大人1人100文で見学したい! 千畳敷の本丸御殿
2010年3年、織田信長の史跡を訪ねて滋賀県の安土を訪れました。
安土城址の大手道から黒金(くろがね)門、二の丸と山を登り、やっと本丸跡に到着。
天主台を眼前に仰ぐ場所は「千畳敷」とも呼ばれています。
ここに、御所の清涼殿と酷似した、コの字型に3つ建物を配した屋敷が建設されました。信長の家族が住んでいたそうなので、帰蝶さまも住んでいたのでしょう。
NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で話題の安土城大広間は、なんと240畳!
ちょっとこの山の敷地では、240畳は不可能な気もしましたが、ドラマでの信長の絶大な権力と孤独を表現しているようにも思えます。
もし正親町(おおぎまち)天皇の行幸が実現していたら、天皇はここで就寝し、信長は隣接する天主の5階6階部分で就寝起居することになったのでしょう。
三条西実澄(さんじょうにし さねずみ)など、朝廷の貴族たちが大反対するのは目に見えています。
本能寺の変黒幕説がささやかれるところですね。『麒麟がくる』ではこの辺りはどう描かれるのかな?
ちなみに1582(天正10)年正月、信長は1人100文の見物料を自ら徴収して、天皇を招き入れる「御幸の間」なども含め、一般公開したそうです。もちろん庶民にも門戸は開かれました。
そのとき信長は、御殿の玄関で自ら受付係をやったらしい。
一般公開は大成功! あまりの人の多さに城の石垣が一部崩れ、死者も出たそうです。
『麒麟がくる』では若き信長が魚を売っていましたが、本能寺の変が勃発する年の正月に出現した「受付係信長」は、果たして登場するのでしょうか。
諸説ありますが、多分当時の100文は1万円もしないようで(1,200円説もありました)、ディズニーリゾート(8,200円)やUSJ(7,800円~)の1日券より断然安いのではと思ってしまいます。
安土城はやはり「魅せる城」なのでしょう。
城の一般公開は「皆に褒められたい」という、彼の承認欲求の1つかもしれません。
それにしても、軍事機密は大丈夫だったのかな?「関係者以外立入禁止」ゾーンはあったのかな?
権威の象徴&アトラクションだった?天主台跡
続いて見えてきたのが、天主台跡。
ここにあの特徴的な姿の建物が建っていたのです!
想像していたより、狭いスペース。でもここに、当時世界一の木造高層建築が建っていました。
地下1階地上6階建てで、天主の高さが約32m。
しかもその外面は各層が朱色・青色・あるいは白色で、最上層は金色という豪華絢欄な建築物!
やっぱり『火天の城』を見た方がいいかな?
天主台跡からの眺めです。
干拓により農地になってしまいましたが、昔はこの辺りは大中湖という琵琶湖の一部でした(上の地図は『ウィキペディア』より)。
信長の見ていた景色と大分違う!
ちなみに信長は、色とりどりの提灯やたいまつで安土城をライトアップして城下町の人々を楽しませたり、城下町の人々を天主に入れて、城下町の夜景を見せたりすることもやっていたそうです。
琵琶湖に映るライトアップされた安土城は、とても幻想的だったことでしょう。
発想がすごすぎる!
今もし信長が生きていたら、きっとやり手の大企業経営者になっているような気がします。ブラック企業でなければいいな。
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