渋沢栄一の女性関係はどう描かれる?
2月14日(日)から始まった今年度のNHK大河ドラマ『青天を衝け』。
前回は、経済だけでなく、福祉や教育、民間外交にも取り組んだ渋沢栄一の業績をご紹介しました。
経済利益と道徳の両立を掲げ、経済発展と同時に国民全体を豊かにしていこうとする彼の考え方は、代表作『論語と算盤』などに述べられていますが、
その一方で、女性関係はかなり派手。あちこちに愛人を作り、子供の数も多いのだとか。
「お妾(めかけ)さん」が認められていた戦前の価値観が、ドラマではどう描かれるのかな?
ドラマチックなのは前半生?
91歳で亡くなる渋沢栄一ですが、34歳で大蔵省を辞職して実業界に飛び込むまでに人生が、実にドラマチックなのです。
彼は新選組の副長として知られる土方歳三さんと同様、武蔵国の豪農の家に生まれました(土方さんの方が5歳年上)。
名字帯刀を許され、農業だけでなく藍玉(染料)の製造販売も行い、詳細を磨きます。
「石田散薬」という家業秘伝の薬を製造販売していた土方家と、よく似ていますね。
学問や剣術も学びますが、土方さんと違うのは、代官の不当な仕打ちに怒り、幕府を倒そうと志したこと。
故郷でテロ活動(尊王攘夷のため)を計画するも未遂に終わり、追及の手を逃れて京都へ逃亡。
京都で一橋慶喜に仕官し(ここで武士になる)、その働きぶりが認められて慶喜にも信頼され、一橋家の富国強兵のために様々な改革を行いました。
慶喜の15代将軍就任には反対し、どのみち倒れる幕府なのだから、将軍には幼い人物を立て、慶喜は№2として補佐に徹すればいいと進言。
しかし彼の説得むなしく慶喜が将軍になってしまい(ここで渋沢栄一=幕臣となります)、彼はやる気を失いますが、パリ万博への使節団一行として推薦され、かつては敵と見なしていた欧州各地を歴訪することとなります。
一行の会計係&書記となった栄一は、パリ滞在中の資金繰りに苦しみつつも、近代社会や経済の仕組みを実際に学び、使節団長である徳川慶喜の弟・昭武にも信頼され、万博終了後も昭武の世話をしながらフランス留学を続ける予定でした。
しかしパリ滞在中に幕府は崩壊。一行も帰国を余儀なくされました。
帰国後は、静岡で隠棲している恩人・徳川慶喜のため、フランスで学んだ株式会社制度を実践して静岡藩の経済発展に貢献。
その活躍ぶりを聞きつけた大隈重信から説得され、明治政府に出仕します。
栄一は民部省や大蔵省で数々の改革(電信・鉄道建設、度量衡統一、郵便制度、銀行制度、廃藩置県や地租改正の提言など)を行うも、上司の大久保利通と対立して、僅か34歳で辞職してしまいます。そして実業界に入りました。
この34歳までの人生で、大河ドラマ1本書けそうな気もしませんか?
実業家パートは何回放映?
実業界に入ってからも、三菱の創業者である岩崎弥太郎との対決など、ドラマチックな展開はあるのですが、やっぱり前半生の方が面白そう。
『青天を衝け』のオープニングには、明治の服装をした栄一たちがダンスを踊っていたりしますが、12月までの放映スケジュールの内、実業家として描かれるのは、何回くらいなのでしょうか?
先日終了したNHK大河ドラマ『麒麟がくる』でも、じっくり描かれた出来事とあっさり描かれた(もしくはスルーされた)出来事があったので、今回のドラマはどういう展開になるのか、楽しみにしています。
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