2020年夏 初めての熱海体験記4 大正モダニズム建築の起雲閣

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起雲閣とは

熱海には有名な旅館やホテルが今もたくさんありますが、近代建築の名作と言われる旧旅館もありました。

それがこの「起雲閣」です。

この門は「薬医門」という形式なのですが、先日紹介した伊豆韮山代官・江川太郎左衛門英龍邸の門と同じ形式。格式がある門です。

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2022年5月9日

建物だけでなく、門や土塀、蔵、庭などの邸宅セットが全て現存している例は、珍しいのだとか。

元々は、日本三大船成金の1人であり、大臣も歴任した内田信也が、母を静養させる場所として建築したもの。

「熱海の三大別荘」と呼ばれ(現存して見学できるのはここだけ)、2014年に放送されたNHK連続テレビ小説『花子とアン』では、九州の石炭王である嘉納伝助の屋敷として使われたそうです(ドラマ見てない!)

後に日本観光株式会社が取得して、旅館として営業しましたが、2000年に会社が自己破産した後は、熱海市所有の観光施設となりました。

斬新な大正モダンは今見ても面白い

それでは建物の中をご紹介しましょう。

この「麒麟・大鳳(きりん・たいほう)の間」でひときわ目を引いたのが、この青い壁!「加賀の青漆喰」と呼ばれている技法です。

加賀百万石の前田家当主が愛したこの色は、明治になると裕福な商家や茶屋に広まったそうです。この建物が旅館となったときに塗り替えられたのだとか。ちなみに青の原料は天然のラピスラズリ・・・ではなく、合成のものですが、それでも高貴な色には違いありません。美しい色です。

旅館らしい、美しい廊下や庭。和風だけれどモザイクの廊下が斬新です。

2代目オーナーの実業家・「鉄道王」根津嘉一郎が増築した洋館「玉姫(たまひめ)の間」。洋間ですが、装飾や天井が和の雰囲気ですね。

こちらも洋館で「玉渓(ぎょくけい)の間」。ヨーロッパ風の部屋ですが、暖炉の飾りはサンスクリット語らしい。ここにも西洋と東洋が共存しています。

文豪が宿泊した部屋もありました。

この写真は左から山本有三、志賀直哉、谷崎潤一郎。昭和23年の写真でした。

熱海といえば、この人を忘れることはできません。熱海の海岸を有名にした、『金色夜叉』の作者・尾崎紅葉。

そして温泉地・熱海の旅館らしく、浴室も凝っていました。当時は特別室の風呂として、限られた人しか入浴できなかったローマ風浴室にびっくり!

本当に贅沢な気分になれたことでしょう。ちなみにタイルは、肌触りの良さや滑り止め効果を考慮した木製のタイルだそうです。

上は、旧大浴場だったという「染殿(そめどの)の湯」。明るくて庭が見えて、こちらも趣がありました。

そして最後に見学した、純和室の「孔雀の間」。当時の一般的な座敷ですが、「床の間」「付書院」がある座敷は、だんだん少なくなってきているようです。見るのは好きなのだけれど、畳に座るのが苦手(汗)。

どこか懐かしい和室の「孔雀の間」は窓が大きく、庭がとても良く見えて、のんびり癒やされそうな部屋でした。

喫茶室「やすらぎ」と日本庭園

個性のある美しい部屋をじっくり見て回ると、さすがに疲れてくるものです。

そんなときには、館内の喫茶室で一休み。

旅館時代はBarスペースだったそうです。天井や壁のステンドグラスが、いいアクセントになっています。

ゆったりしたソファと、おしゃれな照明、そして窓から見える庭の景色を見れば、疲れも吹き飛びます。

この時頂いた珈琲とクッキーはこちら。熱海菓子工房 NIKOLEAF(ニコリーフ)の、バターサブレでした。

最後に日本庭園を散策。

廊下や部屋の窓から見るのとはまた違って、とても広々としていました。

芝生の緑が美しい!

建物の外は普通の町並みなのに、別世界に来たような不思議な感覚になれました。

想像していたよりも遥かに見どころが多かった起雲閣。なんの予備知識がなくても楽しめるので、おすすめです。

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