成都郊外の楽山へはバスという名のワゴン車で
中国の四川省の省都・成都でパンダや三国志の英雄たちを堪能し、昔懐かしい街並みや、麻婆豆腐の老舗も訪れた私たち。
成都2日目は、バスで成都郊外にある楽山大仏を観光です。
楽山へは、成都旅遊バスセンター(成都旅遊集散中心)からバスが出ています。
私たちのホテル(成都トラフィックホテル)からは、とても近くて便利でした。
私たちは成都到着直後、すぐににバスセンターに行き(ホテルはバスセンターの近く)、楽山大仏行きのバスチケットを購入(チケットは1人53元)。
ところが待っていたのはバスではなく、7人乗りのワゴン車でした。
乗客は中国人女性2人と、日本人女性1人、そして私たち3人です。
中国人女性がスマホの翻訳アプリを使って英文で話しかけてくれたところによると、この車は楽山の肖壩旅游バスターミナルまでしか行かないけれど、1人10元プラスすれば、楽山大仏のすぐ近くまで行ってくれるのだとか。
全員が1人10元支払いました。
シニア料金が設定されている楽山大仏
成都から楽山バスセンターまでは、約2時間、
私たちの場合は、ガソリンスタンドでの給油やトイレ休憩(仕切りのないトイレを初体験!)などもあって、3時間ほどで楽山大仏のある凌雲寺に到着しました。
まずここでチケットを購入します。大人90元です。
昨年北京を訪れた時も気付いたのですが、中国ではシニア料金が設定されている観光地があり、この楽山大仏でも設定されていました。
夫はシニア料金に該当するので、45元で入場できました。
山を登って大仏様とご対面!
大仏に会うためには、門を入って長い上り坂を歩かねばなりません。
でも急な山道というわけではなく、たくさんの観光客(ほとんどが中国人)と一緒に参道を歩きました。
ところどころに、信仰心がうかがわれる岸壁に刻まれた文字があります。
しばらく上って(でも予想よりは短い)、お寺の境内につきました(大仏が世界遺産なので、トイレはきれいでした)。
楽山大仏は正式名を凌雲大仏といい、凌雲寺の境内の崖からは、大仏を上から見ることができます。
東大寺(奈良)の大仏や鎌倉の大仏と違い、威厳や端正さよりも親しみやすさが重視されたような大仏様のお顔でした。
ちなみに、奈良の大仏は廬舎那仏、鎌倉の大仏は阿弥陀仏ですが、楽山の大仏は弥勒仏。
お釈迦様の入滅後、56億7千万年後の未来にこの世界に現われ悟りを開き、多くの人々を救済するとされる仏様です。
どうか私たちも救ってくださいますように。
楽山大仏ができた理由
大渡河と青衣江という2つの川は、凌雲寺のある凌雲山の下で交わって岷江(みんこう)となります。
しかし凌雲山の下は、古来より水害が多発する場所でもありました。
唐の玄宗皇帝の時代(713年)、凌雲寺の僧侶・海通が、水害を鎮めるために大仏の建立を思い立ち、人を集め物資を募りました。
楽山周辺では塩が大量に取れ、年間の生産高は現在の価格に換算すると1千億円以上にもなり、その成功を仏様に感謝したいという気運も高まった時期でした。
大仏が完成したのは、なんと、その90年後!
奈良の大仏は約10年の歳月をかけて完成したのですが、それに比べれば、とても長い歳月です。
民間事業ゆえに、スローペースだったのだろうし、大仏のお顔も威厳より民衆にも親しみやすいものになったのかもしれません。
大仏の工事で出た大量の土砂を、川の合流地点に投入することにより、川底が浅くなり、海通の意図通りに水害は大幅に減ることとなりました。
大仏を堪能するには、行列に並ぶ覚悟で
ここからもと来た道を戻ってもいいのですが、大仏を見ながら崖を降りる道を選択。
ものすごい人が並んでいるというのが、遠目でもわかります。
大仏を上から見た写真は長時間行列しなくても撮影できるのですが(撮影ポジションを確保するのは大変でした)、別の角度からの写真を撮りたければ、この道を降りなければなりません。
この行列が大変だから、皆少しでも早い時間に、楽山に行こうとするのだとわかりました。
8時台のバスにすればよかったかなと思いながら、境内で行列に並び、待つこと65分。
待ち時間にパンなどを食べたのが、今日の昼食になりました。
境内の大型モニターでは、楽山近郊の観光名所を紹介したビデオと、中国人の観光マナーを向上させるための啓発ビデオがエンドレスで流されていました。
行列の割り込み、大声で騒ぐ、撮影禁止場所での写真撮影、ごみを捨てることをやめましょう!と繰り返し呼び掛けていました。
やっと階段を降ります。所々で大仏撮影スポットがあります。
上から見た時とはまた違う角度で、写真を撮る人々で大混雑。
高さ71m、肩幅28m、頭部の高さ14m、頭部の直径10mという巨大な姿で、近代以前に造られたものでは世界最大・最長の仏像であり、石像でもあるそうです。
世界一の大仏の全体像を写真に収めるためには、楽山港から出る遊覧船に乗って、川から見なければなりません。私たちは時間がなかったので、遊覧船はパス。
35分かけて階段を降り、一番下から大仏を見ました。
足の指の爪を見ると、その大きさがまたよく伝わってきます。
昔は大仏殿(大仏像閣)があったようですが、明の末期に焼失してしまったのだとか。
ここからすぐに正門に出てバスに乗れればいいのですが、岩山の中の階段を上り、再び凌雲寺の境内まで戻らねばなりません。
急な階段を上り、かなりいい運動になりました。
境内に戻った後は、最初に歩いた参道を通り、門へと戻ります。
私たちは道を間違えて別の門から出ましたが(遠回りしたかな?)、このようなちょっと素敵な道を歩くことができました。
バスを乗り継いで成都へ帰着
帰りは「楽山大仏」バス停から13番(13路)のバスに乗り、楽山の肖壩旅游バスターミナルへ(バス停は、道路を渡ったところにあります)。
普通の乗り合いバスのため、約40分と時間はかかりましたが(車で直線移動だと早そうですが)、運賃は1人3元と安い!
一般市民もたくさん乗ってくるので、色々な人がいて、なかなか面白いです。
肖壩旅游バスターミナルで、ちょうど16:30発成都行のバスに乗り込むことができました。
料金は1人46元で、今回は普通のバス。所要時間は約2時間です。
バスに乗り込んだ後、かなりまとまった雨が降りました。
私たちが雨に降られることがなかったのは、大仏様のご加護のおかげかもしれません。
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