長屋王の呪いを跳ね飛ばせ!複合商業施設ミ・ナーラ開業!

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奈良に新しい複合商業施設誕生!

4月24日(火)、奈良市に新しい商業施設がオープンしました。

その名もM!Nara」(ミ・ナーラ

奈良発観光型複合商業施設だそうです。

オープニングセレモニーには、なんと

AKB48 チーム奈良県代表

奈良市観光大使の大西桃香さんもお祝いに駆けつけたそうです。

詳しくはこちらをご覧ください。

ところがこの施設には、隠れた都市伝説がまことしやかにささやかれているという話が、夕方のニュースで流れていました。

長屋王の呪い

ミ・ナーラが建っている場所は、奈良時代前期の権力者、長屋王の邸宅跡でした。

この長屋王は、祖父は天武天皇、父は太政大臣であった高市皇子(たけちのみこ)で、正室の吉備内親王は、元正(げんしょう)天皇の妹という皇族政治家。

女帝である元正天皇をよく支え、人口の増加に伴う口分田不足を解消するため、三世一身法(さんぜいっしんほう)と呼ばれる開墾奨励策を出すなど、日本史の教科書でもおなじみの人物です。

藤原氏の2代目となる藤原不比等(ふひと)の死後は左大臣として、当時の政権(元正天皇の跡を継いだ聖武天皇の時代)で第一人者となっていました。

ところが聖武天皇時代の729年、対立勢力である藤原氏の陰謀により無実の罪を着せられ、妻子ともども自殺に追い込まれました。

悲劇の舞台となった彼の邸宅は、平城宮の東南角に位置していました。

それが判明したのが、1988年に、奈良国立文化財研究所(現在の独立行政法人 国立文化財機構 奈良文化財研究所=奈文研)が実施した発掘調査。

この地に「奈良そごう」が建設されることとなり、発掘調査となったのですが、その結果約4万点もの木簡が出土し、その記録から奈良時代の貴族の詳細な暮らしぶりが分かる大きな発見となったのです。

その後、発掘調査が89年9月まで続いた影響で奈良そごうの建設は遅れ、89年初頭を予定していた開業が同年10月にずれ込んだそうです。

開業前にはに敷地内に「(長屋)王の霊を鎮めるほこら」がつくられ、「1260年ぶりに掘り起こしてしまっただけに、まずは、王の怨念払い」もきちんと行ったようです(1989年9月27日付朝日新聞)。

ところがその「奈良そごう」が、2000年に倒産。

このときも「長屋王の祟りか?」という噂が秘かにささやかれたそうです。

その跡地に2003年、イトーヨーカドー奈良店が開業したのですが、イトーヨーカドーでは最大級の規模としてオープンしたにも関わらず、業績不振を理由に2017年に閉店してしまいました。

これで更に「長屋王の呪い」が注目されることとなったのです。

呪いよりも怖いもの

私は奈良市民ではなく、以前バスツアーで偶然イトーヨーカドーの前を通り、標識を見て「ここが長屋王の屋敷?!」と驚いたことがありました。

長屋王の呪いの話も、今日のニュースで初めて聞いたのですが、どうも閉店や業績不振の原因は、呪いだけではないようです。

「長屋王の呪いか」とネット注目 跡地のそごう閉店、今度はヨーカドーも(JCASTニュースより)

これによると、長屋王の邸宅があった場所は、奈良時代には平城宮に近い超高級住宅地だったのですが、現在は最寄り駅の近鉄奈良線「新大宮駅」からは徒歩13分かかるというアクセスの悪さ。

近隣には近鉄奈良線「大和西大寺駅」徒歩3分と駅近のショッピングセンター「ならファミリー」や、「イオンモール」などの競合店がひしめいているそうです。

さすがにミ・ナーラもこの点は対策を考えていて、近鉄奈良駅・JR奈良駅・近鉄大宮駅との間にシャトルバスを運行していると、公式サイトには書かれていました。

呪いを逆手にとって、観光客を取り込もう!

私が見た夕方のニュース(この呪いのニュースも途中から見ました)には、人気の歴史家、磯田道史さんも出演されていました。

歴史ネタなので、さっそく磯田先生にもコメントが求められました。

そのコメントがとても面白かったのです。

長屋王の呪い伝説があるなら、それを逆手にとって、長屋王にちなんだ店やイベントをすれば集客できるのでは?ということでした。

長屋王の邸宅跡から発見された多数の木簡によって、当時、長屋王やその家族が食べていた食事も、かなり正確に再現されています。

蒸しアワビ、蒸しエビ、焼タコ、焼サザエ、焼ハマグリ、焼雉肉に清酒など、海鮮物を中心に、30皿もの豪華な料理です。

詳しくはこちらをご覧ください。

私は以前、バルト三国の1つ、エストニアの首都タリンの歴史地区を訪れたことがあるのですが、そこに中世の食事を再現するレストランがありました。

従業員も当時の服装で、店内も中世の雰囲気を再現しており、素朴な料理でしたが、とても素晴らしい体験ができて感激しました。

ミ・ナーラも「奈良時代の貴族の暮らしを体験できます!」とアピールすれば、面白いかもしれませんね。

今日の気づき

「長屋王の呪い」と聞くと、「またつぶれるのか」と、ついつい悲観的に将来を見てしまいがちなのに、「呪い」を逆手に取った磯田先生のアイディアを聞いていると、楽しい未来を思い描くことができました。

呪いを信じて最初から悲観的になるのも、伝説や歴史の持つ希少性に注目して商機を見出すのも、その人次第。

どうせなら、後者の気づきを得られる人になりたいなと思いました。

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