今年も残すところ、あと1日となりました。新しい年を、旅先で迎える予定の方も多いのではないでしょうか。
昨年2021年末から私たちは沖縄に滞在し、新年を沖縄で迎えました。
地元の関西で迎えるお正月とは違っていて、とても興味深かったのでお伝えします。
琉球国一宮の波上宮
飛鳥時代から明治初期まで、日本の行政や地理単位の基本区分は、律令制で定められた旧国名で分けられていました。
奈良県なら大和国、和歌山県なら紀伊国といった感じですね。
そしてその国ごとに、最も格式の高い神社が定められ、一宮(いちのみや)と呼ばれています。
沖縄の場合、現代に「新一の宮」として新設され、波上宮(なみのうえぐう)が「琉球国一宮」とされました。
同じく現代になって、「蝦夷国一宮」とされた北海道神宮と似ていますね。
現代では「沖縄総鎮守」とされて崇敬されています。
拝殿前は長蛇の列
地元の人々から、「なんみんさん」「ナンミン」として親しまれている波上宮に行くには、ゆいレール旭橋駅から、
徒歩15分ほどです。

旭橋駅構内には、このような年賀状?も掲示されて、新年らしい心遣いが感じられます。

波上宮一ノ鳥居が見えてきました。初詣に行く人たちがたくさんいます。

那覇港を望む高台の上にある波上宮の石段には、拝殿前で祈りを捧げたい人々が、長い行列を作っています。こんなに人気の初詣先だったとは!

とても行列に並ぶ時間はないので、遠くから遙拝しました。
主祭神は国生み神話の女神・伊弉冉尊(いざなぎのみこと)、速玉男尊(はやたまおのみこと)、事解男尊(ことさかおのみこと)の3柱。熊野権現と称される神々が、沖縄にも伝わっているので驚きました。
沖縄って伝統的な御嶽(うたき=守護神が祀られる聖所)だけでなく、神社もあったんですね! 海上交易ルートで、様々な文化や信仰が琉球国に伝わったことを実感できました。

海のかなたの海神の国(ニライカナイ)の神々に、豊穣や平穏を祈る聖地が、この神社の始まり。
伝説によると、ある里人が釣りをしていたところ、海岸で「光り、ものを言う石」を見つけました。この石に祈ると豊漁になるため、神々がこの石を奪おうとします。里人はこの地に逃れると、光る石が「自分は熊野権現である。この地に社を立てて祀れ」とのお告げ。そこで里人は琉球王府にこの石のことを奏上し、社殿が創建されたのだとか。

波上宮の御朱印(300円)は頂くことができました。
那覇で唯一遊泳可能な波の上ビーチ
初詣で賑わっている波上宮の一画には、ビーチに出る小道がありました。

屋台もたくさん出ています。関西に比べて気温が高いせいか、或いは歩きながら飲んだり食べたりするためか、マスクをしていない人もかなり多かったです。

公園のような場所もありますが、ここは殉職警察官の慰霊碑。

高台に位置するだけあって、眺めのいい場所もありました。

更に歩くとビーチに出ました。ここは、那覇で唯一遊泳可能な「波の上ビーチ」。人工ビーチだそうです。

さすがにこの時期、泳ぐ人はいませんでしたが、若者たちが楽しそうに遊んでいました。

那覇港に近いだけあって、船の姿も見えます。

海から見ると、高台(崖)の上に建つ本殿を、また違った角度から見ることができました。
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