レトロな市電で元町へ
JR函館駅近くのどんぶり横丁市場で、函館名物海鮮丼の昼食を済ませた私達は、「これぞ函館!」という風景を求めて、元町界隈を目指すことにしました。
ここには、幕末からの開港地として発展した函館(当時は箱館)の歴史を今に伝えるレトロな洋館や、港町らしい坂道があって、とても風光明媚な場所なのです。
JR函館駅から元町へは、これもレトロな市電を利用。
元町の最寄り駅、電停末広町へは、函館どつく前行きの車両に乗ります。GLAYコンサートのため、反対方向の函館アリーナ行きの車両はかなりの人が並んでいました。
ん?どつく??? 発音は「どっく」なのですが、文字にすると何やら物騒な(関西では「どつく=ど突く=殴る」となります)。
以前は「函館ドック」という企業が終着停留所の近くにありましたが、1984年に「函館どつく」と社名変更したため、停留所も名称変更したのだとか。
ちょっとドキッとしますが、明治から操業している老舗の造船所らしい、レトロな名前だなと思いました。
冬の元町観光 思わぬ落とし穴
さて、美しい港町には坂道がつきもの。坂を上って小高い丘から海や町並みを眺めるというのは、私も大好きです。
元町でも当然、坂道を上るつもりでした。でも・・!
ちょっとこれ、怖すぎる! 普段雪なんてほとんど降らない場所で育っているので、雪道が怖いのです。
それに、山から港まで見事に一直線のこの坂道! 効率重視なのはわかるけれど、雪の日のことを考えてなかったのかな?
滑って転んでしまいそうで、なかなか一歩が踏み出せません。
こんなこともあろうかと、長女に買ってもらったレインブーツ、それも雪用滑り止めがついているものを履いてきたのですが、生来臆病者なので、この靴を履いても心配でたまらない。
この靴を履いていなかったら、今回の旅はどうなっていたことやら。
まるでスキー場のジャンプ台のようにも思える?道におびえている私の横を(若い男性グループも、怖い怖いと騒ぎながら歩いていました)、地元の女性が、ためらうことなく軽やかに、小走りに雪の坂道を降りて行ったのに、ただびっくり!
さすが道産子。鍛え方が違うようです。
元町公園界隈
私達が、電停末広町から上った坂は、日和坂(ひよりざか)と呼ばれている坂でした。
付近には風情あるレトロカフェが集う、とガイドブックには書いてありますが、周囲を見る心の余裕はありません。
ひたすら足元を見ながら、元町公園方面を目指します。
坂の途中では、お父さんと子供たちが、一緒になって雪かきをしていました(恥ずかしながら、雪かきする人を見たのも初めて)。
やがて見えてきたのが元町公園。
ここは函館港を一望する眺めの良い公園で、中世に蝦夷地へ渡った武将がここに建てた館が箱の形をしていたため、この地は「箱館」と呼ばれるようになったのだとか。
つまり「函館発祥の地」なのです(これを書くために調べていて、初めて知りました)。
江戸幕府はここに函館奉行所を設置し、明治になっても旧北海道庁函館支庁庁舎が置かれるなど、政治の中心となりました。
この赤レンガ倉庫は、旧開拓使函館市庁書籍庫。火災から、大切な行政文書を守り抜きました。
1909年に建てられた旧北海道庁函館支庁庁舎は、現在では函館市元町観光案内所となっています。
明治の建築の中でも美しい部類に入る建物ですが、1991年火災に遭い、復元工事が完了しました。
この4本の柱はエンタシス風、柱頭の飾りはコリント風だそうです。
ギリシア風の建物のせいか、大英博物館に似ているなと思いました。
2016年3月末までは、函館市写真歴史館となっていたようですが廃止されたとのこと。
でもこんなお洒落な洋館が、観光案内所なんて羨ましい。
館内には、函館出身のロックバンドGLAYの写真もちゃんと飾ってありました。
今日がアリーナツアー最終日というのも、何かのご縁なのかな。
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