レトロな看板もうれしい澤井薬局
懐かしい赤い丸ポストが印象的な今井町の郵便局前に、澤井薬局があります。
処方箋も受け付けてくれるなど、地域医療に貢献する普通の薬局ですが、やはり古い町並みが残る今井町らしく、漢方薬の看板が目につきました。
陀羅尼助の看板を見ると、奈良だなと実感。
ショーウィンドーには、ロート目薬のレトロな看板もあって、町並みにとても良く調和していました。
「シマズ(染みない)イタマヌ(痛くない)井上博士(明治に活躍した医学博士・井上豊太郎)のロート目薬」と書かれていて、奈良出身のロート製薬創業者・山田安民が「信天堂山田安民薬局」として開業していた頃の雰囲気があります。
今でも「染みないのね」と目薬のCMでアピールしているけれど、明治のころからそうだったとは。
陀羅尼助といい、中将湯といい、ロート目薬といい、奈良は薬と縁が深い土地なのかも知れません。
薬局の近くの町家の塀には、こんな面白い瓦もあって、街歩きが楽しくなります。
今井町唯一の宿泊施設 嘉雲亭(かうんてい)
町を歩いていると、面白い蓋つきの水がめのある家を見つけました。
水がめの中をよく見ると、亀が泳いでいます(洒落ではありません)。
水がめのそばにあった説明書きを読んでみると、なんとこの亀たちは、ミドリガメの成長した姿でした。
ミドリガメといえば、この間日帰りバスツアーで訪れた氣比神宮(けひじんぐう)の縁日で見た亀すくいで売られていた亀ですが、現在要注意外来生物に指定されています。
ミドリガメの大きくなった姿を始めて見たのですが、飼いきれなくなって捨てられてしまう亀も多い中、大切に育てているんだなと思いました。
この亀を育てているお宅こそ、今井町唯一の町家宿泊施設、嘉雲亭だったのです(知らなかった)。
18世紀に建てられた呉服屋の町家の外観はそのまま残し、宿泊施設としてリニューアルした建物です。
公式ホームページによると
ご利用案内(B&B形式)
ご宿泊料金(消費税・サービス料 別)
一般5,000円 学生4,000円(学生証をご提示ください) 子ども3,000円(5歳~小学生)
◎客室のご案内<定員8名>
和室(8畳)3名、和室(8畳)3名、洋室(6畳)2名
チェックイン15:00 / チェックアウト10:002階にある3つの客室では、風情を守るためあえて冷暖房を設置せず、夏は蚊帳と扇風機、冬はこたつと火鉢でお過ごしいただいております。お泊りいただいた方には宿泊証明書(今井町中宿泊免許)も発行しております。
※レンタルサイクル(1日750円・税別・3台限定)の貸出しを希望の方は「ご相談・ご要望」欄にて承っております。
とのことでした。
町家茶屋古伊(ふるい)
18世紀に建てられた建物で、江戸時代初期には古着屋(古手屋)を営み、当主は8代目まで伊兵衛、伊平を襲名していたことから、「古」服屋「伊」兵衛となったのが、現在まで続く屋号「古伊」の由来です。
町家茶屋古伊は、町の中心にあってアクセスも良く、大きな店で看板も目立つので、すぐにわかると思います。
私達は、今井町散策の最後にランチで立ち寄りました。
店の前には写真付きのメニューもあって、とても親切です。
店内は、町家を改装したお洒落な空間でした。
ちょっと従業員さんが少なくて、後片付けなどが大変そうな感じもしましたが、まぁ許容範囲かな。
やはり天井がすごいなと思いました。
2階部分に窓もあります。
水琴窟が土間に置かれていて、とても涼しげでした。
私が注文した、町家膳(柿の葉寿司と冷たい山菜そば)。
食後にコーヒーもつけました。伝票がピンクのカードになっていて可愛いです。
メニューにはそば単品や、甘味・カフェメニューもありました。
豆腐の自動販売機 小林豆腐店
この他にも、今井町には面白い店がありました。
例えばこのお店。
普通の豆腐屋に見えますが、こんなものがあるのです。
生まれて初めて見た、豆腐の自動販売機。
価格表もちゃんとありました。
伝統と最新技術が共存しているのが面白いです。
昔懐かしい氷屋さん
今井町の特徴的な、自衛のための、屈折する道路です。
この道路のためか、何だか町全体は迷路のようで、道に迷いそうになったりもします。
でも偶然通りかかった家の中から、お琴の音が聞こえてきたりもしました。
邦楽教室のようですが、今井町にはとてもよく似合う音色だなと思いました。
町を出ると、飛鳥川が流れています。どうやら桜が植えられているようです。
今井町の古い町並みも印象的でしたが、最寄り駅の近鉄八木西口駅近くにある氷屋さんも、とても懐かしい感じのお店でした。
昔は近所にも氷屋さんがあったのに、そういえば、いつの間になくなってしまったんだろう。
今井町とその周辺を歩いてみて、普段の生活では忘れがちになっていた、懐かしいものにたくさん出会うことができました。
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