奈良今井町歴史散歩1 今井まちなみ交流センター「華甍」で今井町を学ぶ 

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『かんさい情報ネットten.』で紹介された古い町並み

『かんさい情報ネットten.』は、読売テレビで平日に放送されている夕方ワイド番組です。

今週の水曜日(9月6日)、「Let’s Go!若一調査隊」というコーナーで、奈良県の今井町に残る昔ながらの町並みが紹介されていたようです(私は見ていません)。

これを見た夫がとても今井町に興味を持ったので、行ってみることにしました。

今井町ってどこにあるの?

奈良県の今井町と言われても、あまり奈良に詳しくないので、なかなかピンときませんでした。

1956(昭和31)年に周辺の町村と合併して、現在は橿原市になっています。

詳しい地図はこちらのグーグルマップをご覧ください。

奈良県中部に位置しており、最寄り駅は近鉄橿原線・八木西口駅から徒歩5分ほどです。

近鉄大阪線と橿原線が乗り入れる特急停車駅の大和八木駅からも、20分ぐらいで歩けると思います。

駅にも周辺の案内板にも、ちゃんと今井町への行きかたが書いてあったので、迷わずに行けました。

駅を出ると左に曲がり、飛鳥川の赤い橋(蘇武橋)を渡れば、今井町です。

この橋は、聖徳太子も渡ったのだとか。

とても大きなエノキの木(蘇武橋のエノキ)が出迎えてくれました。

この木は樹高15m、枝張り約20m、樹齢420年で、秀吉時代後半からの今井町の歴史を見守っていることになります。

大きな洞もあって、まるで物語に出てくる年を経た大木のようでした。

戦国時代から続く環濠集落の寺内町

さて、今井町に入る場合には、必ず橋を渡らなければなりません。

今井町は戦国時代、浄土真宗(一向宗)の門徒によって建設された、御坊(称念寺)を中心とした町で、周囲に濠をめぐらして自衛のため武装した寺内町なのです。

橋を渡ると、まるで江戸時代にタイムスリップしたような町並みが続いていました。

先日行ったバスツアーで一瞬通った大津市の北小松もこんな感じでしたが、もっと観光客向けに整備されていて、町の外周は道幅も広いです。

この道標も、江戸時代の雰囲気を残しています。

これはなかなか見ごたえがあるなと思いました。

町を構成しているすべてが見どころ

蘇武橋のそばにある、つるべのある井戸です。

横道に入ったところで見かけた、だらに飴という漢方健康食品がユニーク。

陀羅尼助は吉野でよく見る薬だけれど、だらに飴は初めて見ました。

陀羅尼助(だらにすけ)は吉野山の不思議な名物

2017年4月24日

自動販売機も木目調なのにびっくり!

「髪技屋」と書いてあるようなので、美容院かもしれません。面白い!

『あさが来た』のロケ地

私達が今井町で最初に訪れたのは、今井まちなみ交流センター「華甍」(はないらか)という施設。

1903(明治36)年、高市(たかいち)郡教育博物館として建設され、1929(昭和4)年からは今井町役場として使用されていた立派な建物です(入場無料)。

玄関を入ると、どこかで見たようなポスターが飾られていました。

NHK連続テレビ小説『あさが来た』の、ロケ地になっていたのですね。

この建物は、今井町の歴史を詳しく解説する展示館なのですが、最初に入った図書閲覧室でも、『あさが来た』関係の展示がありました。

主人公・あさの実家(今井家)のある京都の町並みという設定だそうです。

ファンにはこたえられない場所になりそうです。

ただ、この美しい伝統的な町並みも、京都の町家と同様、なかなか維持が難しいようです。

大学も、空き家や長屋の活用方法についていろいろ提言している様子。

古い建物のままだとどうしても、現代の経済活動や家庭生活に支障が出てしまうので、古い家の外観はそのままにして、内部を大胆にリフォームするなど、いろいろな工夫をされていることが伝わります。

今井町の歴史を学ぶ

展示室では、まず今井町の歴史に関する展示を見学。

自衛のため武装した今井町は織田信長とも戦い、明智光秀を通じて降伏し、信長から自治特権を許され、商業都市となりました。

一番目立つのが、室内中央に置かれた今井町全体の立派なジオラマ。

防御のための町の構造(見通しの効かない道)がよくわかる古地図です。

江戸時代の繁栄を知る上には欠かせない、「今井札」(今井町独自の紙幣)も展示されていました。

「大和の金は今井に七分」と言われるほど繁栄したそうです。

織田信長、明智光秀、徳川家康らの文書は複製でしたが、今井町の五人組帳、宗旨人別帳、土地台帳、借用書などは本物でした。

今人気の歴史学者、磯田道史さんなら、こんな古文書をすらすら読み解いていくのでしょうね。

うらやましい限りです。

町家について学ぶ

また別の展示室では、今井町の町家の模型が展示してありました。

内部構造がわかるととても面白いし、普段見えない場所でも、近くで確認できたりするので、模型はとてもありがたいと思いました。

民俗資料も展示されています。

この部屋には女性スタッフもおられましたが、とても親切な方でした。

彼女の話によると、『かんさい情報ネットten.』の影響で、今週末は訪れる人が増えそうだとのこと。

そのテレビ放送のおかげでここに来た私ですが、今井町のことについて何も知らなかったけれど、楽しく興味を持って町のことを理解することができました。

町並み散策をスタートする前に、ぜひ見学されることをお勧めします。

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