2019年2月10日(日)、ベルトラの縄文杉1日トレッキングツアー(明日は白水雲水峡)に参加しました。
ガイドの横田大洋さんのお話を聞きながら、屋久島の自然について学ぶことができました。
大王杉
昼食後も、険しい山道は続きます。
「絞め殺しの木」とも呼ばれるヤマグルマに巻きつかれた屋久杉(上)や、幹が太くなったヒメシャラ(下)を見ながら歩きます。
やがて、樹齢3,000年以上という大王杉に到着。
縄文杉より長生きとも言われ(縄文杉の樹齢には諸説あります)、縄文杉よりも間近に見ることができるので、迫力があるとも言われます。下の写真は、大王杉の上部。
1966年、屋久町役場観光課長の岩川貞次さんにより、縄文杉が発見されるまでは、最大の杉として知られていたとのこと。
「大王杉ツアー」ならもう少し楽だったのに!と、ちょっと岩川さんを恨めしく思ってしまいます。
かつては大王杉のすぐ脇を通る別の道があって、裏側から試し切りの痕や空洞の中なども覗くことができたそうですが、空洞内でボヤがあったために近寄れないよう道は封鎖されたとか。
現在生き残っている屋久杉は、江戸時代(薩摩藩時代)、年貢として伐採するのには不向きな木であった(つまり「落ちこぼれ」?)ため、伐採されずに済んだ木々だそうです。
人生も屋久杉の一生も、何が幸いするかわかりませんね。
夫婦(めおと)杉へ
大王杉を過ぎたあたりから、世界自然遺産地域に入りました。
というか、今までの地域が世界自然遺産地域でなかったことに、まずびっくり!
世界遺産として有名な屋久島ですが、実際に世界自然遺産として登録されているのは屋久島全体の20%程。この縄文杉コースでも、このエリアに含まれているのは縄文杉の周辺だけだそうです。
やがて、2本の杉が地上10mほどのところで融合し、まるで手を繋いでいるような夫婦杉に到着。
右が夫(樹齢2,000年)、左が妻(樹齢1,500年)。年の差500歳ですが、仲良さそうでほほえましい姿でした。
子宝の杉
夫婦杉を過ぎると、遠くに白い山肌が見え、まるで観音様がいるように見えました。
倒木の幹が、こんな風に腐っていくのだなというのも、よくわかります。
やがて見えてきたのが、とてもユニークな「子宝の杉」。女性器から赤ちゃんがまさに生まれ出ようとしているところでしょうか。カップルで撫でると、子宝に恵まれるのだとか。
まるでミロのヴィーナスを連想させる、女性らしいカーブ。どう見ても、女性のおへそ。
やっと縄文杉とご対面!
子宝の杉からさらに山道を進むと、ようやく縄文杉に到着!(標高1,300m)
現在確認されている中では、最も大きい屋久杉です。樹高25.3m、幹回り16.4mで、とても全体を写真撮影することはできません。
今にも雨が降りそうで、靄がかかっていましたが、それがまた神秘的。まさにパワースポット!
縄文時代から生きているようですが、樹齢については2,000年から7,200年まで、諸説あり。
2016年に新調された展望デッキは、縄文杉の枝が落ちて観光客がけがをするのを防ぐため、そして縄文杉を守るため(弱ってきている)、以前より遠くから見学することになってしまったようです。
ドローンや飲食も禁止です。観光客が増えると、縄文杉にもいろいろ影響が出るのですね。
南側の展望デッキで正面から見た後は、まず高塚小屋へと続く、縄文杉左側の展望通路へ。
杉の上部がよく見えます。近くで見た切株更新も、『風の谷のナウシカ』や『おんな城主直虎』が思い出されて、ちょっと感動的でした。
そして南デッキよりもさらに急な階段を登らなければならない、北デッキへ。
何となく、老人の顔にも見えます。
また違った角度から、縄文杉を見ることができました。生きるパワーをもらえたかな?
急斜面を下り、大株歩道入り口へ
下りは元来た道を、スティックのお世話になりながら、ひたすら歩きます。
下りは楽だと思われがちですが、私にとっては、下りの方が怖いのです。
面白い木もありますが、急な斜面を、足を滑らせないように注意しながら歩きます。
恐怖の階段は、夫のリュックにつかまって歩くことにしました。これで怖さは半減。
でも、無事に大株歩道入り口に戻った時には、怖い山道から解放され、思わず涙が出ました。
ケガしないで戻ってこれて、本当に良かった!
雨のトロッコ道
トロッコ道に戻った辺りから、雨が降り始めました。
板敷の道も、濡れると滑りやすいので、気を付けないといけません。
ただ、出発時よりは明るいので、登りの時には暗かった場所も撮影することができました。
これはマンリョウの実。野生です。
小杉谷集落跡の屋根付き休憩所。雨宿りさせてもらいました。
ここにも学校や集落の歴史が、パネルで紹介されていました。
最初に出会った屋久杉の大杉。
縄文杉や大王杉と比べると小さく感じますが、明るい場所で見るのがいいですね。
欄干のない橋、大杉橋も渡りました。
行く前には、落ちるかもしれないと心配でしたが、あの階段に比べたら、全然怖くありません。
出発時は暗くてわからなかった、まるで壁のような巨大な花崗岩。
屋久島は、花崗岩が隆起してできた島だということがよくわかります。
養分が少ない土壌のため、杉の成長は非常に遅く、年輪が密になって樹脂分も多くなり、強い木になるのだとか。確かにこんな岩の上では、いかにも栄養分が足りなさそう。
岩の斜面に生えている苔類やその下の土が、じゅうたんのようにめくれていました。
このわずかな土の上に、多くの木々が育つなんて、ちょっと信じられません。本当に不思議。
そしてやっと見えてきた、あのトンネル!
今日の屋久島ツアーの中では、最終組のグループになりましたが、無事17:00に荒川登山口にゴールできました!
スタートが6:10だったので、大体目標の11時間で到着です。
皆さんお疲れさまでした! ガイドの横田さん、明日もう1日、よろしくお願いいたします。
コメントを残す