよく見ると、頭の毛はまばらだし、首には何重にも鎖が巻かれています。
モニカちゃん大丈夫かな、こき使われていると思っていないかな。
そういう時に思い出したのが、宮沢賢治の名作童話『オツペルと象』。
好奇心の強い、優しい白い象が、地主のオツペルにこき使われる物語です。
白い象の名セリフ「苦しいです。サンタマリア」が、ふと頭をよぎりました。
定員4人のところを私達3人しか乗っていないし、3人とも標準体型だから、滅茶苦茶重い!というわけでもないはずなのですが、このエレファントライドという仕事は、象にしてみたら辛い仕事なのかな? それとも朝飯前なのでしょうか。
象ならぬ身の私達には、永遠にわかりません。
象は水陸両用車!
さてモニカちゃん、森の中の小道を抜けて、カンダラマ湖の近くに来ました。
この辺りは見晴らしがよくて、広々としています。
湖のほとりにいる動物たちは、牛かな? それとも馬かな?
モニカちゃんも、広々とした場所に出て、心なしか嬉しそう。
でも景色のいい場所に来ると、同行して歩いてくれているカメラマンが、私達の写真をあちこちで撮ってくれるため、モニカちゃんに協力してもらう必要が出てきます。
やっぱりここでも、象使いさんの叱咤激励の声が響きました。
ここでは、ヘリタンス・カンダラマの全景も見ることができました。
緑に覆われたホテルは、やはりラピュタの世界です。
多分ここでしか、ホテルの全景は見られないかもしれないと思うと、ここに来てよかったなと思いました。
かなり遠くまで湖のほとりを歩き、モニカちゃんが曲がるので、元の道を行くのかと思ったら、どんどん湖に近づいていきました。
そしてなんと、湖に入って歩き出したのです!
最初は驚きましたが、象は水浴びが大好きな動物。
モニカちゃんも、水の中を歩くのを喜んでいるようでした。
湖から眺めると、さっきの湖畔にいた動物が、牛であることがわかりました。
お疲れ、モニカちゃん
元の場所に戻り、私達を下ろしてくれたモニカちゃんに、お礼としてバナナやスイカをあげました。
ヤシの葉より甘いから大好物のようで、鼻を伸ばして、おねだりします。
象にエサをあげるのは初めてで、最初は戸惑ったりもしましたが、すぐに慣れました。
鼻先に差し出すだけでなく、直接口に入れてもいいよ、と言われました。
いつも一緒にいる象使いさんだけでなく、さっき初めて出会った一見(いちげん)さんの私達でも、こんなことができるなんて、驚きでした。
このエレファントライド体験は1人3,000ルピー、そしてずっと同行して写真をいっぱい撮ってくれたカメラマンさんに、チップを1,000ルピー支払いました(合計1万ルピー)。
モニカちゃん、ありがとう。お疲れさまでした。
とても楽しかったです。
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