宮沢賢治記念館 賢治ファンなら一度は訪れたい聖地を訪問! イベント情報は要チェック!

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路線バスに乗って、宮沢賢治記念館に無料で入ろう!

2022年8月28日(日)、岩手県盛岡市にある宮沢賢治記念館を初めて訪問しました。

この記念館は、JR花巻駅からかなり離れているのですが(どちらかというと、新花巻駅の方が近い)、岩手県交通「土沢線」の路線バスに乗ると、通常大人350円の入館料が無料になるという情報を知り、JR花巻駅の観光案内所で尋ねてみると、少し待てばそのバス(しかも最終バス!)があるとのこと。運がよかったです。

14:50発の最終バスに乗り、「賢治記念館口」で下車すると、運転手さんが記念館のチケットをくれました。

階段より花畑が見たい! 賢治が設計した花壇を見ながら記念館へ

バス停から記念館へ行こうとすると、かなり長そうな階段が迎えてくれました。

記念館は、賢治が当時よく訪れていたという胡四王山の頂にあり、車があれば記念館前の駐車場まで楽に行けるのですが、車のない私たちは階段を上がるしかなさそう。

2014年に完成した階段は367段あり、それまで車が往来する狭い道を登っていた観光客の交通安全と、雨の日の便利さのために作られたのだとか。

でも一緒にバスから降りた女性が、階段より面白そうな別の道を勧めてくれました。

「ポランの広場」と呼ばれる、賢治が設計した日時計や南斜花壇がある公園を通る道で、童話をモティーフにしたタイルもありました。

タイルなどは特に滑りやすいので、歩くときには注意してくださいね。

賢治が設計した日時計は、鉛筆のようなノーメン(影を作る棒)がありました。

斜面を登ることには変わりはないけれど、きれいな花を見ながらの方が楽しいですね!

賢治の世界観を体験できる! 撮影OKの記念館

今年開館40周年を迎えるという宮沢賢治記念館。ところが展示の方法は、なかなか現代風なのです。

調べてみると、2015年にリニューアルオープンしたようですね。

驚いたのは、館内が撮影自由だったこと。

そして「科学」「芸術」「農」「祈」「宙(そら)」の5つのテーマで、賢治の愛用品や原稿、写真などの展示を行っています。賢治の世界観がとてもよく伝わってきました。子供には難しいかもしれませんが、大人の賢治ファンなら十分納得できる内容でしょう。

これは、羅須地人協会など「農」に関する展示。晩年の賢治は肥料会社(東北砕石工場)でも働いていました。

「科学」の展示。「石コ賢さん」と言われたくらい、岩石標本が好きな賢治らしい展示です。

私も石が大好きなので、見ていて楽しい! 飽きません。

「イギリス海岸」にも行ってみたかったな。地学ってとても面白くてロマンがあります。農学や地学だけでなく、賢治はアインシュタインの相対性理論にも関心があったようです。どちらかと言えば理系の人だったのかな。

「芸術」も愛した賢治が弾いたチェロは、ひときわ目立っていました。

賢治が筆写したチェロの教本。真剣に東京でレッスンを受けたようですが、上手くなかったようです。まさしく『セロ弾きのゴーシュ』。フランス語で「不器用な」という意味の単語から「ゴーシュ」という名前になったという説もあるのですが、賢治もどちらかと言えば不器用な人だと思いました。

そしてベートーヴェン『田園』のレコード!

高畑勲監督『セロ弾きのゴーシュ』を思い出します。

賢治のチェロの隣には、若くして亡くなった妹・トシのヴァイオリンも展示されていました。ちなみに賢治がチェロのレッスンを始めたのは、トシの死後です。彼女のヴァイオリンにも影響されたのかな?

「祈」では、彼が信仰していた法華経はもちろん、

ベジタリアンをテーマにした童話『ビジテリアン大祭』があったり、シルクロードのミーラン遺跡(中国の新疆ウイグル自治区)から発見された有翼の天使をモデルにした童話があると知ったり。

「宙(そら)」では『銀河鉄道の夜』や(何度も原稿を書き直しているのがわかります)

『星めぐりの歌』の原稿パネルが展示されていました。カール・セーガン博士の『コスモス』からの写真も紹介されていて、私たちの世代には懐かしい限り。

細野晴臣さんの『銀河鉄道の夜』の映画音楽も聴きたくなりました。

特別展「心象スケッチ 春と修羅」

この日は、「心象スケッチ 春と修羅」という特別展も開催されていました。

この詩集はまだ読んだことがなくて、妹トシの死を題材とした「永訣の朝」を知っているくらい。

でも、こんな原稿用紙に書いていたんだなとわかったし、

『ビブリア古書道の事件手帖』(第3巻)でも描かれていたけれど、

賢治は最後まで推敲を重ね、初版本にも書き込みを行ったものがあったということを思い出させてくれました。完璧主義者なんですね。

期間限定で『雨ニモマケズ』手帳が公開される!

宮沢賢治の代表作と言えば、『雨ニモマケズ』を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

記念館にも複製の手帳が展示されていました。

複製とはいえ、メモとして書かれたこの作品の雰囲気がよく伝わってきました。

私たちは複製しか見ることができなかったのですが、2022年9月16日(金)~9月25日(日)の期間限定で、特別企画として「雨ニモマケズ手帳」が公開されます!(詳しくはこちらをご覧ください)

館内には賢治グッズを中心とした売店もあるし、子供向きの賢治のアニメ作品の上映もあったり(この日は賢治のデビュー作『雪渡り』でした。私も大好きな作品)と、賢治ファンならなかなか楽しめる場所。

記念館の外にも「よだかの星彫刻碑」があったり

レストラン「山猫軒」があったりします。賢治ワールドにたっぷり浸れること間違いないですね!

なお、土日祝日の場合は、花巻駅方面への最終バスは16:21、新花巻方面への最終バスは15:07に記念館口を発車します。受付でもタクシーの案内をしてくれるので、万が一乗り遅れても大丈夫ですよ。

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