2018年8月20日(月)、どうしても阿寒湖の東にある神秘の湖オンネトーに行きたかった私たちは、手持ちの現金が少ない中、思い切って阿寒ハイヤーを3時間貸切(20,100円)。
天気も良く、親切な久保運転手さんの案内で、展望デッキや遊歩道から美しい風景を見ることができました。
公衆トイレで手が洗えない!
オンネトーの湖畔から、200mほど離れたところに公衆トイレがありました。
トイレは環境に配慮しているバイオトイレ。水を使わず、微生物の力で排泄物を分解し、下水施設のないところでも使用できるもののようです。
洋式トイレだったし、そこそこきれいだったので一安心。
ただし、手洗いの水がなかったのはびっくり! トイレの仕組みを考えると、どうやらここは、上下水道が引かれていない場所なのでしょうか。
少しぐらい手を洗うのが遅くなっても(オンネトー湯の滝で手を洗いました)気にならない人はいいのですが、どうしても気になる!という潔癖症の方は、ウェットティッシュをお忘れなく。
ヒグマ注意! オンネトー湯の滝への道
次の目的地は、オンネトー展望デッキの古びた地図で見つけて気になっていた「オンネトー湯の滝」。天然記念物のマンガン鉱床があるという、珍しい場所のようです。
少しタクシーで移動すると、入り口がありました。久保運転手さんは、入り口で待機。
足寄町がちゃんと管理されていることがわかります。中にはこんな看板がありました。
オンネトーでカヌー禁止!という看板もありましたが、ここではスノーモービル禁止です。こんな看板があるというのは、カヌーやスノーモービルをやった人がいたのかな?
さて、オンネトー湯の滝へは、「山道を20分程度歩く」と言われました。「本格的な山道じゃないですかね~」という久保運転手さんの話を聞いて、少々ビビっていましたが、歩いてみると、とても素敵な森の中の道でした。
先ほどの、オンネトー湖畔の遊歩道と同じくらい静かで、とても美しい森の中です。
あまりアップダウンもなく(滝の近くは少し下りになります)余裕で歩いていたのですが、すれ違った人が、鈴を鳴らしながら歩いているのに気が付きました。
もしかして、これってクマよけの鈴? ここはクマが出るのかな?
帰宅してから調べてみると、この辺りはれっきとしたヒグマの出没区域で、注意・対策が必要だとありました(怖)。
皆さんも気を付けてくださいね。
湯の滝は生ぬるかった
さて、運よくヒグマにも遭遇せず、森の小道を歩くこと約20分。水音が聞こえてきます。
突然、美しい広場に出ました。
広場の奥が、オンネトー湯の滝です。誰もいない滝を独占!
瀧のそばまで行けるので、さっそく手を洗ってみました。てっきり熱いのかなと思ったのですが、ぬるま湯という感じです。でも冬だったら、ほかほか湯気も出ていて暖かそう。
ちょっとぬるぬるしているかな?という印象もありました。
後で『ウィキペディア』で調べたところ、水温43度、pH6だそうです。水は弱酸性でもなく、ぎりぎり中性みたいです。
マンガン鉱床とは
ところで天然記念物のマンガン鉱床って、一体どこにあるんだろう???
化学や物理は苦手だったし、「マンガン」って言われても、ピンとこない。マンガン電池しか思い浮かびません。
どんな形、どんな色なのかもわからない。てっきりこの滝つぼの池にあった赤茶色のものかなと思っていました。
だけどこれが大違い!マンガンって、黒いものだったのです。しかもここにありました。
この滝の流れている石、これらがマンガン鉱床だったとは。そういえば黒い石だな~と思いながら、手を洗っていたのでした。なお注意書によると、
岩石等には触れないでください
とありました。よかった、触っていなかった。
なお、私が勘違いに気づいたのは、昨日夫がビデオで録画していたNHK BSプレミアムの『発見!体感!にっぽん水紀行▽火山と霧が生んだ神秘の水~北海道十勝・釧路・根室』を見たからです。見ていなかったら、恐ろしい勘違いブログを書いていたかも(怖)。
露天風呂とグッピーとティラピア
この滝は、温泉水から微生物(糸状藻類とマンガン酸化細菌)がマンガン鉱物を生成する「生きている鉱床」であること、それは陸上においては「世界唯一の場所」であることが学術調査によって判明し、天然記念物に指定されました。
広場には、小さなビジターハウスやトイレもあり、ビジターハウスには、湯の滝やマンガンについての説明パネルがありました。でも「どこがマンガン鉱床なのか」わかるように書いていなかったのです(わかると触られる?)。
昔ここには露天風呂もありましたが、マンガン泥を生成する微生物を保護するため、入浴禁止になりました。
露天風呂よりもっと微生物を脅かし、マンガン泥の生成を減らしてしまったとされるのが、人為的に放流されたらしいグッピーとナイルティラピア。
温泉の水で育ち繁殖を続けるうち、糸状藻類を食べてしまい、マンガン泥の生成量が減少してしまうことが問題視されるようになりました。
この池で育っていたのかな?
グッピーとナイルティラピアを完全に駆除するため、温泉水の遮断や冷水の引き込みなどを行った結果、昨年から彼らの姿は見られなくなっているとか。
完全に駆除できれば、これらのパイプなどは完全撤去されるそうです。
早く昔の姿に戻るといいですね。
最後に再びオンネトー
オンネトー湯の滝観光を終え、待ってくれていた久保運転手の車に乗って、再びオンネトー経由でホテル阿寒湖荘に戻りました。
その途中、湖と山々が美しく見える場所に停まってくれました。
展望デッキで眺めた時と、雌阿寒岳の姿が違っています。
いかにも活火山!という感じの、野性味あふれた山頂。煙もうっすら上がっていました。
もし次回訪れることがあれば、コバルトブルーの水面、もしくは山々が映る水鏡のオンネトー、パイプのない湯の滝、そして、オンネトーの近くにあるもう一つの神秘の沼「錦沼」を見てみたいなと思います。
久保運転手さん、いろいろありがとうございました。楽しい3時間でした。
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