2022年8月28日(日)、初めて岩手県の遠野市を訪れました。
『遠野物語』の舞台への入口 遠野駅と駅前観光案内所
遠野に来られる方の多くは、今から110年ほど前に民俗学者・柳田国男が発表した『遠野物語』という説話集の舞台に興味があるのではと思います。
河童や座敷童子、天狗、神隠しなどの不思議な話がたくさんあるけれど、時間があまりない私たちは、かっぱ淵と伝承館の2つに絞って観光することにしました。土地勘のない私たちを助けてくれたのが、駅前の観光案内所。
晴れていたらレンタサイクルもいいのですが、この日はあいにくの雨。しばらく待てば、バスでこの2か所に行けると教えてくれました。
バスを待っている間に気になったのが、この建物。
観光協会も入っている「旅の蔵 遠野」の物見やぐらのようですが、上にいる青い服の人は誰? 天狗かな? 『遠野物語』に出てきそうな、不思議な雰囲気が漂っています。
ホップ畑と常堅寺
10:26遠野駅発の岩手県交通附馬牛(つきもうし)線のバスが来ました。
10:43に下車したのは足洗川バス停。
かっぱ淵にも伝承園にも近いバス停です。バス停からかっぱ淵まで、徒歩5分くらいでした。
かっぱ淵に行く途中には、キリンビールの契約農家のホップ畑がありました。
知らなかったのですが、遠野市って日本最大のホップの生産地なんですね。冷涼な気候が適していて、ホップは冷害に強いそうです。
どうやら今は、収穫が終わったばかりのようです(8月下旬から9月上旬が収穫期)。『遠野物語』の雰囲気とは少し違っていますが、収穫前のホップ畑も見てみたかったな。
さらに進むと、常堅寺という寺院があり、
本堂や七夕飾り(?)、そして寺の裏手にあるかっぱ淵に注意を奪われていたので見落としたのですが、
常堅寺十王堂の前には、「かっぱ狛犬」なるものがあるとか。昔寺が火事になった際、頭の皿から水を噴き出して消し止めたそうです。
かっぱ狛犬像は、ちゃんと頭のお皿の部分に、雨水がたまるようになっているのだとか。見たかったな。
遠野の河童は顔が赤い!
雨のかっぱ淵には、仕掛け釣り竿のようなものが置かれていました。
きゅうりを餌に、河童を釣っているのです!
時間があるなら、この近くの伝承館で許可証をもらって河童釣りをするのもいいかも。
よくよく説明書きを読んでみると、私たちがイメージする緑色の河童と違って、遠野の河童は顔が赤いそうです。
いたずらが好きでしたが、川に馬を引き込もうとしたいたずらが失敗し、その時お詫びして許された河童は、母と子の守り神となりました。
青い色の河童のお母さんも、
よくよく見ると、顔が赤いですね。「河童のお母さん」と言えば、清水崑さん描く女河童を思い浮かべるのですが、少し顔にすごみがあります。
祠には、乳がたくさん出るようにと、カラフルな乳首のぬいぐるみが奉納されていました。中央の写真は、「初代かっぱおじさん」として知られた、故 阿部与市さん。実際にここで河童を2匹目撃されたそう。
今はその跡を継いだ「2代目かっぱおじさん」が、河童を釣ろうと頑張っておられます。遠野市公認・河童の守っ人(まぶりっと)として
河童から美男美女を守る注意書きも。
河童については、「口減らし」のためあまり健康でない子供(胎児含む)を「河童の子」として、「河童の神様」のもとへ「返す」風習から生まれたとする説もあります。
雨のかっぱ淵は人も少なく、河童がいつ出てきてもおかしくない、少しミステリアスな雰囲気でした。
ちなみに、遠野駅などで目にした遠野市公式キャラクター「カリンちゃん」(旧遠野市の花・リンドウを持つ河童)は、普通に緑の河童でした。顔は赤くないけれど、一般受けするからこれでいいのかな?
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