2022年10月20日(木)、兵庫県赤穂市を訪れました。早朝の坂越(さこし)駅でレンタサイクルを借り、美しい海や町並み、大避(おおさけ)神社などを見て回りました。
電動アシスト付き自転車で播州赤穂を走る!
坂越の見学を終えた私たちは、JR播州赤穂に戻り、観光案内所で電動アシスト付き自転車をレンタルしました(2台で1,600円)。
最初の目的地は、坂越で伝馬船という店のご主人に教えてもらった赤穂市立海洋科学館・塩の国。
途中、赤穂城や
伝馬船のご主人も通ったという兵庫県立赤穂高等学校を通りました。
赤穂高等学校は、昔は赤穂城本丸跡にあったのだとか(写真は赤穂城跡パンフレットより)。城下町の高校らしいなと思いました。
さらに南下して赤穂市立海洋科学館へ。館内は校外学習の小学生たちでにぎわっています。
驚いたのは大人1人200円で入館できるという安さ! 追加料金なしで塩づくり体験もできます。
海洋科学館で化石に感動!
私たちは10:20の塩づくり体験を予約し、時間が来るまで海洋科学館を見学。
恐竜(アロサウルス)の化石や(海と関係あるのかは不明)
アンモナイトの化石は本物ならではの迫力があったし、
カブトガニの殻も面白い形です。
ありがたかったのは、坂越で見た生島(いくしま)の植生を解説してくれていたこと。
人の立ち入ることができない場所なので、どうなっているのか全然わからなかったのですが、
貴重な生態系が残っていることがよくわかりました。
最新デジタル技術を駆使した展示もあるし
実物の魚も展示されていて、子供でも興味を持てそうな展示内容でした。
塩のギャラリーで塩について学ぶ
続いて訪れたのは、塩のギャラリー。
塩や塩づくりについて学ぶことができます。
興味深かったのは、赤穂の昔の塩田風景。
今はこんな風に、海水中の塩分を集める「イオン交換樹脂膜法」を用いて工場で製塩されています。赤穂でも赤穂化成という企業が工場で「赤穂の天塩(あましお)」などを生産していると知りました。
瀬戸内の穏やかな海と雨の少ない気候、千種川がもたらした良質の砂からできた広大な干潟と、瀬戸内特有の程良い干満の差で、入浜式塩田で良質の塩を国内で最初に量産していた赤穂。
江戸など東日本や北国には、にがりを含む差塩(さししお 並塩)を、薄味を好む関西にはにがりを除去し、白く小粒で上品な味の真塩(ましお 上質塩)を生産し、多様な食文化にも対応していたようです。
工場で塩が生産されるようになっても、日本の塩の約2割は赤穂で生産されているのだとか。
やはり塩と言えば赤穂ですね!
塩の国での塩づくり体験
海洋科学館の見学を終え、次は塩の国へ。
入浜式塩田や流下式塩田が復元されていて、先ほど見た昔の写真の光景がよみがえります。
特に流下式塩田に特徴的な、枝条架(しじょうか)が印象的でした。
塩づくり体験は、加西市立富田小学校の3年生と一緒に行うことになりました。小学生が来るまで、部屋の内部を見学。塩づくりについても、スタッフが説明してくれました。
古代の揚浜式塩田では、海水をくみ上げて塩田に撒くのがものすごい重労働だったそうです。『安寿と厨子王』では、姉の安寿姫がこの重労働をさせられました。塩田の砂を乾燥させ、その砂を集めて容器に入れて海水を入れ、濃い塩水を作って釜で煮詰めて製塩していました。
入浜式塩田になると、堤防を築くなどして潮の干満差を利用し、労力も少なくて済み、大規模な生産も可能になったようです。
昭和になると、ポンプで枝条架の上から海水を流し、しずくをつくることで風の力で蒸発を促し、塩分濃度を濃縮する流下式塩田になります。大量の砂を動かす重労働がなくなり、生産量も増加しました。
テーブルには、その枝条架で採取したかん水(塩分を濃くした海水)。そしてへら、スプーン、ビニール袋。普通の海水は塩分濃度3%ほどですが、鍋の中のかん水は、塩分濃度18%です。
スタッフの指導を受け、まずかん水を煮詰めていきます。
よくかき混ぜて
水分が蒸発すると、塩が姿を現してきます。
仕上げはスプーンで、塊を潰していきます。
スタッフの手際のいいこと! きれいな塩になりました。
この塩を袋に詰めて、今日の赤穂土産にしました。にがりのある、ミネラル100%の塩で、おにぎりやゆで卵、焼肉、ステーキに使うといいのだとか。
所要時間は約25分ほど。塩づくりの説明もあり(小学生にもわかるように解説してくれました)、赤穂の塩づくりについても知ることができました。
塩づくりは想像以上に面白くて、せっかく赤穂に来たのならぜひ体験してほしいなと思います。
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