北条氏ゆかりの地を巡る旅1 伊豆の国市・願成就院で北条時政の墓参り

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今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、北条義時が主人公。

でも北条義時って、平清盛や源頼朝、北条政子ほどにはよく知られていませんね。最後まで生き残るのに。

そんな北条義時や北条氏の面影を尋ねて、2021年3月27日(土)、桜の花咲く静岡県伊豆の国市を訪れました。

伊豆国しか走らないけど駿豆線

大阪から21:55出発の富士急湘南バス(株)金太郎号で三島駅に着いた私達は、

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伊豆箱根鉄道の駿豆線(すんずせん)に乗りました。

この鉄道は、昔は沼津市(旧駿河国)まで走っていたようですが、今は三島~修善寺間を走っているという、ALL伊豆国列車。だけど名前は昔のまま「駿豆線」。関西人には読めない、難しい名前の路線でした。

ホームには、アニメアイドル満載のラッピング列車!

沿線には、ちょっと変わった読み方の駅も。およそ25分ほどの列車旅でした。

伊豆の国市観光はレンタサイクルがベスト

伊豆長岡駅を起点にして、今回は北条義時ゆかりの地を尋ねたのですが、一番いいのはレンタサイクルで巡ること。

伊豆の国市観光協会のブログにも、伊豆長岡駅前観光案内所で自転車が借りられる!と書かれていました。

でも残念ながら、レンタサイクル営業は9:00開始。

夜行バスで早朝に到着したため、私達は最初の目的地・願成就院までひたすら歩きます。グーグルマップのお告げによると、大体20分弱ほど。

朝食も食べていないため、どこかカフェやファミレスでもあれば、立ち寄ってもいいなと思いましたが、それらしいお店は1軒もありませんでした。残念!

早朝の願成就院

案内板も完備され、迷うことなく目的地に着きました。

まず敷地が広いのにびっくり!

北条時政が1189(文治5)年、源頼朝の奥州征討の戦勝を祈願して寺院を建立し、「願成就院」と名付けました。でも実際はもっと早くから準備されていて、北条氏の氏寺的な性格を持つ寺院だったようです。

その後も子の義時・孫の泰時の三代に渡って伽藍(寺院の堂塔などの建造物)が建立され、整備されたのですが、今は立派な建物の多くは失われ、桜が咲き誇る広場になっていました。

昔の荘厳な伽藍の姿も見てみたいけれど、今の桜も美しい!

この広場はお花見にぴったりですね!

門を入ると、由緒ありげな石像がたくさんあります。誰かのお墓なのかな? なんだか気になりました。

北条時政の墓

願成就院を訪れる人たちの(多分)9割以上は、運慶作の仏像を見に来られるのではないでしょうか。

願成就院には、運慶の仏像(国宝)がなんと5体も! その他にも、北条時政像や、顔が北条政子だと言われる地蔵菩薩像など、お宝がいっぱい。

私たちももちろん、機会があればぜひ運慶の仏像などお宝を見たいと思っていました。

でも残念なことに、拝観開始は10時です。とても待ってはいられません。ここが夜行バス利用の悲しいところ。

仕方がないので、北条時政のお墓を見に行きました。

お墓はいつでも、自由に見学できます。なかなか立派なお墓でした。

この記念碑は新しそうですね。

頼朝の死後、御家人たちの勢力争いに勝ち残り、3代将軍実朝の祖父として初代執権となり、権力を握った北条時政でしたが、愛する牧の方の娘婿を将軍にするため、実朝を殺そうとしているという噂が流れます。

この噂は真実なのか、フェイクニュースだったのか。でも鎌倉時代って、こういうことはよくありました。

ともかくこれに反発したのが実朝の母・政子。そして畠山重忠討伐を巡って時政と対立していた義時でした。

彼らは時政邸にいた将軍実朝を、義時邸に迎え入れてしまいます。将軍がいればこっちのもの! 今まで時政に味方していた御家人たちは、皆、義時や政子の側についてしまいます。

時政と牧の方は政争に敗れ、出家して伊豆国の故郷で隠居させられ、やがて1215(建保3)年に時政は、腫物のため77歳で死去しました。

牧の方を愛するあまり、「晩節を汚した」と言われる時政ですが、年の離れた牧の方とは終生とても仲が良かったらしく、思うように生きた、この時代の御家人にとっては幸せな人生だったのではないでしょうか。

足利茶々丸のお墓はどこに

次に見たかったのが、戦国時代に波乱万丈の生涯を送り、伊勢宗瑞(死後「北条早雲」と呼ばれる)に敗北して自刃した、最後の堀越公方(ほりごえくぼう)・足利茶々丸の墓。

案内板によるとこの寺にあるらしいのですが、詳しい場所がわからない。

広い敷地を探し回ります。

石像がたくさんあるのですが、彼のお墓ではなさそうだし、

よく見ると現代的な像です。

不思議に思っていると、どうやら五百羅漢のようでした。

調べてみると、願成就院のHPに、「今様五百羅漢づくり」の案内がありました。石工の指導の下、自分で思いを込めて彫っていくそうです(石材・指導料・供養料など込みで一体18万円)。

足利茶々丸のお墓は最後まで見つからなかったけれど(どうやら日本庭園の方にあるそうです)、ほのぼのする石像を見ることができてよかったです。今度はぜひ運慶の国宝仏など、お宝も見てみたい!

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